-異界黙示録伝《水の書》その4-魔沙羅 萌(4/18-22:02)No.2340
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2340異界黙示録伝《水の書》その4魔沙羅 萌 4/18-22:02

今回は、玻璃ちゃんです。はい。

――エマはなんとなく思い出していた。
7年前のことを。
それはゼフィーリア郊外にあったとある村の崩壊……。
それはスィーフィード・ナイトがその場に居なかった時のことだ。
エマにとってもリナにとってもはじめての惨劇……魔族の襲来……。
スィーフィード・ナイトがそこへ来た時にはその村はもう、滅びていた……。
その時、命を落とした少女……その少女を何故だか思い出していた……。


英雄A〜偽りの過去〜


わたし達は今、リナンちゃんの家まで戻ってきている。
あの後……萌ちゃんが『食べ物をとりに行った』後、わたしとゼロスさんと一緒に暗い表情をしていたみんなをつれてここまで戻ってきたの。
もちろん水輝ちゃんも無理矢理つれてきたの。もうこんなこと彼女が言わないようにこれから説教をしなくちゃいけないの。
でも…でも、しなくちゃいけないんだけど……わたしはそんな気にはなれなかった。
みんなもわたしと同じような気持ちを持っているんだと思う。ゼロスさんを除いて。
「なあ、水輝…だったっけ?なんであんなこといったんだ?萌がかわいそうだと思わなかったのか?」
「……。」
ガウリイさんの問いに彼女は答えなかった。
「どうしたのよ!答えなさいよ!」
「リナ!彼女をあまりせめないであげて!」
「どうしてよエマ!この子があんなこといったんでしょ!萌に『人間じゃない』って!これが許せる事かどうかぐらいあなたにも分かってる筈よ!」
「確かに水輝ちゃんの言ったことは許されるべきことじゃないのはわかってるわ。でも……でも、彼女をあんまりせめないであげてよリナ。あなたがあまりまがったことが好きじゃないことも知ってるわ。でも、でも、少しだけ待ってあげて……」
すごく怒ってるリナさんにリナンちゃんはそう声をかけた。
とてもつらそうな声で。
「ねえ、水輝ちゃん、なんでこうなっちゃったの?わたし達、親友だったじゃない。なんでこうなっちゃったの……?」
「玻璃……確かにあたし達3人は昔…3年前まで親友だった……それだけは認めてあげるわ。
でも、あいつはあたしの家族を、トモダチを殺したのよ!そんな奴許せるわけないじゃない!」
「違う!違うのよ水輝ちゃん!」
「なにが違うって言うのよ玻璃!あいつがいなかったらみんな死なないですんだのよ!」
「……そろそろ真実を話さなくちゃいけない時期なのね」
「エマ?」
わたしと水輝ちゃんの会話を聞いていたリナンちゃんがそうぽつんと呟いた。
――雨はいよいよ強くふりだしている……。
私たちの気持ちがわかっているかのように……。

〔続く〕

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2381Re:異界黙示録伝《水の書》その4松原ぼたん E-mail 4/21-18:11
記事番号2340へのコメント
 面白かったです。・・・・うっかり見逃してました(爆)。

>それはスィーフィード・ナイトがその場に居なかった時のことだ。
 いたら確かに違う結末になってたでしょうね。
>「なにが違うって言うのよ玻璃!あいつがいなかったらみんな死なないですんだのよ!」
 ? 責任転嫁入ってる?

 では、続きを読んできますので・・・・。