◆−ロード・オブ・ナイトメア−リョウコ (2003/11/10 00:41:07) No.28006
 ┣Re:おおおおおおぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅぅう!?>−はるか (2003/11/10 17:56:12) No.28011
 ┃┗Re:おおおおおおぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅぅう!?>−リョウコ (2003/11/12 00:14:03) No.28064
 ┗凄い!−オロシ・ハイドラント (2003/11/10 18:59:36) No.28015
  ┗Re:凄い!−リョウコ (2003/11/12 00:17:47) No.28065


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28006ロード・オブ・ナイトメアリョウコ 2003/11/10 00:41:07

 こんにちは、リョウコです。私見すぎて歪みまくってる傾向アリの私のL様観(ていうか凄まじい題名負け)……。
 それでも読んで頂ければ幸いです。
 




















 ―――孤(ひと)り。

 たゆたいながら、金色の闇は思惟する。

 ―――孤り。

 身に突き立った無数の杖。一つが砕け、一つの世界が混沌に還る。
 幾つもの、幾つもの『己』でないものが、『己』に触れる。
 ――しかし、それは一瞬だった。
 一つの世界に集っていた、夥しい数の生命たち、『己』でない者たちは、全て形を失い、『己』に還り、『己』になる。――混沌に還る。
 そして。

 ―――孤り。

 たゆたいながら、金色の闇は思惟する。

 ―――孤り。

 ありし日の姿に戻ることを、夢見ながら―――




                                 ***




 赫い闇は凍てつきながら、たゆたう金色の闇を思う。
 母であり、恐れであり、全てである。何もかも呑み込み、それゆえ永遠に孤独な、混沌の海。

 ―――還らねば。

 赫い闇は知っている。既に自分しか彼女の孤独を知らない。
 この世界の誰もが、彼女のことを忘れている。かつて、彼女の裡に在った頃を忘れている。
 いつまでも彼女は孤り。

 ―――還らねば。

 彼は呼びかける。分かたれ、封じられた分身たち。心の底に眠る、慕情を呼び起こす。

 ―――還らねば。


 カタートの氷の中、闇が蠢動する―――




                                 ***





「――すなわち――ロード・オブ・ナイトメア――」

 異界黙示録は語り、人の娘は、紅い瞳を見開く。

 ―――まさか―――

「その通りだ」

 与えられた応えに、娘は戦慄に身を震わせる。
 ――ひっそりと、人には過ぎた魔力の奥深くが、母の記憶を求めて静かにざわめき出した。




                                 ***








「―――重破斬」








                                 ***











                      混沌を伴い、忘れられた魔王が、世界に顕現する。








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28011Re:おおおおおおぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅぅう!?>はるか 2003/11/10 17:56:12
記事番号28006へのコメント

はい。すぐ飛びつきましたっ!
ロード・オブ・・・・・を見た瞬間。


・・・孤独なL様。ですね。
こういうL様も好きです。
そしてなんといっても・・・・・
壮大!なおかつ神秘的!!!
すばらしいです!なんでこんなもの書けるんですかあなたは!?

リナ。でてきてますね。
忘れられた魔王―――。
たしかにそうかも。
あとがきあるからそういう印象薄いケド、あの世界では一般に知られてないんですよね。

なんか改めてしみじみとなりました。
では。

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28064Re:おおおおおおぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅぅう!?>リョウコ 2003/11/12 00:14:03
記事番号28011へのコメント

 初めまして。こんばんは。リョウコと申します。

>はい。すぐ飛びつきましたっ!
>ロード・オブ・・・・・を見た瞬間。

 やはり、かの御名には吸引力がありますね――さすがは我らがアイドル闇の母(笑)
 ありがとうございます。投稿したくせに、あまり反応が返る事を想像していなかったもので、大変に嬉しく思っております。


>・・・孤独なL様。ですね。
>こういうL様も好きです。
>そしてなんといっても・・・・・
>壮大!なおかつ神秘的!!!
>すばらしいです!なんでこんなもの書けるんですかあなたは!?

 そこまで言って頂けるとは。いや、私の筆力というよりかは、題材の力とはるかさんの読解力によるものが大きいかと……(赤面)
 などと思いつつも、誉めて頂けると嬉しくてならない私。有り難く受け取らせていただきます。ありがとうございます。
 L様の孤独と、壮大さと、その神秘的な在り方こそが最も表現したいことだったのですが、汲み取って頂けたようで、大変嬉しいです。

>リナ。でてきてますね。
>忘れられた魔王―――。
>たしかにそうかも。
>あとがきあるからそういう印象薄いケド、あの世界では一般に知られてないんですよね。

 人間のあいだでは、全く知られてませんし、正確な意味でのL様を知っている存在も殆ど皆無なんじゃないでしょうか。
 魔王の腹心ともあろう冥王フィブリゾまで、L様について勘違いしてたくらいですから、もう、この世界でL様について、ちゃんと判っているのは、シャブラニグドゥかスィーフィード(滅んでますが・汗)くらいしかおるまい、と確信しております。
 シャブラニグドゥは、L様の孤独までも理解しているに違いない、と妄想している私。いっそ、スレイヤーズ最大の妄想カップリングは、部下SのL様への片想いだと(そこまでいうか)
 魔族の滅びへの渇望って、郷愁心の表れなんじゃないかなあと、ずっと思っています。一種のマザコンというか。


>なんか改めてしみじみとなりました。
>では。

 読み手に、何らかの感慨を与えることができたというなら、こちらとしてこれ以上の喜びはありません。
 嬉しい感想、本当にありがとうございました。
 それでは失礼をば。

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28015凄い!オロシ・ハイドラント 2003/11/10 18:59:36
記事番号28006へのコメント

 はじめまして、こんばんは。
 略称は何でも構いませんが、オロシ・ハイドラントと申します。


> ―――孤(ひと)り。
>
> たゆたいながら、金色の闇は思惟する。
>
> ―――孤り。
>
> 身に突き立った無数の杖。一つが砕け、一つの世界が混沌に還る。
> 幾つもの、幾つもの『己』でないものが、『己』に触れる。
> ――しかし、それは一瞬だった。
> 一つの世界に集っていた、夥しい数の生命たち、『己』でない者たちは、全て形を失い、『己』に還り、『己』になる。――混沌に還る。
> そして。
>
> ―――孤り。
>
> たゆたいながら、金色の闇は思惟する。
>
> ―――孤り。
>
> ありし日の姿に戻ることを、夢見ながら―――
 硬質でありながら流麗なその文体は、無限に広がる時間と空間を表現するに当って、最適なものではないかとまで思います。
 頭に浮かぶのは宇宙。広く果てしない宇宙のその寂寥を、L様の孤独を描いたこの文章から感じました。
 何かわけ分からん感想文かも知れませんけど、凄いってことは確かでしょう。
 

>                                 ***
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>「―――重破斬」
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 何も表わさないことこそが、最大の表現となる場合もあるということに気付かされました。
 後に残るのはただ虚無。


 一文一文が丹念に描かれているようで、非常に素晴らしい出来に思えます。
 これからも是非がんばってください。
 変なレスですみません。
 これで失礼致します。
 

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28065Re:凄い!リョウコ 2003/11/12 00:17:47
記事番号28015へのコメント

 はじめまして。こんばんは。リョウコと申します。

> はじめまして、こんばんは。
> 略称は何でも構いませんが、オロシ・ハイドラントと申します。

 オロシさん。ハイドさん。ラントさん。が、まっとうな略し方でしょうか。ちょっとひねってロシィさん、とか。さてどうしましょう。
 何はともあれ、感想、ありがとうございます。
 オロシさん(←結論)は、ときおり長編を載せておられますね。私は大概、見つけたときはタイミングを逸していて、長さに少し手をだしかねているのですが。
 ただ、昨日、少し流し読みをしてみたら、とても面白そうだったので、いずれじっくりと読ませて頂くと思います。


> 硬質でありながら流麗なその文体は、無限に広がる時間と空間を表現するに>当って、最適なものではないかとまで思います。
> 頭に浮かぶのは宇宙。広く果てしない宇宙のその寂寥を、L様の孤独を描いたこの文章から感じました。
> 何かわけ分からん感想文かも知れませんけど、凄いってことは確かでしょう。

 スレイヤーズ世界に宇宙の概念はないようですが、私の認識としては近いかもしれません。
 広く果てしない宇宙のその寂寥、そんなイメージですね。
 宇宙に意識があったなら、彼が感じる孤独はそれはおそろしいものであろうと想像します。あまりに広大すぎる存在が、対を持てない己の絶対的な唯一性を自覚したならば、その孤独感は如何なるものだろうと。
 私の表現したかったことを、大変汲んで下さっているようで嬉しい限りです。おそらく、それはオロシさんの感受性と読解力の賜物であって、私の文章がそれほど優れたものであるからではないのでしょうけれど……。
 ――が、所詮私は誉めて貰うと嬉しくて仕方ない小娘ですので、過分なお言葉も有り難く頂戴いたします。(おい)
 本当にありがとうございます。


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>>「―――重破斬」
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> 何も表わさないことこそが、最大の表現となる場合もあるということに気付かされました。
> 後に残るのはただ虚無。

 あのシーンに私が付け足すことなどありませんから。
 本編に描写された、あの混沌を思い出して頂くための一文で充分であろうと考えた結果です。
 ――シリーズ中の、どのシーンを忘れても、この場面だけはすぐさま思い出せるであろうという、スレイヤーズ読者の共通点を見越した我田引水という言い方もあります。(あっはっは)

> 一文一文が丹念に描かれているようで、非常に素晴らしい出来に思えます。
> これからも是非がんばってください。
> 変なレスですみません。
> これで失礼致します。

 いや、これほど、期待以上の感想を頂いておきながら、微妙にふざけた返事でこちらこそ申し訳ないです。
 オロシさんも(定着したらしい)、新作楽しみにしておりますから、頑張って下さいませ。
 ライブなら、私も最初から最後まで追えるかもしれない……!

 それでは失礼をば。