◆−ゼロスの心情−瞳 (2003/12/1 16:51:48) No.28423
 ┣Re:ゼロスの心情−瞳 (2003/12/1 17:00:52) No.28424
 ┗お初にお目に掛かります。−煌天由亜 (2003/12/1 22:11:08) No.28436
  ┗Re:お初にお目に掛かります。−瞳 (2003/12/5 18:13:26) No.28496


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28423ゼロスの心情2003/12/1 16:51:48


即興?一発書きです。すみません(;−;)



青白い満月の夜。
真夜中だったが、外は月明かりに照らされて、美しく輝いていた。
リナは何となく月を見たい、と思い、森に出かけた。

森の中をしばらく歩くと、木々の間に隠れるようにして、小さな泉があるのを見つけた。
そこには人気がなく、月も一望出来たので、リナは近くの切り株に腰掛ける。

月と闇が何かを連想させて、無意識につぶやく。
「ゼロス。」
居ないと分かっているから、安心して言えるのだ。
本人の前では絶対に言わない・・・・はずだった。
「いやぁ〜、ばれちゃいました?」
能天気な声と共に、闇をまとった神官が、リナの目の前に現れた。
居ないと思っていたのに、偶然なのかすぐそばにいたのである。
「あんたね・・・・で、何の用?」
無意識につぶやいたのをばれないように、話をはぐらかす。
しかし、ゼロスは気付いていた。
完全に気配を隠し、リナを付けていたのだから。
所詮、人間は魔族に及ばないのである。
「実はですね〜、リナさんに会いたかったんです。」
ゼロスはさらりと、すごいせりふを言った。
「ふ〜ん・・・って、え?!」
ゼロスの台詞が、あまりにも自然だったので、リナの反応が遅れる。
やっと意味に気付き、あわてる。
「冗談でしょ。本当の理由を言いなさいよ!」
顔を真っ赤にして、ゼロスを責め立てる。
本当は照れ隠しで、ゼロスの言葉が嬉しかったりする。
「会いたいというのは本当ですよv」
心の中で、照れている彼女を愛しく思いながらも、しらじらしく言う。
それもつかの間・・・12時の鐘が鳴ると、
何かを思い出しように、表情も今にも泣きそうな顔になる。
「何かあったの・・・・?」
いつもと違うゼロスに、心配そうにリナは聞いた。

ふわっ

いきなりゼロスがリナを抱きしめる。
驚きと戸惑いで、リナは何が起こったのか分からなかった。
「リナさん、僕はあなたが好きです!・・・だけど。」
唐突すぎるゼロスの行動と告白に、思わず答える。
「私もよ。」
リナは自分の口から出た言葉に驚くものの、ゼロスをなだめるので必死だった。
今、ゼロスはリナに抱きついたまま、肩をふるわせていた。
「嬉しいです、りなさん・・・・だけど」
「だけど何?」
情緒が不安定なゼロスに、リナは優しく微笑みかける。
一瞬、ゼロスがびくりと震えたようだった。
「今回の僕の仕事は・・・・あなたを・・・・。」
一段と、ゼロスの嗚咽が激しくなる。
「・・・・・・・・殺しにきたんです。」
とぎれとぎれながらも、ゼロスは言葉を紡いだ。
ゼロスの言葉に、リナはかなり驚いたようだった。
しかしそれは、ゼロスが自分を殺すことではなく、ゼロスがそれを躊躇うことだった。
「良いわよ。覚悟は出来てるから。」
はっきりと、リナは言った。
その瞳には、死を恐れない光が宿っていた。
それは、旅の途中にもあったものだった・・・・。
「任務失敗したら、あんたが滅ぼされるんでしょ。」
はっと、何かに気付いたようにゼロスはリナを見つめた。
「リナさん・・・僕のために?」
悲痛なゼロスの瞳を見つめ返し、ウィンクすると、リナは言った。
「もちろん、全力で抵抗するわよ。」





「では、行きますね。」
「いいわよ。」
二人の姿を月が照らす。
ゼロスは目の前に黒い錘を出現させる。
幾たびの魔族を滅ばし、竜を殺した、あの錘である。
「へぇ〜、人間相手に本気出すんだ。」
意外そうに、リナが言う。
本人としては挑発をしたつもりなのだが・・・。
「1時に、と命令されていますし、リナさんが本気出しますから。」
ゼロスは悲しげに、無理やり笑ってみせる。
その悲痛な表情を見て、リナは何か決心したようだった。
「そっちからで良いわよ。」
「じゃあ、遠慮しませんよ。」
ゼロスが、魔力を黒い錘に放つ。
そして、勢い良くリナに向かっていった。

ズブッ

ゼロスは避けると思っていた。
だからあえて、真っ直ぐ飛ばしたのだ・・・・
それなのに!ゼロスは心の中で悲痛な叫び声をあげていた。
「何で・・・何で・・避けなかったんですか!?」
リナは腹から血を出しながら、必死に言葉を紡いだ。
「真っ直ぐ来るとは・・・思わなか・・・・・かはっ。」
口から血を吐く。
このままではいずれ、出血多量で死んでしまうだろう。
リナはもう、死ぬのを悟っているのかもしれない。
「リナさん・・・・逝かないで下さい!」
ゼロスが、リナに駆け寄り呼びかける。
「何・・言ってんのよ・・・・」
「だって、こんなに血が・・」
リナの周りには、彼女の血で出来た赤い池が出来ていた。
「今、止血しますから。」
ゼロスはそう言うと、魔力を放つ。
「や・・・め・・て。あんたの・・上司が見てるかも・・」
魔力を放つゼロスの手を、リナは振り払う。
「そんなに、僕のために・・・・。」
ゼロスは、リナを抱きしめる。
「人間・・・なんか・・すぐ転生・・する・・か・ら」
はあはあ、と荒い息をしながら、リナは笑って見せた。
「リナさんじゃないと・・・僕は。」
「良いから・・・あたし・・もう駄目だ・・・し。」
リナは、苦しそうに咳き込んだ。
顔は血の気を失い、目は閉じかかっている。
「駄目です・・・・諦めては!」
ゼロスの顔が、悲しみに暮れる・・・
「ねぇ・・・・いつものように・・」
リナがそっと、ゼロスをなだめるように言う。
目には少し、涙が潤んでいる。
「笑って・・・・お願い・・あんたの悲しむ顔・・見たくないんだ・・」
リナは、そう言うと力を振り絞って、ゼロスの頬に手を伸ばした。
そして、そっと唇にキスした。
「リナさん。」
ゼロスはリナに言われたとおり、必死に笑おうとした。
しかし、いつもなら簡単に出来るのに、不自然な笑みしかできなかった・・・・
その顔を見ると、リナは小さく、しかしはっきりとつぶやいた。
「生・・・きて・・」
ふっと微笑むと、その言葉を最後に、リナの手が力無く落ちる。
「リナさん・・・?・・・・リナさん!!」
ゼロスがリナを見ると、叫ぶ。
「・・・いつものように・・・出来ましたよ・・」
肩が震えて、ゼロスはリナの前に膝をついた。
リナの冷たくなった頬に手を添えると、ぽつりという。
「・・・笑えたじゃないですか・・・・」
声が震える。
「何で・・何で・・・逝っちゃうんですか!!」

森の中に、ゼロスの声が響き渡った・・・・





                            END

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28424Re:ゼロスの心情2003/12/1 17:00:52
記事番号28423へのコメント

こんにちは。
悲恋&一発書きですみません。
特に、ゼロリナファンの方。(私もですが)

本文の中で、あまり詳しく書いてないところを補足します。
・ゼロスは1時に「殺せ」と言われていた。
だから、12時の鐘にびびったんです。っていうか、12時に鐘なりますかね?(←微妙にシャレになってるし。)
・設定は、原作の4人で旅をしている途中。
・もっと詳しくすると、フィブリゾを倒した後。

なんか、あんまり関係ないですね。
それでわ♪

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28436お初にお目に掛かります。煌天由亜 2003/12/1 22:11:08
記事番号28423へのコメント


>即興?一発書きです。すみません(;−;)

由亜:私も一度しました。
   途中からですが

>
>月と闇が何かを連想させて、無意識につぶやく。
>「ゼロス。」
>居ないと分かっているから、安心して言えるのだ。

由亜:種族の差って、辛いっていうか哀しいものってありますよねぇ?

>無意識につぶやいたのをばれないように、話をはぐらかす。
>しかし、ゼロスは気付いていた。
>完全に気配を隠し、リナを付けていたのだから。
>所詮、人間は魔族に及ばないのである。

由亜:実際そうですよ?
   見える立場の私から言わせて頂いたら。

>それもつかの間・・・12時の鐘が鳴ると、
>何かを思い出しように、表情も今にも泣きそうな顔になる。

由亜:シンデレラ?
   なんとなくそう思いました

>「リナさん、僕はあなたが好きです!・・・だけど。」
>唐突すぎるゼロスの行動と告白に、思わず答える。
>「私もよ。」
>リナは自分の口から出た言葉に驚くものの、ゼロスをなだめるので必死だった。
>今、ゼロスはリナに抱きついたまま、肩をふるわせていた。

由亜:見ていて、痛々しいですわね・・・・・。

>とぎれとぎれながらも、ゼロスは言葉を紡いだ。
>ゼロスの言葉に、リナはかなり驚いたようだった。
>しかしそれは、ゼロスが自分を殺すことではなく、ゼロスがそれを躊躇うことだった。

由亜:本気で好きなんですね・・・。

>「良いわよ。覚悟は出来てるから。」
>はっきりと、リナは言った。
>その瞳には、死を恐れない光が宿っていた。

由亜:・・・このリナ強いねぇ
   私だったら、足掻き捲くってますね・・・というか足掻いてます

>そして、勢い良くリナに向かっていった。
>ゼロスは避けると思っていた。
>だからあえて、真っ直ぐ飛ばしたのだ・・・・
>それなのに!ゼロスは心の中で悲痛な叫び声をあげていた。

由亜:・・・・・相思相愛なのにネ・・・・・・。

>「何で・・・何で・・避けなかったんですか!?」
>リナは腹から血を出しながら、必死に言葉を紡いだ。
>「真っ直ぐ来るとは・・・思わなか・・・・・かはっ。」
>口から血を吐く。
>このままではいずれ、出血多量で死んでしまうだろう。
>リナはもう、死ぬのを悟っているのかもしれない。
>「リナさん・・・・逝かないで下さい!」
>ゼロスが、リナに駆け寄り呼びかける。
>「何・・言ってんのよ・・・・」
>「だって、こんなに血が・・」
>リナの周りには、彼女の血で出来た赤い池が出来ていた。
>「今、止血しますから。」
>ゼロスはそう言うと、魔力を放つ。
>「や・・・め・・て。あんたの・・上司が見てるかも・・」
>魔力を放つゼロスの手を、リナは振り払う。
>「そんなに、僕のために・・・・。」
>ゼロスは、リナを抱きしめる。
>「人間・・・なんか・・すぐ転生・・する・・か・ら」
>はあはあ、と荒い息をしながら、リナは笑って見せた。
>「リナさんじゃないと・・・僕は。」
>「良いから・・・あたし・・もう駄目だ・・・し。」
>リナは、苦しそうに咳き込んだ。
>顔は血の気を失い、目は閉じかかっている。

由亜:・・・・・・死を悟ってまで、相手の心配か・・・・

>「駄目です・・・・諦めては!」
>ゼロスの顔が、悲しみに暮れる・・・
>「ねぇ・・・・いつものように・・」
>リナがそっと、ゼロスをなだめるように言う。
>目には少し、涙が潤んでいる。
>「笑って・・・・お願い・・あんたの悲しむ顔・・見たくないんだ・・」
>リナは、そう言うと力を振り絞って、ゼロスの頬に手を伸ばした。
>そして、そっと唇にキスした。
>「リナさん。」
>ゼロスはリナに言われたとおり、必死に笑おうとした。
>しかし、いつもなら簡単に出来るのに、不自然な笑みしかできなかった・・・・
>その顔を見ると、リナは小さく、しかしはっきりとつぶやいた。
>「生・・・きて・・」
>ふっと微笑むと、その言葉を最後に、リナの手が力無く落ちる。
>「リナさん・・・?・・・・リナさん!!」
>ゼロスがリナを見ると、叫ぶ。
>「・・・いつものように・・・出来ましたよ・・」
>肩が震えて、ゼロスはリナの前に膝をついた。
>リナの冷たくなった頬に手を添えると、ぽつりという。

由亜:こういうときの一言
   御冥福をお祈りします

>声が震える。
>「何で・・何で・・・逝っちゃうんですか!!」

由亜:人とは、脆く強い物だから。

>
>森の中に、ゼロスの声が響き渡った・・・・
>
>

由亜:ここで、涙がほろリ

>
>
>
>                            END


由亜:面白かったです
   これからもがんばってくださいね
   それでは、また何時か

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28496Re:お初にお目に掛かります。2003/12/5 18:13:26
記事番号28436へのコメント

煌天由亜様、初めまして☆
そして、ご感想ありがとうございますv
>由亜:種族の差って、辛いっていうか哀しいものってありますよねぇ?
そうですねぇぇぇ。。。。もし、同じ人間、魔族ならばって考えてしまいますし。叶わないことなんですが。
>由亜:シンデレラ?なんとなくそう思いました
シンデレラっぽく、しようと。『死』のになってしまいましたが。
>由亜:・・・・・相思相愛なのにネ・・・・・・。
・・・・・はぁ、私が殺したも同然ですが(笑)

>由亜:人とは、脆く強い物だから。
ほんとにですねぇ・・・・でも、日本は長寿国ですね。(←違う)

>由亜:ここで、涙がほろリ
ちょっと自分で書いてて、ゼロス君が可哀想になりました。
>由亜:面白かったです
>   これからもがんばってくださいね
>   それでは、また何時か
>
本当にありがとうございましたぁ〜!!!
それでわ♪