◆−はじめまして、ガウリナです−龍崎星海(4/20-16:14)No.15018
 ┣はじめまして!!−CANARU(4/20-18:27)No.15019
 ┃┗Re:はじめまして!!−龍崎星海(4/21-01:37)No.15026
 ┣おまちしてました♪−ゆえ(4/21-10:45)No.15030
 ┃┗ありがとうございます!−龍崎星海(4/21-22:08)No.15038
 ┗選択の時2−龍崎星海(4/24-17:53)No.15085
  ┣はじめまして。−みてい(4/25-01:54)No.15096
  ┃┗ありがとうございます!−龍崎星海(4/25-20:07)No.15103
  ┗選択の時3−龍崎星海(4/30-19:58)No.15198


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15018はじめまして、ガウリナです龍崎星海 4/20-16:14


はじめまして。龍崎星海と申します。スレイヤーズは読み専だったんですが、思いついた話があるので、投稿します。
実は練習用の方で、少し投稿してみたんですが、今見てみたらキレイに消えていた・・・
と言う訳で、これが実質初投稿になります。
ちょっと長くなりそうなんですが、よろしければお読みください。

***************************************************************
-選択の時ー第1話

あたしの名はリナ=インバース。天才美少女魔道士である。
今日も今日とて旅の途中なのだが・・・・
「なあ、リナ。ハラへらないか?」
あたしの旅の連れ、外見は金髪美形ながら頭の中身はクラゲの剣士、ガウリイ=ガブリエフがあたしに話し掛けてきた。
「そうねえ。もう少し行ったら、お昼にしましょうか」
あたしは答える。
と、その時。
ズウウ・・・ン・・・・
遠くの方から爆発音が聞こえてきた。
これは・・・何かあったか?
「行くわよ、ガウリイ!」
言うなり、走り出すあたし。
「おうっ!」
ガウリイがあたしの後に続いた。

走り行くあたしの目に、馬車が見えてきた。
レッサー・デーモンに・・・・襲われている!?
「ブラスト・アッシュ!」
あたしの先制攻撃で数匹のレッサ・デーモンが消え去った。
「ガルルルルル・・・・・」
あたし達の存在に気がついた、レッサー・デーモン達がこちらに向き直るその前に!
「ハアッ!!」
あたしの横を駆け抜けて行ったガウリイのブラストソードが一閃した!
ザシュシュッ!!
・・・・ドササッ・・・・
残っていたレッサー・デーモン達が一斉に倒れる。
十匹近くいたレッサー・デーモン達はあっと言う間に全滅した。
フッ。あたし達の手に掛かれば、レッサー・デーモンなど、ザコ以外の何者でもないわっ!!
さて・・・と。
あたしは襲われていた馬車の方に向き直った。
今の襲撃のせいで、あちこちがこげて、壊れてはいるが・・・かなり上等の馬車だ。
どうやら、かなり身分の高い人か、かなりの金持ちの馬車らしい。
「だれかー!生き残ってる人はいるー?」
あたしは声を掛けながら馬車に近づいた。
いや、馬車の中に誰かがいるのは、分かっていたのだ。
だが、いきなり近づくと、敵と間違えられて攻撃される恐れがある。
だから、声を掛けたのだが・・・案の定、あたしの声を聞いて安心したのか、中から人が出てきた。
かなりいい身なりをした、若い男性・・・だ。
しかも、なかなかのハンサムである。
「あ・・・あの・・・レッサー・デーモンは・・・どうなりました?」
その男性が、恐る恐る、といったふうに聞いてきた。
「あんなの、チョチョイと倒しちゃったわよ。ねえ、ガウリイ」
あたしは、その男を安心させるために、ワザと明るい調子でガウリイに話し掛けた。
・・・もちろん、半分はホンネだったけど。
「オウ、もう大丈夫だぞ!」
ガウリイが、その男にニッコリと笑いかける。
と、ようやく安心したのか、その男の顔に笑みが浮かんだ。
・・・あ、笑うとけっこう可愛いかも。
「あ、ありがとうございます!あなたがたは、命の恩人です!!」
感激のあまりか、あたしの手を握り締める男。
いやー、うぶで可愛いわあ!こりゃあ、きっといいとこのおぼっちゃんなのね(はあと)
うん、やっぱり日ごろの行いがいいと、こういう処に出るのよね!
「いやー、そんなー。当然の事をしたまでですぅ!」
思わずブリッコで答えるあたし。
「・・・・・オイ」
ガウリイがジト目であたしを見ているが、そんなのは当然無視である。
「いやあ、あなたのような可愛い方が、こんなにあっさりレッサー・デーモンを倒すなんて!ぜひお名前を・・・あ、失礼。人に名前を聞く時には、自分から名乗るものでしたね。私はピエール・ヴィ・ラ・シェザーレと申します。ピエール、とお呼びください。で、あなたのお名前は?」
あたしの両手をしっかりと握り締めたまま、話す男・・・ピエールさん。
ヴィ・ラって・・・まさか、貴族?
おおおぉぉぉぉぉ・・・・カモだ〜っ!!
あたしは、に〜っこりと笑ってこう答えた。
「あ・・・いえ、私の名前は、リナ=インバースです。こちらは、相棒のガウリイ=ガブリエフです」
あたしの言葉に従い、ガウリイがペコリと頭を下げたが・・・ピエールさん、そんなものは目に入っていないらしい。
「リナさん、ですか。いいお名前ですねえ。あなたにぴったりだ」
なんて感動している・・・・・大丈夫かな、この人。
と、とにかく・・・・
「お名前からすると、貴族の方ですよね?こんな所で、どうしたんですか?」
と尋ねてみると、
「ええ。私の叔母が嫁いだ先に遊びに行った帰りなんですが、いきなりレッサー・デーモンに襲われまして。どうやら、護衛の人たちも全滅してしまったようで・・・私は一体、どうやって帰ったらいいんでしょう・・・・・」
焼け焦げた馬車を前に、途方に暮れるピエールさん。
護衛どころか、馬車を引いていて馬までやられてしまっていては、途方に暮れるのも無理はない。
ここは恩を売っておくのも悪くないだろう。
無事に送り届ければ、礼金だって出るだろうし。
それに・・・上手くすれば、夢の玉・の・輿(はあと)が!!
よっしゃ〜〜っ!!
「あのう・・・よろしければ、私どもがお送りいたしましょうか?」
「ええ?・・・よろしいんですか?ありがとうございます!助かります!」
大喜びするピエールさん。よっしゃー、これでポイントア〜ップ!!
「・・・リナ、いいのか?」
ガウリイがあたしのマントを引っ張る。
「・・・何がよ」
「俺たち、ゼフィーリアへ行くんじゃなかったんか?」
ああ、その事か。
「いいのよ、別に。急ぐ旅じゃないんだし、少しぐらい寄り道したって。それに・・・・・」
と、ここであたしは声をひそめた。
「あの人、いいとこのぼっちゃんみたいだから、無事に送り届ければきっと礼金たんまり・・・よ・・・・・・ウフフフフ・・・・・」
あたしは含み笑いをする。
「・・・・ったく・・・・」
呆れ顔のガウリイ。
何よ、ンなに呆れなくったっていいじゃない!
せっかく道端に儲け話が転がってたんだし、乗らない手はないわよ!
「さー、という訳で、元気にいってみましょー!!」


『貴族のピエールを助けたあたし達。う、うふふふふ・・・・玉の輿よ、玉の輿!というわけで、次回「すれ違う二人」読んでくれないと、ま〜た暴れちゃうゾ!』

***************************************************************
え〜、いかがでしたでしょうか。
ちょっと、アニメ調の予告を入れて見ましたが。
・・・いえ、こういうのをやっている人がいないみたいなので、ちょっとやってみようかな〜っと思いまして。
でも、実はまだ全っ然書けていないので、ウソ予告になるかも(笑)・・・
と、とりあえず、呼んでいただけたら、うれしいです。

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15019はじめまして!!CANARU URL4/20-18:27
記事番号15018へのコメント

はじめまして!!CANARUと申します〜〜〜!!
早速お話よみました!!
うわあ・・・・・・(汗)
ゼフィーリアに帰りつくまでにガウリイ君・・・・・。
とんでもない困難に見まわれてしまったようですね〜〜!!
今後彼がそう出るか、今から楽しみでっす!!
リナちゃんもリナちゃんで・・「玉の輿」諦めてなかった(汗)
所が笑わせていただきました〜♪
簡単ですが、早速感想書かせていただきました!!
今後ともよろしくでっす!

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15026Re:はじめまして!!龍崎星海 4/21-01:37
記事番号15019へのコメント

はじめまして!早速お読みくださり、ありがとうございます!
「ガウリイがどうでるか」との事ですが・・・ふふふ、お楽しみに!
これから、ガウリナする・・・予定。
それに伴い、どんどん暗くなる・・・予定・・・・・
予定は未定で、決定でない処が怖いんですが・・・
とりあえず、なるべく早めに続き、書きますので、見捨てないで読んでやってくださいね。

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15030おまちしてました♪ゆえ E-mail URL4/21-10:45
記事番号15018へのコメント

こんにちは、ゆえです♪

某黒板HPでお聞きしてから、楽しみにしてました♪
わーい、ガウリナだぁ♪
二人はゼフィーリアにいく途中なんですね。でもしっかり、敵さんぶっとばしている♪
助けたピエールさん。今後どのように絡んでいくのか楽しみです。
玉の輿狙いのリナに、ガウリイがちょっとヤキモチっぽいですし。
うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ(←不気味)

次回予告。期待しちゃいます♪
なんかBGMも聞こえてくるような。
楽しみに、まっちゃうぞ☆です♪

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15038ありがとうございます!龍崎星海 4/21-22:08
記事番号15030へのコメント

>こんにちは、ゆえです♪

こんにちは、龍崎です。

>二人はゼフィーリアにいく途中なんですね。でもしっかり、敵さんぶっとばしている♪
>助けたピエールさん。今後どのように絡んでいくのか楽しみです。
>玉の輿狙いのリナに、ガウリイがちょっとヤキモチっぽいですし。

うふふ、ありがとうございます。ガウリイにヤキモチ焼かせるつもりはなかったんですが、焼いてますね。

>次回予告。期待しちゃいます♪
>なんかBGMも聞こえてくるような。
>楽しみに、まっちゃうぞ☆です♪

次回は、ただ今鋭意執筆中!です。なんとか、ウソ予告にしないよう、がんばっていますので、待っててくださいね。
では、これにて失礼します。

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15085選択の時2龍崎星海 4/24-17:53
記事番号15018へのコメント

選択の時 第2話 すれ違う二人

さて、出発しようと言う時に、いきなりピエールさんがこう言いだした。
「・・・・・あの、すみませんが荷物を持っていってもいいですか?」
・・・そっか。お貴族様だもんね。荷物ぐらいあるわよね。
どれ・・・と、あたしは馬車の中をのぞいて・・・・絶句した。
こ・・・これって・・・・・・
あたしの後ろから、ひょいとのぞいたピエールさんが、あっさりとこう言った。
「ああ、それですか。叔母にもらったお土産なんですが」
お土産って・・・・あたしは、ギギィッと後ろを見やった。
「こ・・・これが、ですか・・・・・」
「ええ。あ、よろしければ、おひとつ差し上げましょうか。助けてもらったお礼代わりに」
ひとつ、って・・・あんた、そんなお気軽に・・・・
さて、あたしが何にそんなに驚いているのか、と言うと、実はその馬車の中にはすっごい
お宝がごろごろしていたからだ。
全て、ちょっとした街の領主あたりなら「家宝」として後生大事にしまい込みそうな代物
ばかりである。
ここにあるお宝のうち、1つでも売ればおそらく一家4人が一生遊んで暮らせるぐらいの
お金になるはずである。
そんな物を「お土産」でもらうなんて・・・しかも、そのうちの1つをこんなお気軽にあげ
ちゃうなんて・・・
このピエールさんって一体どういう人なんだろう・・・
いや、それどころじゃない。今は、それより先に、やらなくちゃいけない事がある。
「1つ。もらってもいいんですね!ほんとーに!!」
グワシッ!とピエールさんの方をつかみ、問いただす。
「え、ええ、どれでもお好きなものをどうぞ・・・」
心なしか震える声で答えるのを聞いた途端に、あたしは馬車の中に駆け込んだ。
お宝!お宝!お宝〜〜っ!!!
「あ・・・あの〜、リナさん?」
「やめとけ。今は何を言ってもムダだ」
ピエールさんの肩を、ポンと叩くガウリイ。
うっさいよ!ガウリイ!あたしは、少しでもいいお宝をゲットしなくちゃいけないんだからね!
あたしのお宝吟味は、それから3時間続いたのだった。


やっともらうお宝が決まったあたしは、残りのお宝を袋に入れガウリイに持たせた。
「んじゃ、出発しましょーか!」
と、行きかけた途端に、
「どこへ?」
とガウリイに聞かれて、あたしは思わずズッコケた。
「・・・どこへって・・・・あんたね〜!!そんなの、決まってるでしょ!ピエールさんの
家のある!・・・」
そこまで言って、あたしはハタと気がついた。
そう言えば・・・ピエールさんの家がどこにあるのか、聞いてなかった・・・・
「あの〜、すみませんが、ピエールさん。あなたの家は、どちらにあるんですか?」
「ああ、それなら、この先にあるエアリエル公国の首都、エアリエルです」
エアリエル・・・と言うと、あの宝石の産地として有名な・・・小さいけど、とても裕福な国。
なるほど、それでか。
たしか、あの国なら一週間もあれば着くはずだ。
「んじゃま、目的地も判った事だし。改めて、しゅっぱーつ!」


と出発してから一週間。あたし達は・・・今だにエアリエルに着いていなかった。
だって、仕方ないじゃない!
ピエールさんってば、自分で歩いて旅をした事がないらしくて、少し歩いては休み、
少し歩いては休みしてたんだもん!
ガウリイはお宝運ぶので手一杯だし。
でも、いい事もあんのよね。
行く先々でいい宿屋に泊まり、思う存分に食べて・・・もちろん、その代金は全て
ピエールさん持ち!!
ああ、お金持ちとの旅っていいわあ・・・・
ちなみに、食事はピエールさんが同席している間は、普通に食べている。
もちろん、あたしだけではなく、ガウリイもだ。
だ〜ってぇ。いつもみたいな食べ方してたら、嫌われちゃうじゃない?
当然、ピエールさんの前では、終始ブリッコである。
そして、ピエールさんが食べ終わって、部屋へ戻った途端に、二人がかりで食堂の
メニューを全制覇しているのだ。
そのかいあってか、ピエールさんはあたしの事を「可愛い女性」だと思ってくれている。
んっふっふっふ・・・玉の輿の野望が・・・達成される日も、近いわあ!


やがて、予定をオーバーする事数日であたし達はやっとエアリエルに到着した。
さて、ピエールさんの家がどこにあるか、だけど・・・と思いつつ、歩いていると。
目の前から、大勢の兵士達が駆け寄って来るのが見えた。
ウエッ!?何で!あたし、未だ何もやってないのに!・・と。
「ピエール様!」
駆け寄って来た兵士達が、一斉にひざまづいた。
え?え?何?何がどうなったの??
と。兵士達の後ろから、見るからに位の高そうな人が歩み寄って来ると、
ピエールさんの前にひざまづいた。
「ピエール様。よくお戻りになりました。なかなかお戻りにならないので、何か
あったのではないかと、心配しておりましたが、ご無事なお顔を拝見し、この
ギガソン、これ以上の喜びはありません」
「うむ。心配を掛けたな。旅の途中、レッサー・デーモンに襲われたのだが、
ここにおられるリナ殿達に助けられてな」
「そうですか。それはさぞお疲れでしょう。お早くお城にお戻りを。それから、
リナ殿、と申されましたな。あなた方も、ぜひご一緒においでください」
そしてあれよあれよと言う間に、あたし達はどこからともなく現れた馬車の中に
押し込まれてしまった。
もちろん、ピエールさんも一緒に、である。
先ほどのギガソンとか言う人は、外で馬車に付いて走っている。
先ほどの会話といい、ギガソンのこの行動といい・・・
もしかして、ピエールさんって・・・
そのあたしの考えを裏付けるかのように、馬車はお城の門を駆け抜けて行った。


・・・・うっひゃー・・・けんらんごーかー・・・・・・
は、しまった。つい、思考が停止してしまった。
だってだって、すっごいのよ!もう、あっちこっちキンキラキン!
これはもうお城じゃなくって、宮殿よね〜。
あたしもあっちこっちのお城を見て来たけど、こんな豪華なお城を見たのは
初めてだ。
その豪華なお城の廊下をピエールさんは平気な顔をして、ズンズン歩いて行く。
廊下の左右にはスラリと使用人達が並んで、おじぎをしている。
うわ・・・緊張する〜・・・・このまま歩いていってもいいんだろうか。
とも思うけど・・・こんなトコに置いてけぼりにされるのもヤなので、ピエールさん
の後に付いていくと、やがて目の前に大きな扉が見えてきた。
その扉が開かれると、そこは広間になっていた。
ここもすっごいキンキラキンだ。
その広間の奥に、1段高い処があり、そこに2つのイスが並んでいた。
そこには、豪華な衣装を身にまとった1組の男女が座っていた。
・・・・もしかして、あれって・・・・・
と思う間もなく、ピエールさんはその2人の前にスタスタと歩み寄ると、こう言った。
「父上、母上、ただ今戻りました」
「うむ。よくぞ戻った。王子よ」
王子・・・って・・・・・・えーっ!!ピエールさんが、ここのおーじー!?

        ☆   ☆   ☆

「あ〜、疲れた〜〜」
あたしはベッドに身を投げ出した。
あの後、歓迎式典やらなんやら、大変だったんだから。
「な〜リナ〜。あの話、本当に受けるのか〜?」
ガウリイが同じようにベッドの上からあたしに声を掛けた。
と言っても、誤解しないでよね!
同じベッドに居るんじゃないのよ!
この部屋には、2つのベッドルームがあんのよ!
もちろん、いい方のベッドをあたしが取ったけど。
で、部屋のドアを開けっぱなしにして話してるってわけよ。
「もちろんよ。蹴ったりしたら、もったいないじゃない」
あたしはガウリイに答えた。
「もったいないって・・・おまえな〜〜」
ハァーッと、盛大にため息をつくガウリイ。
「あによ、文句あんの?王子の命の恩人として、お礼がしたいから
しばらく滞在してくれって言ってんのよ?こんな立派な部屋まで
用意して!こんな部屋、もう2度と泊まれやしないわよ!町の宿屋で
こんな部屋に泊まったら、いくらすると思ってんのよ!!」
「でもなあ・・・・・」
「ああ、もう。うっさいわねえ!あたしはもう、寝るからね!」
バタン!とドアを閉めると、あたしはベッドに潜り込んだ。


翌日。あたし達の部屋に、大量のドレスやら装身具やらが届けられた。
持ってきてくれた侍従の話では、ピエールさん・・・じゃなかった、
ピエール王子からの贈り物だそうだ。
今夜のパーティーに着てきて欲しい、との事だ。
「やったー!太っ腹よねー。何着てこっかなぁ」
あたしはルンルン気分で服を選び出した。
「ねえ。ガウリイも出るんでしょ?」
と声を掛けると、
「俺は出んぞ」
おや?
「どうしたのよ、ガウリイ。何怒ってんのよ」
「別に怒ってなんかない」
「ウソ。怒ってるじゃない。怒った声してるもの。何怒ってんのよ。
言ってみなさいよ」
そう、あたしが追求すると、ガウリイは何も答えず、プイッと部屋から出て
いってしまった。・・・ったく。何だってのよ。

        ☆   ☆   ☆

それからのあたしは、毎日毎日、パーティー三昧だった。
きれいに着飾ったあたしは、いつだってパーティーの主役だった。
きらびやかな会場、美しく着飾った人々、美味しい食事。
あたしはここの生活に夢中になり始めていた。
そんなある日、ピエール王子があたしにプロポーズをした。
生まれて初めてされたプロポーズ・・・
もちろん、悪い気がするはずもない。
ルンルン気分で部屋に戻ってくると、そこにはガウリイが待っていた。
「リナッ!おまえ、プロポーズを受けたのか!!」
「何よガウリイ。いきなり。びっくりするじゃない!」
「いいから答えろ!ウンと言ったのか!どうなんだ!!」
「い・・・言ってないけど・・・・」
「そうか・・・・・・・」
ホーッとため息をつくガウリイ。
そのまま、あたいの肩に手を置き、真剣な眼差しであたしを見る。
・・・何よ。何だって言うのよ!!
あたしがとまどっていると、
「なあ、リナ。明日にでもここを出よう。出て、ゼフィーリアに行こう。
なあ、リナ。いいだろう?」
そう言って、あたしの目をのぞき込んでくる。
いつになく真剣な・・・そして、哀しげな目。
こんな真剣なガウリイ、見たことない。
あたしはその青い瞳に、思わず見とれてしまった。
「リナ・・・・・・・」
ガウリイに名前を呼ばれて、あたしは我に帰った。
いけない、いけない。ついボーッとしてしまった。
「何で出ていかなきゃいけないのよ。せっかくの玉の輿なのに!」
「!!!リナ!おまえ・・・・受ける気なのか!!!」
「あーったりまえでしょ?王子様のお妃様よ?将来はこの国の
王妃様よ?断るバカなんていないわよ」
「おまえ・・・・・本気か?・・・・自分の言っている意味が・・・・
判っているのか・・・・・」
怖い顔であたしをにらみつけるガウリイ。
「な・・・何よ、本気に決まってるじゃない。バカな事聞かないでよ!」
負けじとガウリイをにらみ返してやると、
「・・・・・・・本当にそれでいいんだな。後悔・・・・しないな・・・・・・」
じっとあたしの目を見ながら、念を押すガウリイに、
「くどい!さっきから、いいって言ってるじゃない!それより、離してよ!
これから、夜のパーティーの仕度をしなきゃいけないんだから!」
と言ってやると、しばらくあたしをにらみ付けていたが、やがてフッ・・・
と哀しげな目をすると、あたしから離れて自分の寝室へ行ってしまった。
「ったく。何だってのよ」
あたしはぶつぶつ言いながら、夜のパーティーに着ていく服を
見繕い始めた。
あたしはこの時、プロポーズされた事に浮かれていて、気づかなかった。
・・・・・いや、気づこうとしなかった。
ガウリイが最後にした、哀しげな目のその意味に・・・・・・

『ピエールさんにプロポーズされたあたし。さあ、あたしは、そして
ガウリイは、一体どうするのか!次回、「ガウリイの想い」
読んでくれないと、ま〜た暴れちゃうゾ!』

****************************************************************
はい、龍崎です。お読みくださり、ありがとうございます。
先回の予告をウソ予告にしないために、予告した所まで書いたら、
長くなってしまった・・・
すみません。おまけに、最後のほう、展開が異様に早いですね。
本当はもう少し書き込みたかったんですが・・・
敬語使いまくりに挫折してしまいました。
では、また次回お会いいたしましょう。

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15096はじめまして。みてい 4/25-01:54
記事番号15085へのコメント

こんばんは、そして初めまして竜崎さん。GW中に一本くらい書こうかなぁと思いつつ何も思いつかないみていでございます。

ピエールさん、おうぢ様だったんですねぇ。お金持ちです。
しっかし、リナちゃ〜んっ!!気づけ〜〜〜っ!!!
…はっ、ちょっと取り乱しました。でもすっごく先が気になるものですから…。

ものすっごく次回お待ちしております。
また寄らせてくださいね。
ではではみていでございました。

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15103ありがとうございます!龍崎星海 4/25-20:07
記事番号15096へのコメント

>こんばんは、そして初めまして竜崎さん。GW中に一本くらい書こうかなぁと思いつつ何も思いつかないみていでございます。
はい、初めまして、こんばんわ。龍崎です。お読み下さり、ありがとうございます!

>ピエールさん、おうぢ様だったんですねぇ。お金持ちです。
>しっかし、リナちゃ〜んっ!!気づけ〜〜〜っ!!!
ええ、リナの気を引くには、あれくらいのお金持ちでないと・・と思ったものですから。
ちなみに、お城はフランスのベルサイユ宮殿をイメージしてみました。
ですから、舞踏会等はベルばらをイメージしております(笑)。
イメージだけですが(爆笑)。
>ものすっごく次回お待ちしております。
>また寄らせてくださいね。
>ではではみていでございました。
そう言っていただけると、うれしいです。
次回はゴールデンウィークになると思いますので、その頃にまたお寄りください。
ガウリイの一人称になります。少し・・・いや、だいぶ暗いですが。
それでもよろしければまたお読みくださいね。
では、失礼します。

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15198選択の時3龍崎星海 4/30-19:58
記事番号15085へのコメント

♪宇宙〜のう〜み〜は〜おれ〜の〜海〜、というわけで、龍崎です。
え?なんの関係があるのかって?
いえ、私の名前から連想してみただけです。
第3話が、できあがったので、アップしますね。
今回はガウリイの一人称です。暗いです。・・・くどいです。
と、とりあえず、お読みください。では。

*****************************

選択の時 第3話 ガウリイの想い

パタン・・・・と、扉の閉まる音がする。
きっとリナが出ていった音だ。
今夜のパーティーでリナはあいつのプロポーズを受けるんだろうか。

ピエール、とか言うあの王子・・・・悪いやつじゃないと思う。
わざわざ俺なんかに、確認しに来たんだからな。
「これからリナさんにプロポーズしようと思うんですが、よろしいでしょうか」と。
真剣な目。リナの事を本気で想っている目だった。
俺は・・・・ダメだとは言えなかった。
だって、そうだろう?それを決めるのは、俺じゃない。
リナなんだから。
あいつに、そう答えたら、あいつはニヤリと笑ったんだっけ。
自信ありげな笑み。
でも、俺はまさかリナがそれを受けるとは思わなかった。
きっと、断るだろうと。
あいつなんかより、俺を・・・・選んでくれると思ってたんだ。
・・・・・・・・・・でも、違った。

俺は・・・・・・うぬぼれてたんだな・・・・・・・・・・・
俺にとってはリナは何より大事な存在だ。
リナなしでは・・・・・・・生きていけない。
・・・・・・・・・・でも。
リナにとっては・・・・・・・そうじゃbなかったんだな・・・・・・


俺は腰に差した剣を手に取った。
伝説のブラストソード。
リナを・・・・守るための剣。
俺は、本当は魔法剣なんて欲しくなかったんだ。
たった一本の剣をめぐって、一族で血で血を洗う争いが起こった。
それを・・・・・見てきたから。
でも。リナにはいつも危険がつきまとっていた。
そんなリナを守るためには、どうしても魔法剣が必要だった。
リナの足手まといにならないために。
リナと共に戦うために。

でも。リナを守るのは、俺の役目じゃなかった。
リナが選んだのは、俺じゃ・・・・なかったんだ。
・・・・・・・だから。・・・・この剣はもういらない。
俺が・・・ここに居る必要も・・・・・・ない。

今日のうちに、剣を置いてここを出ていこう。
行くあてなんて、ないけれど。
リナには何も言わずに行こう。
言えば、リナの事だ。きっと止めるだろうから。
・・・・・リナ。お前に出会えて、俺は幸せだった。
そりゃ色々あったさ。
死ぬかと思った事も何度もあった。
いつもいつもスリッパではたかれ、魔法で吹っ飛ばされ・・・・
でも。それでも俺は幸せだったんだ。
・・・・・お前と出会う前の・・・・あの頃に比べれば・・・・・・

リナは知らないだろうな。
俺がなぜ、家を出たのかを。
なぜ、故郷の話をしないのかを・・・・・・・
なぜ・・・家に帰ろうとしないのかを・・・・・・・
あの日・・・・・光の剣を持って、家を飛び出した時、
俺は、家も家族も、故郷さえも失った。
あてもなく世界を放浪し・・・・たくさんの人を殺してきた。
金のために・・・・・生きるために。
でも。俺は、そんな生活に疲れきっていた。
生きる意味も、希望すらも失い、ただ惰性だけで生きていたんだ。
そんな頃だったな。リナに出会ったのは・・・・・
いつも前を向いて、一生懸命にいきているお前。
俺にはそんなお前が眩しくてしかたなかった。
女の子なのに、無茶ばかりして。
俺はそんなリナが心配でしかたなかった。
それが・・・・いつからだろう。
リナと、ずっと一緒にいたいと思うようになったのは。

リナ。お前には言ってなかったが、俺はゼフィーリアに着いたら、お前さんの
両親や姉さんにリナを下さい、って言うつもりだったんだぜ?
リナの性格から言って、リナに直接言うより、そうやって脇から固めて、
逃げられなくしちまった方がいいだろうと思ってたから。
どこかで家でもかまえて、子供こさえて・・・・
じいちゃんばあちゃんになるまで、一緒に居たかったのに・・・・・・
夢になっちまったな・・・・・・


りな、幸せになれよ。
俺の望みは、それだけだ。
・・・・・・・・・・・さよならだ、リナ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・・会うことも・・・・・ないだろう。
俺は、ベッドの上にブラストソードを置くと、部屋を出た。
パタン・・・・という、扉の閉まる音が心にしみた。
リナの・・・・別れの挨拶のように聞こえて・・・・・・

『剣を置いて出ていくガウリイ。ちょっと、ガウリイ!まだデーモンがウロウロ
してるってのに、丸腰で出ていってどうすんのよ!あ〜もう!次回
「ささやかな安らぎ」読んでくんないと、ま〜た暴れちゃうゾ!』

**********************************

しかし、自分で書いて置いてこういうのも何ですけど、暗いですね。
おまけに勝手に設定作っちゃってますし。
いえ、あのガウリイが自分の物でもない家宝の剣を持って家出するなんて、きっと
よっぽどの事があったんだろうな、と思ったもんですから。

さて、次回ですが、いつアップしようかな。
いい加減、5月のS・C・Cの準備もしなくちゃいけないし。
サークル参加するんですよ、別ジャンルですけど。
スレイヤーズの方にも遊びにいきますね。
では、お読み下さり、ありがとうございました。

そうそう、冒頭の歌ですが、あるアニメの主題歌です。
古いですが・・・・・何か分かりますか?