◆−神様の贈り物 ―FIVE―−雫石彼方 (2002/11/10 19:49:50) No.23236
 ┣Re:神様の贈り物 ―FIVE―−D・S・ハイドラント (2002/11/11 21:57:34) No.23256
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 ┗神様の贈り物 ―SIX―−雫石彼方 (2002/11/16 02:07:21) No.23327
  ┗Re:神様の贈り物 ―SIX―−D・S・ハイドラント (2002/11/16 22:51:27) No.23337


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23236神様の贈り物 ―FIVE―雫石彼方 URL2002/11/10 19:49:50


どうも、雫石です。
前回の投稿から随分間が空いてしまいました;
多分またすぐ止まると思うのですが(ダメじゃん)、とりあえず続き書きましたので、ゼルアメお好きな方はどうぞ見ていってください。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 窓の外は、しとしとと雨が降っていた。
 昨日の夜から降り出した雨は、一向に止む気配を見せない。
 苛立つ心を落ち着けるようにゆっくりと吐き出した煙草の煙が、ゆらゆらと揺れながら宙に消えていった。





神様の贈り物 ―FIVE―





 今日は日曜で、ブルーアイズ社は休み。もちろん本来ならRIONの仕事の方は休みなどではなかったが、ブルーアイズ社は休日になると完全に会社を閉鎖し、誰も入れなくなる。おそらくその間に生物兵器の研究を進めているのであろうことは簡単に予想がついたので何度か侵入を試みようとしたのだが、会社のセキュリティがどうも厄介なものらしく、なかなか行動に移せないでいた。
 その為、今のところ休日の仕事はガウリイとゼロスに任せ、普段派遣社員として会社に潜入しているゼルガディスとリナは、疲れを取るべくゆっくりと休みをとることにしていた。
 だからこの日は、束の間の自分の時間をそれぞれ楽しんでいるはずなのだが・・・・。
 結局気持ちを落ち着かせることはできず、ゼルガディスはまだ長いままの煙草をぐしゃぐしゃと灰皿に押し付けた。
 少女は昨日、姿を見せなかった。そう簡単に姿を現すはずがないとはわかっていたけれど、彼は自分でも戸惑ってしまうほどにひどく落胆した。
 彼女が姿を見せないのは雨のせいというわけでもないだろうが、もし晴れていたなら、星が見えていたなら。少女はきっと現れていた気がして、無駄なこととは知りつつも、この雨を降り続かせている雨雲を睨まずにはいられなかった。
 もう一本、煙草に手を伸ばす。掴みかけてふと、手を止めた。

 サーーーーーーー・・・・・・・

 微かな音と共に地上に降り注ぐ、細い糸。
 止まない、雨。
 溜息を吐く。




 やがて彼は煙草を手に取ることなく立ち上がった。
 クローゼットを開け、黒いTシャツの上に薄手の上着を羽織る。
 部屋のドアが開き、小さな音を立てて―――――閉まった。












 色とりどりの傘が行き交う街中。
 上から見下ろしたなら、ドロップの缶をぶちまけたようにも見えただろう。そんな傘の海の中を縫うように、彼は一人歩いていた。
 特に目的があったわけではない。ただなんとなく外に出たくなった、それだけ。
 洒落た内装の喫茶店、若者に人気のブランド店、美味しいと評判のパン屋。建ち並ぶそれらの店に入るでもなく、街の様子を眺める。
 彼がこんな風に街をぶらつくのもとても珍しいことだった。
 しばらくそんなことを繰り返し、やがて空が暗くなり街灯がぽつぽつと灯り始めた頃。
 彼はふと、一つの店を見つけた。雰囲気がなんとなく気に入り、何かに導かれるように中に入ってみる。
 店内は明度の低いオレンジ色の照明で、落ち着いた雰囲気。どうやら雑貨店らしく、売っているものは実に多岐に渡っていた。手のひらサイズの小さな観葉植物、アロマキャンドル、花瓶やフォトスタンドなどの小物、食器類、果ては民族的な衣装まで置いてある。
 まだ夕方を少し過ぎたくらいでそんなに遅い時間ではないにも関わらず、何故か客は全く入っていなかった。奥の方には、小さな眼鏡を掛けた穏やかそうな店の者らしき老人が座っている。
 興味本位でしばらく店内を廻っていたゼルガディスだったが、やがてアクセサリーの一角で足を止めた。
 雑貨店で売っているようなものである、それらが本物であるはずはなく、きっとガラス玉か何かでできているのだろうとは思ったのだが、彼は壁にかかっている一つのネックレスに目を奪われた。
 チェーン部はシルバー製のなんてことはないもので、その先にSの字を少し伸ばしたような形をした同じくシルバーの小さな飾りが2つあり、蒼い石がその間に挟まれている。
 その蒼い石に、彼は見覚えがあるような気がした。
 吸い込まれそうな、深い蒼。
 角度によって微妙な変化を見せるそれの中には、一体どういう作りなのか星を閉じ込めたかのような小さな輝きが幾つも見える。
「綺麗じゃろう?」
 気配を感じることなく突如背後で聞こえた声に驚いて振り返ると、先ほどまで奥の方に座っていた老人がにこにこと笑いながらそこに立っていた。
 こんなにまで接近されていたにも関わらず全く気付かなかったことに少なからずショックを覚えて黙っていると、老人はそのごつごつした手でネックレスを壁から外し、呆然としているゼルガディスの手のひらにそれを乗せた。
「それは“Stellar Crystal”と言ってな、大昔に神が気まぐれに星空の一部を切り取って結晶化したものだと言い伝えられているものなんじゃよ」
「・・・・・“気まぐれに”と言い伝えられてるってことは、希少価値の高い石ってことか」
 やっとショック状態から抜け出したゼルガディスの言葉に、老人は如何にも、と頷く。
「世界でも数えるほどしか見つかっておらん珍しい石じゃよ」
「・・・・・そんな高価な石が、どうしてこんな店に置いてある?」
 彼の不躾な質問にも特に気を悪くするでもなく、老人はふぉっふぉっと奇妙な笑い声を上げて、半ば白い眉毛に埋もれている小さな目を更に細めてみせた。
「なぁに、わしの趣味でな。気に入ったモンには格安で提供しておる。
 ――――若者よ、おまえさんもお一つどうじゃな?見たところ、随分心惹かれておったようじゃが」
 言われて、再び手元に目を向ける。
 とても綺麗な、蒼い石。
 それに重なる瞳。
 ・・・・・そう、それはあの少女の星空を映した瞳にとてもよく似ていた。


 ――――どうする?


 しばしの逡巡、けれど。
「・・・・・・いくらだ?」
 次の瞬間、彼の口からは買う意思があることを告げる言葉が飛び出していた。





 老人に金を払い(思っていたよりずっと安かった)、店を出る。
 未だ衰えることなく降り続く雨の中、機能性重視の何の面白味もない大きな黒い傘を静かに開く。
 一歩踏み出して改めて振り返った店の入り口、古びた木製の看板には、小さな子供が書いたような拙い字で『奇跡の棲まう店』と書かれていた。













 そっと開いた手の中、銀の鎖がシャラリと澄んだ音を立てる。
 誰もいない彼ら専用の会議室の椅子に一人座り、手の中の蒼い石をぼぅっと眺めていたゼルガディスは――――
「おや、綺麗な石ですねぇ」
 突然背後から掛けられた言葉に、文字通り固まった。
 ぎぎぎ・・・・と軋んだ音を立てながらゆっくりと振り向いたその先、人当たりのいい(しかし彼にとっては胸くその悪い)笑顔を浮かべてすぐそこに立っていたのは、
「――――ゼロス」
「やだなぁ、そんなに嫌そうな顔しないでくださいよ」
「・・・・・気配を消して近付くのは止めろといつも言ってるだろ」
 低い声と剣呑な視線で以って怒りを露にするゼルガディス。その怒りのオーラをさらりとかわし、“まあまあ”と宥める傍ら、彼が握っていたネックレスをさっと上着のポケットにしまうのを、ゼロスは視界の隅にしっかりと捉えていた。
「ところでゼルガディスさん、潜入捜査の方はどうですか?」
「・・・・・別に。今のところ進展はない」
「そうですか?」
 不自然に落ちる、沈黙。
「・・・・・何が言いたい」
「いえ。ただ、今回の目的は何であるか忘れないように、念を押しておこうと思いましてね」
 何か含みを持ったようなゼロスの言葉にフンと鼻を鳴らし、低く嘲笑う。
「随分と仕事熱心なことだ」
「そりゃあ、真面目にやらないと後々怖いですからね。――――特に貴方のお爺様は」
 にっこりと笑ってみせるゼロス。こんな時彼が浮かべる微笑は、得体が知れずひどく――――不気味に感じられる。
「・・・・・杞憂だな。すべては順調に進んでいる」
 そう断言し、静かに席を立つ。
 針のような緊張感漂う部屋の中、そのまま決して振り向こうとはせずに、ゼルガディスはドアの向こうへと足早に姿を消した。


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23256Re:神様の贈り物 ―FIVE―D・S・ハイドラント 2002/11/11 21:57:34
記事番号23236へのコメント

> 微かな音と共に地上に降り注ぐ、細い糸。
糸ですか・・・そうも表現できますね。

> 色とりどりの傘が行き交う街中。
表現が上手ですねえ。

>「それは“Stellar Crystal”と言ってな、大昔に神が気まぐれに星空の一部を切り取って結晶化したものだと言い伝えられているものなんじゃよ」
よっ読めない・・・英語っぽいの

> その蒼い石に、彼は見覚えがあるような気がした。
> ・・・・・そう、それはあの少女の星空を映した瞳にとてもよく似ていた。
なるほど


> 一歩踏み出して改めて振り返った店の入り口、古びた木製の看板には、小さな子供が書いたような拙い字で『奇跡の棲まう店』と書かれていた。
棲まう・・・んですか

>「――――ゼロス」
ゼロス登場!

>「そりゃあ、真面目にやらないと後々怖いですからね。――――特に貴方のお爺様は」
レゾさんですか

それでは〜



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23326Re:神様の贈り物 ―FIVE―雫石彼方 URL2002/11/16 01:47:48
記事番号23256へのコメント

いろいろ忙しかったもので、お返事が大変遅くなってしまいました。
すみません;


>>「それは“Stellar Crystal”と言ってな、大昔に神が気まぐれに星空の一部を切り取って結晶化したものだと言い伝えられているものなんじゃよ」
>よっ読めない・・・英語っぽいの

『ステラ クリスタル』と読んでください(^^)


>> 一歩踏み出して改めて振り返った店の入り口、古びた木製の看板には、小さな子供が書いたような拙い字で『奇跡の棲まう店』と書かれていた。
>棲まう・・・んですか

あまり深く突っ込まないでください(^^;)なんとなく響きがかっこいいかなーと思って書いただけですので;


>>「――――ゼロス」
>ゼロス登場!

なんだかこのゼロス、すごい悪役っぽいですよねー。
こんな風にするつもりはなかったんですが、書いてるうちに自然となってしまいました。
まだまだ修行が足らんですね。


>>「そりゃあ、真面目にやらないと後々怖いですからね。――――特に貴方のお爺様は」
>レゾさんですか

そーデス。
パラレル話であっても、上司には頭の上がらない中間管理職体質なゼロスは健在なんです(笑)


では、レスありがとうございました。

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23327神様の贈り物 ―SIX―雫石彼方 URL2002/11/16 02:07:21
記事番号23236へのコメント

なんだか最近とてつもなく忙しいです(‐‐;)
なんで更新ペース非常に遅いですが、どうぞご容赦くださいませ;


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 四方をどんな攻撃にも耐え得るという特殊な壁に囲まれた、だだっ広い部屋。そこに少女は一人、何も見てはいない虚ろな瞳でぽつんと立っていた。
 周りには誰もいない。しかし壁の上部に張り巡らされたこれまた特殊な加工の施された強化ガラスの向こう側では、如何にも博士然とした白衣を着た男達がこちらを監視するように鋭い視線を送ってきていたので、とてもリラックスできるような雰囲気ではなかったが。

 ガガッ

 機械のスイッチを入れたのであろうノイズが走り、ついでマイクで拡大された、それこそ嫌になるほど聞き慣れた高圧的な男の声が少女の耳に聞こえてきた。
「今から実験を始める。――――今日こそ我々を失望させるようなマネはしないでくれよ」
 足元から低いモーター音が響き、少女の目の前の床が左右に開く。そして中から上がってきた床にちょこんと乗っていたのは、小さな白いウサギだった。
「・・・・・・・・」
 瞬間感じる眩暈、耳鳴り、―――――熱。




 相変わらず何ら反応を示そうとしない少女の拳が固く握り締められ震えていたのを、男達は、知らない。








神様の贈り物 ―SIX―








 少女が目醒めて一番最初に連れてこられたのも、この場所だった。
 ここはあの時から何も変わってはいないけれど、今よりもっと小さかったあの時の自分は“なんて大きなところだろう”と、何も知らない故の愚かな感想を抱いたのをよく覚えている。


 ――――いや、それだけではない。あの日起きたすべてのことを、少女は鮮明に覚えている。


 それは今から5年ほど遡る。
 ポッドの中で丸3年かけて生物兵器としての能力を植え付けられた少女は、その日ようやくポッドから外に出された。実年齢で言えば3歳、しかし特殊な培養液の中で過ごした少女は、見た目10歳くらいに見えた。
『はじめまして、プロトタイプa(スモールエー)。気分はどうだい?』
 見上げると、いつの間にか周りを取り囲んでいた白衣の男達。
 その中の一人が言った言葉、『プロトタイプa(スモールエー)』。ぼーっとする意識の中、どうやらそれが自分を指し示す言葉なのだと、少女はなんとか理解した。こくりと頷くと、唸りにも似た歓声が広がる。
『さあ、おいで。我々が君の生みの親だよ』
 差し出された手に、請われるままにそっとその小さな右手を重ねた。
 けれど男の手をなんだか気持ちの悪い温度だと感じたのは、予感だったのかもしれない。









 白いワンピースを着せられ、訳が分からぬまま連れてこられたのはだだっ広い部屋だった。
 そこで待っているように言われ、一人暇を持て余してきょろきょろと辺りを見回していた少女の目の前、突如現れた白い小さな動くもの。耳が長くて、ふわふわで。後であれは『ウサギ』という生き物なのだと知った。
 興味本位で近付いた少女が見たウサギは、細かく震えていた。そっと手を伸ばして恐る恐る触れてみたそれは驚くほど柔らかくて、驚くほど温かくて。じんわりと染み込むように胸に感じる温かい感情に、少女は初めて笑みというものを浮かべた。
 そしてもう一度――――と伸ばした少女の手は、けれど男の声によってびくりとその動きを止めた。
『プロトタイプa(スモールエー)、立ちなさい。これから実験を始める』
 抗うことを許さない、冷たい声。
 傍らのウサギのようにふるりと一つ体を震わせて、少女は立ち上がった。
『よし、いい子だ。それじゃあ、私が言う通りにするんだ。いいね?』
 こくり、頷く。
『目を閉じて、手を前にかざして。――――そう、そして頭でイメージするんだ。手に、何か力が集まってくる。体中に満ちている力が集まってくる・・・・・ほら、だんだん指先が熱くなってきただろう?』
 確かに男の言う通り、指先にじんじんと痺れるような熱い何かを感じる。始めは脆弱だったそれは瞬く間に高まり、やがて痛みすら伴うほど大きくなった力に、少女は堪らず小さな悲鳴を上げた。
『よし、そろそろいいだろう。目を開けて、手をウサギ――――白いものに、向けるんだ』
 早くこの痛みから解放されたくて、言われるままに上げた手の角度を下げる。
『あとはぐっと手に力を入れろ。集まった力を外に押し出すように。――――よし、撃て!!』





 目醒めてすぐ傍に居たのは、その男だった。
 頼るべきものは、それしか居なくて。何も知らない少女は、疑うことを知らない少女は、男の言葉に何ら疑問を抱くことなく力を―――――放った。





 ジッ

 いっそ滑稽なほど簡素な音を立てて、それはウサギに直撃した。
 ようやく痛みから解放されて、ほっと息を付く少女。そして何気なく顔を上げた瞬間目に飛び込んできたそれは。白くふわふわだったそれは。
 黒く。
 カサカサで。
 ぴくりとも動かずに、そこにあった。
『?』
 つんと鼻を突く匂いを放つそれに、触れてみる。あまりの熱さに驚いて、少女は手を引っ込めた。
『?』
 ますますもって分からない。
 さっきまであんなに白くて、柔らかくて、温かだったのに。どうしてこれは、こんなになってしまったのか。
 男達はたった今目の前で起きたことのデータを解析するのに夢中で、誰も少女にかまうものはいない。
 だから少女は、ずっとそれを見ていた。飽きることなく、ずっと――――





 どれくらい時間が経ったのか、解析を終えたらしい男が少女を呼んだ。
 そこを立ち去る間際、最後にもう一度だけ触れてみたそれは、今度はとても冷たくて。


 何故か少女は胸に、痛みを感じた。









 ポッドの中にいる間、少女は相手の言っていることを理解できるくらいの語学力を脳に直接インプットされていた。だからごく簡単な日常会話はすることができる。しかし普通の人間と比べて、明らかにボキャブラリーや一般常識が少ないのもまた現実だ。
 それを補う手近な手段として用いられたのが、テレビだった。
 小さな一室を用意し、男達はそこで少女にそれこそ一日中テレビを見せた。第二第三の生物兵器を生み出すべく研究を続ける必要のあった彼らには、少女の語学力アップの為に割く時間はあまりなかったのでそれは正に打ってつけの手段だったし、少女もまた目まぐるしく変わる映像に高い関心を示し、嫌がることなくそれを受け入れた。
 そしてそれが、何日か続いた頃。少女は、ある番組を目にした。


『正義戦隊 ドラグレンジャー』


 軽快な歌と共に画面に映ったのは、その12文字。
 わかりやすいストーリー、見る者を惹き付ける派手なアクション。たちまち少女はその番組に夢中になった。
 そして、知った。
 優しさ、友情、生きるということ――――そしてその反対の、死ぬということも。
 そう、あの白いものは・・・・・ウサギは、『死んだ』のだと。更に言うなれば、あれは少女自身が殺したのだと。


 ナンテ ボクハ オソロシイ チカラヲ モッテイル ノ ダロウ

 ナンテ ボクハ オソロシイ ソンザイ ナノダロウ


 それはとても、哀しい認識。
 けれど少女はそれを受け止め、固く誓った。もう、二度とあの力は使わないと。
 ――――だから。



















「何をやってる、このできそこないが!!前はできたことだ、できないはずがないだろう!!」


 どんなに汚い言葉でなじられても。


「簡単なことだろう、目の前のウサギを殺せ!!お前は破壊の為だけに造られたんだからな!!」


 どんなに心無い言葉で罵られても。


「もうすぐ新しいモノが完成する、そうなれば何の役にも立たないお前なんかいくらでも壊すことができるんだぞ!!」


 どんなに卑劣な言葉で脅されても。
 少女は今日も、こう答える。






“できません”、と―――――






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23337Re:神様の贈り物 ―SIX―D・S・ハイドラント 2002/11/16 22:51:27
記事番号23327へのコメント

> 四方をどんな攻撃にも耐え得るという特殊な壁に囲まれた、だだっ広い部屋。そこに少女は一人、何も見てはいない虚ろな瞳でぽつんと立っていた。
少女・・・まさかアメリア?

>『はじめまして、プロトタイプa(スモールエー)。気分はどうだい?』
再び登場、この名前

> そこで待っているように言われ、一人暇を持て余してきょろきょろと辺りを見回していた少女の目の前、突如現れた白い小さな動くもの。耳が長くて、ふわふわで。後であれは『ウサギ』という生き物なのだと知った。
ほう・・・ウサギですか。

> 黒く。
> カサカサで。
> ぴくりとも動かずに、そこにあった。
ああ可哀想。可哀想。

>『正義戦隊 ドラグレンジャー』
・・・正義?
あんまり正義って感じしないなあ

>「もうすぐ新しいモノが完成する、そうなれば何の役にも立たないお前なんかいくらでも壊すことができるんだぞ!!」
男達、抹殺決定ですね(凄まじく待て)

それではがんばってくださいね