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◆－BLUE　WINGS（蒼の翼）－愛矢(8/23-14:13)No.16730
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16730	BLUE　WINGS（蒼の翼）	愛矢 E-mail	8/23-14:13
どぉも、愛矢です（￣∇￣）ｙ。連作を今一度、書きに来ました。っていうか、愛矢も女の子なので、恋愛者をかこうかしら？とね♪泣けるの書きたいと思って。片想いの女の子の・・・・ね。でわ！本編へ！～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～　・：：0�★,。・：：0�☆BLUE　WINGS（蒼の翼）・：：0�★,。・：：0�☆ 　貴意亜（きいあ）。彼女は、耳が聞こえない。　貴意亜は幼いころから耳が聞こえない。話す手段は手話か、少しだけできる口話だけだ。起きてもずっと手話で話すから、周りに差別されてしまう事も稀にある。母は普通に耳も聞こえるし、目も見える。ここからの会話は、全て手話でしている物だと思ってほしい。「貴意亜、お母さん、買い物に行って来るね。」「うん、判った。私、眠たいから昼寝でもしてる。」にこっとわらって、貴意亜は自分の部屋に入っていった。ふぅっとため息をつくと、眠たいと嘘をついた事を悔やむ。「行けばよかったかな、買い物。」そう思うと急に虚しくなった。でも母の車はもうないし、どうともできない。電話をとる事は貴意亜にはできない。玄関のチャイムが鳴っても貴意亜はでることを禁じられている。もしも気付いて出ようものならば、父と兄、姉の三人に思い切り殴られてしまう。そう、”恥をさらすな”と。貴意亜の部屋は六畳。兄や姉と比べて四畳も狭い。貴意亜には守ってくれる人など居ない。母も一見やさしそうで、貴意亜を大事に思っている様に見えるが、そうでもない。母もどこか娘である貴意亜を避けているのだ。日当たりがよく、きちんと片付いた部屋は貴意亜にとって一番の場所。誰にも邪魔などされないし、なにをしていてもばれやしない。一階におりていくと、いつも父や兄が居て、貴意亜を貶す。聴こえはしないものの、言っている事がなんとなく判るのだ。だから貴意亜も家族が嫌い。好きなのは何もない。「・・・・・・・・。」窓から外を見ると、姉が帰って来た。急いで窓を閉める。姉は学校でも有名なギャル。学校からの電話も絶えない。高校生で、貴意亜とは二つ違い。今貴意亜は中３。静かに部屋の鍵を閉めた。下手をすると、姉は部屋に入ってきて貴意亜の服などを持っていく。そしてその服は帰ってこない。何も聴こえないけれど、姉が今自分の部屋の前にいる事は判る。ベッドに腰掛けたまま、貴意亜は物音一つ立てずドアの方を見据える。すると姉はもう自分の部屋に行ったのだろうか、気配が消える。「お姉ちゃん、帰ってきちゃった。またどこか行くのかな？あぁ、また彼氏かな？」なんだか嫌な気分だった。姉は今までに何人もの人と付き合っているのに、自分は耳が聞こえないというだけで、男の人にも声を掛けられない。だが、もしも貴意亜の耳が聞こえたら、兄弟の中で一番もてたのは貴意亜だったろう。顔がとても整っているし、性格もいい。ただ耳が聞こえない、それだけで貴意亜は外されてきた。もう一度窓を開けた。一気に風が入ると、貴意亜の部屋の紙等が舞い上がる。その瞬間が好きだ。何よりも・・・・・。ふと足元に舞い落ちた一枚の紙。「塾？」貴意亜はそれなりに興味を持った。どんな所だろう？塾って、どんな所？　「お・・おああさん。」（お母さん）買い物から帰って来た母を貴意亜は呼び止めた。エプロンをしながら母は笑ってこっちへ歩いてくる。「何？どうしたの。」母の髪のにおいは、とても優雅な香りがした。羨ましいほど。「お母さん、私ね。塾に行きたいの。」母はえっ？といった顔でチラシと貴意亜を見比べる。その顔が次第に曇り始めた。ため息をつくと母はいすを指差して座るように言う。貴意亜が大人しく座ると、母も座って話し始めた。「いい、貴意亜。あんたは耳が聞こえない。聾唖者よ。それで健常者ばかりの塾に行っても無理なだけなの。馬鹿にされるだけ。それにお母さんもあんたを周りに見せるなんてできない！！」貴意亜は呆然とした。少しでも母は信用していたのに。なんでなんで？「お母さん、私頑張るよ、大丈夫！理解してもらえる様に頑張るし、勉強だって。」目に涙をいっぱいに貯めて貴意亜は言う。母は呆れて物も言えないといった様子で席を立った。　夕飯の時、もう一度塾の話を出した。貴意亜は殴られてもいいと思った。何か一つ、好きな事を作りたい。父も兄も姉も笑った。”馬鹿”その言葉とともに。貴意亜はもう目の前が真っ暗だった。なんで！私を外に出してよ！気がつくと、席を立って、勢いよく喋っていた。「皆そういうでしょう！？私を外に出したがらない！なんでよ！！私のこと、娘だととも思っていないでしょう！！！どうしてそういうの？私のこと馬鹿にするの？言ってよ！！！」もう終わりだった。どれだけあがいても・・・私は一生このままだ。「お父さん。」母は言った。泣いている母親を見るのは初めてで。貴意亜は少し驚いた。母が泣いている。「確かにそうだったかもしれませんね。私たちはこの子を貶していた。この子を誰にも見せないでいようとした。」そのことばを最期に貴意亜は夕飯を食べなくなった。何日経っても塾の事を耳にせず、馬鹿にする声すらも聞こえなくなって。誰も喋らなくなった。貴意亜はまた思った。耳が聞こえるようになればいいのに！！！と。そしてそれから１ヵ月後、驚く事態が起きた。

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16734	BLUE　WINGS（蒼の翼）	愛矢 E-mail	8/23-21:52
記事番号16730へのコメント連作第二話　階段をおりると母と父がえらく立派に正装して立っていた。貴意亜がこの人たちはなにをしだすかと不安に思い、もう一度戻ろうとした時。父の大きな手が貴意亜の手を掴んでいた。振り向いた貴意亜は涙を一気にあふれさせた。手話など使わず、酷なほど馬鹿にしていた父が手話で「貴意亜、お前の行きたかった塾に今から面接に行こう。」そういったのだ。貴意亜は耳が聞こえない。聴こえない分色んな事に興味を示す。だが、聴こえない事によって何もかも打ち砕かれてきた。だが、今回は成功しそうな気がしてならなかった。あの父が私の手を掴んでいった事。私の意見を聞いてくれた事。こんな事が続いていると、貴意亜は心なしか手話を使いたくなかった。なぜか音が聴こえそうな気がしたのだ。事前に電話を入れておいてくれたとのことで、貴意亜の知らないところで進んでいた物事が、貴意亜にとって何よりも喜ばしい事だ。勉強道具を持って車に乗り込む。父が微笑みながら車を運転する。母がその父の肩を叩いて何か言っている。そして貴意亜もニコニコと微笑む。夢でも見ているなら覚めないでほしい。このまま、ずっとずっと・・・・・。「貴意亜、もし断られても、怒ったら駄目よ。」「判った。私ちゃんと弁えてるから大丈夫よ。」「じゃあいくぞ。」ビルの三階にある塾が近づくに連れ心臓の音が高くなる。横を人が通るたびに貴意亜の心は楽しさを増す。「お母さん、私塾に入れるかな？」「なに、大丈夫さ。お父さんからちゃんと言ってやる。今までのことの御詫びだよ。」母の手話の通訳で、父と貴意亜が話す。塾のドアを開けて中に入ると、塾長らしき男の人がいて、優しい笑顔で貴意亜たちを迎えてくれた。父と母が頭を下げてニコニコしている。貴意亜も満面の笑みを向けた。「面接はいたって簡単な物ですから。」塾長はそういうと、室長だという女の人に面接をバトンタッチする。室長は色々質問をするといってバインダーを開ける。「あの、すいません。」母が申し訳なさそうな顔で室長に声をかけている。何を言っているのかは判る。自分の聴覚障害のことだ。「この子、耳が聞こえないんです。それでも宜しいでしょうか？」「ええ。そんなこと勉強に関係ありません。あの、通訳してもらえますか？この子に説明手段を聞かないと。」室長の言ったことを母がそのまま手話で伝えた。貴意亜はあまりの嬉しさに頭を下げていた。室長はニコニコ笑って頭を下げ返す。「手話ができる先生、今はあまりいないの。」「はい。」「勉強の説明ね、どうやってやったらいいかしら？」「筆談ができます。書いてもらえれば、私わかりますから。」これから週三回塾に通う。夜の7時から9時まで。わたしてもらった教材を持って、16番とかかれた席に座る。先生はやさしそうな女の先生で、室長がその先生に耳の事を話している。先生は、頷いてバインダーにはさんである紙に自己紹介を書いた。これからずっと担当してくれるらしい。貴意亜もすぐなじめる先生だったが、問題は周りの目。隣りの20番に座っている男のがいた。同じとしだというが、なんとも言えず男前で。「うわ！めっちゃ格好いいじゃん！！！！」シャーペンを回しながらふてくされたような顔をしているその男の子と目が合った。あっちは貴意亜の耳の説明を聞いていたわけだから、聴こえない事は判っている。ふいっと教材に目を移して、それから目が合う事はなかった。～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～　二回目の塾。また前と同じ席で、20番にあの男の子が座っている。黒い服を着ているのだが、似合いすぎていると思った。数学の問題を解いている時だった。　カサッ・・・。何かが腕にぶつかった。四つ折にされた紙。ふと目を上げると、隣りに座っている彼がニカッと笑った。どうやら彼からの手紙らしい。読むと自己紹介がしてある。名前は水島　零夜。青鞜中学という所の三年生。そして友達になろうと書いてある。すぐに紙に返事を書いて彼のところに飛ばすと、また笑ってくれた。二回目の返事はこう書いてあった。 ”俺、まだ手話とかできないから話すの面倒くさいと思うかもしれない。授業中にこうやってはなそうな。” 胸がドキドキしたけど、これは友達ができたからだと思った。ほかのことなんてかんがえて居られないほど。嬉しいから、彼にドキドキしているのだと思った。だが、これは後に開けていく、切ない人生への扉だった。そう、貴意亜は彼を好きになったらしかった。「恋・・・・・かなぁ？」貴意亜は考えた。塾から帰ってきても体温が下がらない。また緊張しているって事は、そうなのかな？そう確信した。だがまだ疑って、本当の真髄にはたどり着いていない貴意亜がいた。