◆−夢幻〜伝説の王〜−相楽 武蔵(8/20-13:47)No.16658


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16658夢幻〜伝説の王〜相楽 武蔵 E-mail 8/20-13:47


どぉも。相楽です。ええっと、なんかいきなり連載物に入る事にしたんですが、どうぞ、読んでくださいまし。今学校の選択授業で書いている小説なのですが、水滸伝、言わば式神をモチーフにした話。とにかく読んでいけば話はわかる!
ではとりあえず登場人物紹介ぃヽ( ´ー‘)ノフッ
・東乃王・・・青龍(男)・剣術、槍術の名手・別名・・蒼乃神官
・西乃王・・・白虎(男)・剣術、奇襲の名手・別名・・白乃裁判官
・南乃王・・・朱雀(女)・剣術、弓矢の名手・別名・・紅乃女帝
・北乃王・・・玄武(男)・剣術、拳法の名手・別名・・黒乃獣
では、本編へどうぞ!!
         
          夢幻〜伝説の王〜
         
東。暑くなく寒くなくなんともいえぬ、快晴の空であった。東、蒼乃国の王、青龍。
「おい!夜刀(ヤト)を出せ!出かける!
宮殿の大広間に怒声が響き渡る。夜刀というのは刀の名前。大太刀一刀流の名手であり、槍を握らせても敵う者は蒼の国には存在しないと言われている。青龍は生まれてすぐ即位し、一歳にもならないのに王となった。山に囲まれた国で悠々と暮らし、王として生きてきた青龍は住民にとって届かぬ存在になっていた。父母は一年前に他界し、蒼乃神官という名をも持つ人・・・。十六歳の神官・・・。

西。風は強く、空は常時濃いセルリアン・ブルーである。この西の国、別名白の国。王の名を白虎、人々はこの無口で静かな王を『白乃裁判官』と呼んだ。
 生まれ、五歳で即位し、父の戦略を真似、今や奇襲を掛けることの天才であり、剣術もできる。日本刀一刀流、日本刀の中でも最重のもの。見事なまでに軽々しく刀を操るその姿と、女のような美しい顔とのギャップに惚れる女も少なくない。
「王、縁談が持ち上がっておりますが、今度こそはお受け入れに?」
「・・・・・断れ。」
白虎には次々と結婚の話が持ちかけられる。でもまだ十六歳。今結婚しても、と全て相手を見ずに跳ね返していた。
 白虎は全てを忌み嫌う所があった。世間に背を向けた王、西、白の国の王、白虎。
 白乃裁判官の口癖・・・。
「本当につまらない・・・・・。」

北。吹きすさぶ風、晴れ間も無い猛吹雪。この極寒の地、北の国、別名黒の陸地。この国を引っ張っている王、玄武。またの名を黒の獣と呼び、恐れる者もいた。拳法なら全てをこなし、日本刀の中で最軽量の物、小太刀二刀流。百八十センチはあろう大きな体でいとも軽々と相手を交わすその姿に憧れ、二刀流がやりたいと頭を下げる者も中にはいた。
「俺ごとき、倒せないのか?お前ならできるはず、技を磨き、また手合わせしよう。」
そう相手に手を差し伸べ微笑む彼もまた十六歳である。この国では、剣術で父と対決し、父に怪我を負わせる事が出来たら即位・・・。彼は一秒の間に父の胸に深く十字の傷を刻み付けたのだ。このとき玄武八歳。瞳には凍りの魂が宿り、そして冷たく刺さる剣を持っていたのだ。父の胸の十字傷・・・。八歳の息子の剣が父を裂く、その出来事は黒の国に広まり、有名である。玄武は只者じゃない。一言にまとめるのはおしいと誰もが口々に言うのであった。

南。灼熱の太陽、ハイビスカスの咲き乱れるこの南の国、別名灼熱大陸。問題はこの王であった。東西南北四つの国の王の中でたった一人の女王。その名を朱雀。人々の間では紅の女帝とか・・・・返り血の姫と呼ばれている。
 生まれ、女だとわかった瞬間、地下室に放り込まれ、十年間を過ごしたのだ。十歳のある日、地下室を脱走し、自分の両親、弟を虐殺。わずか十歳にして十五人を殺し、その返り血を浴びた姿から返り血の姫と呼ばれるようになったのだ。剣術は小太刀四等龍。女とは思えぬすさまじい勢いで相手を着る。男勝りな彼女は、弓矢も得意であった。朱雀の矢は外れる事を知らないのだから。その朱雀は国の子供達の姉であった。一緒に歌うたい、踊り、ハイビスカスを育て、自由に、この国の太陽とともに生きる事。この十六歳の女帝は惨劇を語れる過去がある。
 この女帝の口癖は
「甘ったれるんじゃないよ!」