◆−Messenger7 「水際」−みてい(3/24-12:20)No.14560
 ┣生卵星ぃ☆(うそっぷ)−あんでぃ(3/24-16:57)No.14562
 ┃┗「繰り返しのギャグというのを知らんのか…?」←このシーンだけ観た−みてい(3/24-17:39)No.14563
 ┣ランシャル(笑)!−あごん(3/24-23:31)No.14567
 ┃┗↑何のことかと1分考えました(笑)−みてい(3/24-23:57)No.14570
 ┣そして私は土俵際(泣)−ゆえ(3/25-23:59)No.14596
 ┃┗千秋楽どうなったのかな。−みてい(3/26-00:16)No.14597
 ┣Messenger8 「英断」−みてい(3/26-10:23)No.14604
 ┃┗納得。−砂緒(3/27-19:09)NEWNo.14645
 ┃ ┗ほっ。−みてい(3/27-23:45)NEWNo.14658
 ┗Messenger9 「誓約の花束(前編)」−みてい(3/28-00:42)NEWNo.14662
  ┣ゼル、かわいすぎですよvほんとに!!−あんでぃ(3/28-11:23)NEWNo.14668
  ┃┗そぉっけーないけれど、気まぐぅれ〜だけれど♪−みてい(3/28-16:16)NEWNo.14681
  ┗第10話小ネタ予告&お願いです。−みてい(3/29-01:37)NEWNo.14700
   ┣もちろんです(><)−桐生あきや(3/29-07:30)NEWNo.14702
   ┗ふふふふふふふふふふふふ(怖いって)−ゆえ(3/29-08:13)NEWNo.14703


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14560Messenger7 「水際」みてい 3/24-12:20


どもです。みていでございます。

細かいことは後に回して、小ネタ行きましょう、小ネタ。
そのいち:プロ根性に徹する彼女の行動
そのに:ホウキとおハシとタマゴ。

ではでは、第7話おつきあいください。アメリア視点です。
*********************************************************************


【水際】


―――其は形を違えるもの 
―――ともに魔を糧とするもの 
―――其は手を違えるもの 
―――ともに生まれ、相反するもの 
―――其は名を同じくするもの 
―――決して流れを汲まぬもの 
―――其は諸刃の剣
―――真の姿を覆いしもの
                  〔さる魔道書第5章『らせん』より抜粋〕
************************
 なんだか、わかんないことだらけです。
 ゼルガディスさん、どうしてガウリイさんとリナさんを行かせたんですか?
 それに、また甘いにおいがしてましたよ?

 ばたん。

 戸が閉められて、客間に残ったのはわたしとゼルガディスさん、そしてランディさんの三人だけ。
 ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ。
「………アメリア、そう露骨にぶーたれるな」
「ぶーたれますっ!」
「…理由を述べよ。」
 ゼルガディスさんは困ったようにわたしを見てきます。
「わけがわかりませんっ!」
 噂が流れているというなら、また新たな敵が来るかもしれないってのがわからないゼルガディスさんじゃないでしょう?
 そりゃ、魔道書は大切ですけど。
 だったら、一人でも多くで動いた方が理に適うじゃないですか。
 ランディさんも何だかわたしに隠していることがあるみたいですし。
 …心がもやもやします。
 
「アメリア様。いえ今はアメリアさんと呼ばせていただきます。ゼルガディス殿を責めるのはお止めなさい」

 わたしとゼルガディスさんとで結んで正三角形になるあたりに移動したランディさんが静かに告げました。
 …この距離は、どっちの味方についているわけでもないという意思表示。
「なにか、疎外感を感じているのではないですか?」
「…うっ」
 わたしの心にわだかまるもやもやが『疎外感』という題を与えられ、はっきりと自覚するのがわかりました。
「それなら詮無いことですよ」
 ちらっとゼルガディスさんを見ると、ちょっと寂しそうな眼をしてました。
 ゼルガディスさんはわたしと目が合うと、小さくゆっくりと頷いてくれました。
「これはガウリイ自身の問題です。アメリアさんが囚われることは、無い」
「…ガウリイさん自身の…」
 ただ魔道書を取りに行ったんじゃないみたいです。
 ガウリイさんが、リナさんに対し、しておきたかったこと。
「重要なのは、『それ』が『これから』に必要かどうかです。必要であると考えたなら、話すでしょう。そのあたりの判断は昔から誤ったことはないですよ。私の弟はね」
 そう言ってランディさんはわたしにウィンクを一つ、くれました。
 …必要であるなら。
 ―――ガウリイさんにとって、それが必要だった?
 ―――今じゃなきゃ、ダメだったってことですか?
 ―――『それ』が、『これから』にとって。

「アメリアさん。知りたいのなら、お話しする。これは私の一存だ。あなたに咎が及ぶことは無い。知っていて、知らぬふりとで出来よう。
 …どうするかはあなた次第」

 わたしは静かに首を振りました。
「いいえ。ガウリイさんの判断に、お任せします」
「そうですか」

 ゼルガディスさんは、知っていて、心に留めておくことを選んだようです。
 わたしは、知らずにいることを選びます。
 ランディさんが質問を投げてきた、アメリア個人として。
 ―――知らないでいるということが、必要なのかもしれないですから。
 そう答えると、ランディさんはその目尻をほんのちょっと下げました。
 ゼルガディスさんの眼から寂しいとか困ったとかが消えました。
 ―――よかったぁ。わたし、選択を誤らなかったみたいですっ。

「そっちの方は、もう訊きません。でも、ね、ゼルガディスさん♪」
「な、何だ?っおいっアメリアぁ!?」
 
 わたしはゼルガディスさんの後ろに回るとマントの裾を持ってばさばさしました。
 ふわっと舞う甘い香り。
 これについては言及してもいいと正義の勘が告げていますっ!
 ばさばさ。 
 わたしの知っている匂いなんですよね〜。
 ばさばさ。
 花?香水?お菓子?
 ばさばさ。
 何だったでしょう…?
 ばさばさ。

「アメリア様。埃が立ちます」
 ば。

 客間に入ってきたシャルレさんが笑顔の一言。
 テーブルを拭きながらの体勢でもう一度にっこり。
 …あう。
「アメリア、さっきから何をやってるんだ」
 マントの裾を持ったままぺたんと座り込むと、ころころと下ろしたフードの陰から小さな何かが転がってきました。
 調整して手元に誘導してくると、それは小さな花でした。
 真っ白で、小ちゃくて。
 ホトトギスじゃないですし…?
 わたしはそれを見つからないようにポケットにしまいました。
 ―――っ!?

 ピィィィィィィィィィッ
 ぱしっ

 鳥の啼く声…じゃない鏑(かぶら)の響く音!
 格子窓の隙間をぬって何かが飛び込んできたのをゼルガディスさんが片手で受け止めました。
 見ると、その手には紙に包まれた石と、それに糸で括られた小さな赤い鏑。
 開いた紙に書いてあったのは数行の文字。
「『今夜は宴 花散る里に月は無し』…どういうことだ?」
 シャルレさんの表情が変わる。
 ゼルガディスさんから紙を受け取ったランディさんは一読し、紙を握り締めました。

「どうやらジャイル殿御大が登場です。二十人近くの傭兵がこちらに向かい、到着までは時間の問題。他に質問は?」

「無いです」
「同じく」
 わたしはすぐに今の状況を考えました。
 敵は今ランディさんが言ったとおり。
 こちらは、わたし、ゼルガディスさん、そして六人の衛兵。
 守らなければならないのは、ここにいるランディさんシャルレさん。そしてまだ動くことの出来ない衛兵が三人。
「シャルレ、裏木戸を閉めろ。土足でこの家に踏み込ませるな」
 ランディさんの命に頷いたシャルレさんが客間を出ていく。
「起床!!」
 わたしはレグルス板に向かい叫ぶ。
 板の先は、騎士団の待機室。
 すぐにどたばたという雑音がノイズ交じりに聞こえてきた。
《アメリア様!?》
 応答に出たのは騎士団長。
「敵の襲来です。相手は傭兵、あなた方の任務は負傷者を守り一枚とて文書を紛失せぬこと。復唱!」
《しかし、アメリア様は…》
「聞こえなかったのですかっ!?」
《は、はっ!我ら六人、負傷者と文書の守護の任に就きます!》
「復唱了解。わたしのことに心配無用。…油断せず、命を賭することの無きよう、くれぐれも言い置きます。以上」
《はっ!!アメリア様もご無事で。近くにおられる方々、姫様をお願いしますっ》
 ノイズが消え、板から声が聞こえなくなって。
 視線に顔を上げるとゼルガディスさんがわたしを見つめていました。
 その眼に強い意志の光を宿らせて。
 わたしが何となく右拳を構えると、ゼルガディスさんは同じように右手で拳を小突き返してくれました。
 …………えへっ。かっこいいです☆
 ―――ここを襲うということは、狙いはガウリイさん。もしくは斬妖剣。
 でもここにガウリイさんはいません。
 それを知ったら相手はどうするか。
 引き返す?そんなことは無いです。考えられるのは、八つ当たりの名を借りた暴挙と破壊。または非人道的好意。
 ―――もしくは他の何か別の理由で。

「ランディさん。今のこの家で狙われる可能性のあるものは何ですか?」
「可能性としては、私ですね。それからアメリア様ご自身」

「わたし…ですか」
 ランディさんはこの家の現当主にしてガウリイさんの実のお兄さんです。
 当主であれば門外不出の秘密とか知っているでしょうし、人質として捕られたらガウリイさんは投降するしかありません。
 わたしは、この身分でしょうね。
「アメリア、おまえは言わば切り札だ。きちんと自分のすべきことを知っている、な」
 ―――どうして、わかってしまうんですか。
 わたしが俯きかけたとき、ゼルガディスさんはちゃんと呼びかけて引っ張ってくれます。

「わたしなら大丈夫ですっ!ゼルガディスさんがいますしっ!!」
 
 胸を張って力説すると、一瞬間があって頭を押しこまれました。
 押された頭を両手で抱えて、上目遣いに見上げると微妙な表情をしたゼルガディスさんが見えました。
「来たようだ」
 カーテンの陰から外を窺っていたランディさんが呟く。

「出るぞ」
「はいっ!」

 この家の立地条件から裏から回ってくるのは困難です。
 とすれば表から。
 玄関を飛び出すと雨が降り、地面がぬかるみ始めていました。
 火矢や魔法による家屋への攻撃は無理です。
 ばんばんばんっと断続的に聞こえてくるのは格子窓が塞がれる音。
 建物の中にランディさんとシャルレさんを残し、わたしとゼルガディスさんは打って出ることにしました。
 家の前の傾斜から駆け上がってくる敵に向かい、わたしは呪文を放ちましたっ!

「『螺光衝霊弾(フェルザレード)』!」
「『烈閃咆(エルメキア・フレイム)』!」

 わたしの放った青い螺旋光を追うようにゼルガディスさんの青い帯が放たれるっ!
 重なった二つの呪文は相互作用を起こし…

 ぱきゃあああああんっ

 弾け、精神力を削る光の矢となって拡散し、敵を声も無く泥の上に鎮めましたっ!
 すごおおいっ!!こんな効果が出るなんてっ!
 わたしとゼルガディスさんの必殺技ですぅっ!!!
 名前は…。
「後だ」
 はいっ。後で決めましょうっ☆
 ぱかんっ
「うわっくせえっ」
「ぎええええっ!?」
 突然あがった悲鳴に視線を走らせると、シルエットしか見えませんが何もかもそっちのけでじたばたする人が見えました。
 ぱかんっ ぱかんっ
 軽い爆ぜるような音の後にセットになってついてくる悲鳴っていうよりも泣き声。
 よく目を凝らしてみると、庭の木に登った枝の陰からパチンコで何かを飛ばす人がいました。
 その誰かはわたしたちに気づくと、ちょっと手を振って応えてくれました。
「ゼルガディスさん?」
 訝しげにその人を見ていたゼルガディスさんの口の端がきりっと上げられました。
「あいつは味方だ。悪いようにはならん」
 ゼルガディスさんがそう言うなら信用しますっ。

 ガカアッ

「アメリアっ」
「はいっ」
 今、確かに向こうの空で何かが光りました。
 ゼルガディスさんも見ています。
「リナさんっ!ガウリイさんっ!?」
 わたしはレグルス板に向かって呼びかけました。
 でも聞こえてくるのは耳障りなノイズばかり。
「連絡が取れませんっ!」
 表情がみるみる厳しくなるゼルガディスさん。
 ―――やはり、救援信号。
「こっちは囮か?くそっ」

 どかどかああっ ばきいっ

 扉が破られる音。いつの間にっ!
「ランディさん、シャルレさんっ!!」
 急いで駆け戻って、そこでわたしの見たものはっ!

「まったく。掃除が大変じゃないか」

 玄関に半分足をはみ出させたまま失神する傭兵とそれを邪魔くさそうに避けて出てくるランディさん。
 その手には、何故かお掃除用の柄の長いホウキ。

「いたぞっ!」

 ランディさんが出てきたのを目ざとく発見した敵がわらわらと集まってきますっ。
「…チッ」
 剣を抜き、ゼルガディスさんは敵陣に飛び込みました。
 わたしも遅れてはいられませんっ!
 両の拳に『霊皇結魔弾(ヴィスファランク)』をかけ、駆け出しました!
「ランディさんは中に!」
 目の前の敵を殴り蹴りしながら玄関にいたはずのランディさんに目を走らせ避難を促すと、今にも切迫する傭兵の姿がっ!
「しつこいな。おまえたちが望むものなど、存在せぬ」
 ―――ランディさんの手が返る。
 回転したホウキの先が敵の目を擦り、怯んだところでさらに半回転したホウキの柄が寸分違わず喉を突いた!
「ぐはっ!」
 どさっと重いものが崩れ落ちる音。
 その脇に立つランディさんには「私は肉体労働担当ではないんだが」という色がありありと見えました。

「あんた、棒術をこなすのか!?」
「自慢するほどのものではありません。この身一つ守るが精一杯」

 戻ったゼルガディスさんはランディさんと背中合わせになり会話を交わし、また離れました。
 わたしも一旦後退し、態勢を立て直します。
 その体裁きからみて、ランディさんが言ったのは謙遜ではなく本当のことでしょう。
 騎士団に入れるくらいは余裕でありますが、この数は苦しいのではないでしょうか。

「行きなさい」
「ええっ?」
「行ってください」

 後ろから現れたのはシャルレさん。
 言いざまに何かを投げる!

 びすびすびすびすっ

 …お箸ぃ!?
「ここは、ランディと兄とで抑えられます。行ってください」

 ぱかんぱかんっ
 げらげらげらげらげらっ
 どずっ

 また何かの割れる音。続いて不釣合いな大爆笑。
 その爆笑もランディさんのホウキで静まる。
「迷っている時間はありませんよ。アメリアさんが動けばゼルガディスさんも動きます。
 行きなさいっ!」
 敵の残り人数はあと五人足らず。
 これなら、大丈夫ですっ!行くついでに倒していきましょうっ!!

「ゼルガディスさん、行きましょうっ!」
「こら待て、一人で行くなっ!」

 わたしは急ぎ呪文を唱え、ランディさんからは少し離れたところにいた敵にぶつけましたっ。
「『霊氷陣(デモナ・クリスタル)』!」
 ぴききぱきぃんっ
 二人が固まったのを横目で確認し、すぐに『翔風界(レイ・ウィング)』を発動させる。
 ごがごぎぃんっ
 風をまとう直前に耳に入った大きなものが崩れる音。
 …たぶんゼルガディスさんです。
 ―――わたしは一度、振り返る。
 雨の中見えるのは、玄関でこちらに手を振るランディさんと片付けに入っているシャルレさん。それに屋根の上に一人座っていました。
 残りの敵も倒されたようです。

「アメリア」

 同じく飛行の呪文を唱えたゼルガディスさんがわたしの隣に並びました。
 待っててくださいリナさんガウリイさんっ!
 …待ってなさい巨悪。

 目指すは『神聖樹(フラグーン)』。
 と、ゼルガディスさんが下を指差しました。
 指されたのは聖木にほど近くの雑木林できらっと光った金色。
 視線を合わせ、頷くと。
 わたしは呪文を解き、狙い定めて重力に任せ落下しましたっ!

「直伝っ!正義注入キックあんどキィィィィィィック!!!」

                                  /続/
*********************************************************************
う〜ん、ホウキにお箸にタマゴ。わかったでしょうか。
第6話・第7話はLMではまったく出てこなかった場面です。いかがなもんでしょうか。それにしても兄出張るなぁ。
ランディと言えば、彼をこのときどうしておくかで結構迷いました。
学者肌でアメリアには「走ると思えない」を言わしめた人であるが、「伝説の剣士の直系」でもあるので、それなりのたしなみはあるのではないかと。そこで、彼には剣術ではなく棒術を習得していただきました。今回はしなかったですが、手元に何も無かったときは、止むをえずあの笛を得物として使うんだと思います。

ではでは、次回もおつきあいください。
みていでございました。多謝v





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14562生卵星ぃ☆(うそっぷ)あんでぃ E-mail 3/24-16:57
記事番号14560へのコメント


こんにちはー!!あんでぃです。
待ってましたのVol.7!!いやっほーーーい!!\(^▽^)/


リナちゃん達があのヤなヤツたちと戦っている間にこんな事が!!
読みながらめちゃアメりんたちを応援してしまいました!!


うむむ、やっぱランディさんかっこいいぞVvなどとちょっと揺れております。
あれがほうきじゃなかったらもっとかっこいいのでしょうねぇ・・・(うっとり)

今回傭兵の人たち災難編ですね。いろんなイミで可哀想な人ばかりで(笑)
お箸に追い詰められる人たちを想像すると・・・・・・v
それにしてもやはりシャルレさんは只者ではありませんでした・・・・・くのいちか?(笑)この他にもしゃもじとかフライパンとか無数に武器がありそうで・・・・(じっとり汗)
私もちょっとシャルレさん真似して練習してみたくなったり(笑)

と、ここで今さら気付いたのですが、ガブリエフ家は和風の家という事ですが、お箸もあったとは?!(気付くの遅すぎ)そうするとやっぱお茶碗もあるのでしょうか?

あと、木の上でパチンコでびしばしの方はイズさんですよね?
そして卵を乱射中☆ということで(笑)
ここで私は某少年漫画の長っ鼻を思い出しました(笑)次はタバスコ星かな?(笑)
腐った卵ならともかく、新鮮な卵だとあとでシャルレさんのスマイル攻撃がくる事は避けられませんね(滝汗)


アメりんの気付いた甘い香りってなんですかね?
気になる木〜♪もしかして前の話を読み返したら分かりますかね?
う〜ん、本気で気になります。


次回こそ!決着がつくんですね!?
楽しみに待たせていただきます!!それはさも、エサを目の前に“待て”を命じられている犬のように(笑)


それでは、うきうきでいてもたってもいられないあんでぃでした!



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14563「繰り返しのギャグというのを知らんのか…?」←このシーンだけ観たみてい 3/24-17:39
記事番号14562へのコメント

>こんにちはー!!あんでぃです。
>待ってましたのVol.7!!いやっほーーーい!!\(^▽^)/
おありがとうございますっ!そしてこんにちはみていです。

>リナちゃん達があのヤなヤツたちと戦っている間にこんな事が!!
>読みながらめちゃアメりんたちを応援してしまいました!!
合流する前は、こんなだったんです。襲った人数はこっちのが多かったんですよ。
今回ちょっと時間がかかったのは、このシーンとして考えたのが2パターンあったからでして。「知らないでいる」を選択してもらいました(ランディもそのつもりで会話をしてますが)。
よく考えるとアメリアもカードが少ないんですよねぇ。リナより少ないかも。でも「知っている」の選択はまさに『ジョーカー』ですので。
話が違うほうに転がっていっちゃいそうでしたので闇に葬りました。

>うむむ、やっぱランディさんかっこいいぞVvなどとちょっと揺れております。
>あれがほうきじゃなかったらもっとかっこいいのでしょうねぇ・・・(うっとり)
>
>今回傭兵の人たち災難編ですね。いろんなイミで可哀想な人ばかりで(笑)
>お箸に追い詰められる人たちを想像すると・・・・・・v
>それにしてもやはりシャルレさんは只者ではありませんでした・・・・・くのいちか?(笑)この他にもしゃもじとかフライパンとか無数に武器がありそうで・・・・(じっとり汗)
>私もちょっとシャルレさん真似して練習してみたくなったり(笑)
ランディは『己の武器(ガウリイなら斬妖剣)』を持ちません。…ちなみに師はヤツじゃありませんよ(重要)
シャルレさんは、最初はナイフ投げる予定でした。

>と、ここで今さら気付いたのですが、ガブリエフ家は和風の家という事ですが、お箸もあったとは?!(気付くの遅すぎ)そうするとやっぱお茶碗もあるのでしょうか?
お茶碗もお椀もあるでしょう。ただ、リナたちがいる場面で出されることは無いかも(笑)
ランディは、和食派なんです。紅茶はシャルレさんの趣味です。

>あと、木の上でパチンコでびしばしの方はイズさんですよね?
>そして卵を乱射中☆ということで(笑)
>ここで私は某少年漫画の長っ鼻を思い出しました(笑)次はタバスコ星かな?(笑)
言われて気がつきました。そう言えば使いますねぇ。
ちなみに最初の鏑付連絡してきたのもイズです。
>腐った卵ならともかく、新鮮な卵だとあとでシャルレさんのスマイル攻撃がくる事は避けられませんね(滝汗)
『腐った卵』については、裏話があります。それについてはまた何処かでv

>アメりんの気付いた甘い香りってなんですかね?
>気になる木〜♪もしかして前の話を読み返したら分かりますかね?
>う〜ん、本気で気になります。
うふふぅ(怖)前の方にもちょろっとずつ出てきてます。次の次の話くらいでたぶん答えが出せるのではないか、と。

>次回こそ!決着がつくんですね!?
>楽しみに待たせていただきます!!それはさも、エサを目の前に“待て”を命じられている犬のように(笑)
はい。『巨悪』はシメられます。あの結末にゼルが満足してくれればですが…。
話自体はもちょっと続きますよ。

>それでは、うきうきでいてもたってもいられないあんでぃでした!
ありがとうございましたっ!
次の話も是非おつきあいください。みていでございました。多謝v

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14567ランシャル(笑)!あごん E-mail 3/24-23:31
記事番号14560へのコメント

こんばんは〜、あごんですぅvv
いや本当にシャルレさんにはヤられました(笑)。
何かタダモノじゃあないとは思ってましたが(笑)。
ああっ!私ってランディさんよりシャルレさんらぶvかも(笑)。

このゼルアメバージョンってシャルレさん達(って普通はランディさん達だろう)の活躍が多くて嬉しいですv
あー、もうゼルアメいいや(笑)。
ランシャルでいきましょー(爆)!!

いえいえ、ゼルアメいいや、は嘘ですが(笑)。

ではでは!キャロメット兄妹に幸福を祈りつつ!
あごんでした!

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14570↑何のことかと1分考えました(笑)みてい 3/24-23:57
記事番号14567へのコメント

>こんばんは〜、あごんですぅvv
こんばんはです、みていでございますっ。
>いや本当にシャルレさんにはヤられました(笑)。
>何かタダモノじゃあないとは思ってましたが(笑)。
>ああっ!私ってランディさんよりシャルレさんらぶvかも(笑)。
おおおっ!?
シャルレさんは一人であの家切り盛りしてるくらいですから、その時点でかなりスゴイ人だったのかも。

>このゼルアメバージョンってシャルレさん達(って普通はランディさん達だろう)の活躍が多くて嬉しいですv
>あー、もうゼルアメいいや(笑)。
>ランシャルでいきましょー(爆)!!
ランシャルって何のことかと最初思いました(笑)
でもみていが考えてた以上にこの二人+α出張ってます。
セイルーンやゼフィーリアと同じく、この村も突出して強いのが多いのでしょうか。
>いえいえ、ゼルアメいいや、は嘘ですが(笑)。
ほっ(安心)。
この話はカップリングが3つになってしまいましたっ。

>ではでは!キャロメット兄妹に幸福を祈りつつ!
本編では出てこないと思いますが、キャロメット兄妹の掛け合いがあるのです。
どっかで出せるかなぁ。
>あごんでした!
ありがとうございましたっ!
ではでは、次もぜひお付き合いください。みていでございました。多謝。

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14596そして私は土俵際(泣)ゆえ E-mail URL3/25-23:59
記事番号14560へのコメント

こんにちは〜ゆえです♪

いや、もう何がって。強いぞシャルレさん(笑)
ランディさんはガウリイほどでもなくてもそこそこ強いとはおもってましたが・・・・
さすがガブリエフ家のお手伝いさんです。
どこかゼフィーリアと通じるものがあるんですかねぇ・・・・エルメキアって(笑)
ランディさん&シャルレさんコンビ・・・・なのかカップル・・・・じゃないかもしれないし・・・・
でもでも。この二人は最高です♪

ああっもうビールの見ながら、バソの前で
「やれやれっ!くのくのっ!」
と、花見のよっぱらいおやぢ状態です(だからのみながらするなって・・・・)

た、大変失礼いたしましたっ!

こんな私ですが、またレスしてもいいですか・・・・・・?(禁飲酒)

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14597千秋楽どうなったのかな。みてい 3/26-00:16
記事番号14596へのコメント

>こんにちは〜ゆえです♪
どもどもです。みていでございます。

>いや、もう何がって。強いぞシャルレさん(笑)
>ランディさんはガウリイほどでもなくてもそこそこ強いとはおもってましたが・・・・
あの家系ですから、多少は武芸を嗜んでるんじゃないか、と。
>さすがガブリエフ家のお手伝いさんです。
その傍系ですからまたまた少しは嗜みがあるんじゃないか、と(しつこい)
でも統一感ありませんねぇ。
>どこかゼフィーリアと通じるものがあるんですかねぇ・・・・エルメキアって(笑)
もしかしたらゼルもエルメキア出身なのではないかと勝手に想像してます。
>ランディさん&シャルレさんコンビ・・・・なのかカップル・・・・じゃないかもしれないし・・・・
>でもでも。この二人は最高です♪
TPOをきっちし使い分けているこの二人にこうご期待っ!

>ああっもうビールの見ながら、バソの前で
>「やれやれっ!くのくのっ!」
>と、花見のよっぱらいおやぢ状態です(だからのみながらするなって・・・・)
桜の開花宣言出ました。うちの近所でもちらほら咲いています。梅は満開ですっ!
>た、大変失礼いたしましたっ!
にゃう。

>こんな私ですが、またレスしてもいいですか・・・・・・?(禁飲酒)
構いませ〜ん。また来てくださいっ。

ってアレっ!?HPが出来てますかっ!?
すげー、行ってこようっ!

ではでは、今度はゆえさんのHPにて(笑)
次の話もお付き合いくださいませ。みていでございました。多謝。

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14604Messenger8 「英断」みてい 3/26-10:23
記事番号14560へのコメント
どうもです。『Messenger』も第8話。
8話といえばあやつはシメられるんですけども、奴をみていは某宮崎アニメの「ムスカ」をイメージしてました。よくよく見ると、それっぽいこと言ってます。
それにしても今回のゼルもガウリイも何だか怖いぞ…?

ではでは、第8話、おつきあいください。
**********************************************************************


【英断】


――― He who gives fair words feeds you with an empty spoon.
                                 〔故事〕
***************
 雨、だ。
 この季節にしては冷たすぎる、雨。

「直伝っ!正義注入キックあんどキィィィィィィック!!!」

 気合一発自由落下していくのはアメリア。
 目掛けるは、ガウリイを迎え撃ったジャイル。
 
 がすっ
「まだですっ!」

 ガウリイが紙一重で下がり、奴は悪運強く肩口を掠るだけに終わった第一撃。
 アメリアは着地の反動をも利用し、両手に重心を移動して下から蹴り上げた!

  どかあああああああああんっ

 海老が後ずさるような体勢になり大きくぶっとばされるジャイル。
「アメリアっ!」
 リナが待っていたとばかりの声をあげる。
「これに懲りて、これまでの言動を改めるのですっ!」
 びしいっと雑木林の外を指し勝利の決めポーズをするアメリアを横目に、俺は湿りきった苔の上に降り立つ。
「間に合ったようだな」
「ゼル!…ランディは…?」
「心配無用だ。まぁ後の片づけが大変かもしれんが」
 寄ってきたガウリイにそう伝えると瞬く間に安心したように息を吐いた。
 ―――屋敷を出るときには、すでに『お客さん』は全滅していた。
 …彼らがあそこまで腕が立つとは予想外だったがな。
 ガウリイの向こうでリナもほっとした表情になっている。

「―――そんなっ!?」

 いつの間にか追って行ってたらしいアメリアの愕然とした声が響く。
 俺たちも急ぎ雑木林を抜ける!
「馬鹿な…」
 声が漏れた。
 言ったと自覚したのは、己の声が耳に届いてから。

「アメリア王女、下賎な振る舞いをするのは感心できませんな」

 さしたるダメージすら感じさせず、悠然と立つ男。
 アメリアに蹴られてなおダメージを受けてないのかっ!?
 呆然とするアメリアの前に立ち、俺は呪文を放つ。

「『青魔烈弾波(ブラム・ブレイザー)』!」

 緑の閃光はまっすぐ鳩尾――アメリアの蹴り上げたあたりに目標を定める。

  びうぅっ  ぱきぃん…

「弾かれたっ!?」
 片目を細めたリナ。
 精神世界(アストラル・サイド)と物質世界の両方に影響する緑の矢は、ジャイルに到達する直前にわだかまり、弾けた。
 ―――高度の魔力結界か?

「種明かしをしてやろう」

 俺たちの反応に気を良くしたか、奴はその傲慢さを十二分に発揮し『説明』を始めた。
「おれの身に付けている鎧はさる高貴な方から直々に賜った代物で、精霊魔法を無効化し物理攻撃を吸収するはたらきをする。つまり、おまえたちの攻撃は通用しない。
 …て、なんだ。その揃いも揃っての露骨なツラは」
「よくいんのよね。アイテムの能力を自分の実力と勘違いして居丈高になるヤツが」
 間髪入れずのリナの突っ込みに俺たちは大きく頷く。
 …正しく言い直せば、「おれは鎧の保護が無ければ戦えんのだぞハッハッハ」って宣言してるのと代わりない。
 一度でも奴を過大評価した自分が腹立たしい。

「だが、おれに魔法が通じないことには変わりない。どうするね。この『神聖樹(フラグーン)』のすぐ傍で黒魔法を使ってみるかね?」
 
 挑発してくるジャイルの後ろで大きくさざめく『神聖樹(フラグーン)』。
 その距離はまだあるが、どう影響してくるかわからん。
 俺は頭をフル回転させ、一つの可能性に気が付く。
 素早く視線を走らせた。

「そーねぇ。試してみようかしら」

 リナが一歩、前に出る。
「ほう、どうくるつもりだ?」
 ガウリイが動く。
 ジャイルの視線がガウリイに流れる。
「何のつもりだ?まさかこんなものが聞くとは思っておるまい」
 放たれた指弾をたやすく避け、嘲笑するジャイル。
 ―――リナと俺の詠唱が完了する!

「『魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)』!」
 リナは地面に手を叩き付ける。
「『地撃衝雷(ダグ・ハウト)』!」
 ぞんっ
「何ぃっ!?」

 リナの呪文により紅く光を帯びた地面が土槍となり、ジャイルの足元に出現する!
 虚を突かれた奴は飛びずさるが、この呪文にはアレンジを施し意のままに操れるようにしてある。
 土槍は奴の軌跡を辿るように連なり続ける!

  どずむっ

 ぬかるんだ地面に足を取られたのを見計らい、四方八方から土槍を生じさせる。
 ―――手ごたえは、あった。
 ―――だが、仕留めた感覚は、無かった。
「やりましたかっ!?」
 アメリアの上ずった声。
「まだだ」
 ガウリイの低い声。

  ばこおおおんっ

 …フン。
 爆音とともに土の槍は砕け、中からジャイルが現れる。
 切り崩したのではないから、少しは魔道の心得があるらしい。
 相変わらずダメージを受けてはないようだが――収穫はあった。
 奴ご自慢の鎧の端々にうっすらと見える赤い筋。
 ―――すなわち、魔力容量の上限。

「ほぉ、終点が『神聖樹(フラグーン)』とは上出来じゃないか」

『神聖樹(フラグーン)』を背に構え、宣誓するように俺たちを見下ろすジャイル。
 幹に触れられた聖木は、喜ぶかのようにざわめいた。
 …『喰って』いるのだ。
 ジャイルの欲望を。
 俺たちの放つ負の感情を。
 ―――恨んでいたのか、あいつを。

「最期に訊いてやろう、ガウリイ。その剣、おれに渡せ」
「断る!」

  ガキィンッ

 ジャイルが言い放つ。
 ガウリイが吠える。
 二人の男が剣を交える。
 一合、二合、三合と刃が合わされる。
 防戦なのはガウリイだった。
 向けられた軌跡を剣の腹で流し、または弾いている。
「どうした、こんなものかっ!」
 剣の腹で攻撃をしのぐガウリイに浴びせられる挑発。
 …何をやっている?
 ジャイルのウデは評すれば上の下くらいだろうが、ガウリイのウデは思い切り規格外だ。どうひっくり返ったところで適う相手ではない。
 それにガウリイの得物である『斬妖剣(ブラスト・ブレード)』。
 リナが言っていたとおりの非常識極まる切れ味をしていた。何せ投げられた石を団子のようにいくつも刺してみせるんだからな。
 それほどの得物を持ちながら、それだけのウデを有しながら、何を戸惑う?
 この角度からではその前髪に邪魔され表情を知ることは出来ないが、ガウリイの太刀筋からはいつもの精彩が感じられない。
 ―――まさか、この期に及んで身内だからと甘い情けをかけているのではあるまいな?
「ちぃっ!」
 大きく飛びずさり、距離と間合いを計るガウリイ。
「やはり癖はぬけておらんようだな。もらったぞガウリイ!」
 勝ち誇るジャイル。
 …かつて対戦したことがあるのか?
 剣を払うように振るガウリイにリナが何やら問い掛けている。
 おそらくその体たらくを問いただしているのだろう。

「切れ味が、悪すぎる…」

 風に乗って聞こえた答えは。
 小さいながらも聞き取ることの出来た声は、俺のまったく予想に反することだった。
 どうしたと言わんばかりに剣を揺らすジャイルの後ろで『神聖樹(フラグーン)』が一際大きくざわめいた。
 ―――そういう、ことか。
 事態に気づいた俺はぎりっと歯軋りをした。
 リナが言っていた。
 あの剣は、切られる対象物とその周りに満ちた『魔』を吸収することで切れ味を上げていると。
 その名のとおり妖かしのものに対してその威力を発揮する剣。
 しかし、この場では、『魔』を糧として生きる『神聖樹(フラグーン)』の下であるこの場では、その特性が仇になる。
 …皮肉な話だ。
 俺が自分の剣を代わりに貸そうと手を動かすと、あいつは目だけで拒んだ。

「行ってくる」

 通常の正眼の構えから刃を水平にすることで突き重視の構えに転じたガウリイが再び奴と交錯する。
 切れ味に頼るのをやめた証拠でもあり、己の太刀筋を知っている相手への対策でもある。

「構えを付け焼刃で変えたとて…何っ!?」

 先程とは打って変わり防戦に回ったのはジャイル。
 寸分違わず繰り出される突きに翻弄されている。
 それでもまだ攻めあぐねているのは、刺すこともできないほどに決定打が出ないのか、それともまだ迷っているのか。

  がざざざざざざざあ…っ

『神聖樹(フラグーン)』がざわめく。否、どよめく。
 木自体が震えるかのごとく。

  ぎしっ

「ゼルガディスさんっ!」
 アメリアの叫びに反射的に聖木を仰いだ。
 指差されたその先で一抱えはありそうな太い枝がみるみる枯れていく!

  べきべきべきばきいっ!!

 まずいっ!

「ガウリイ!」
 リナの悲鳴。

 引き裂かれるように折れゆく枝の下にはガウリイとジャイル。
 見上げること無く異常に気づいたガウリイがその場を離れようとするが、ジャイルがそれを許さない。

「ガウリイさんっ!」
 アメリアの悲痛な声。

 奴が潰されることに関しては一向に構わんがガウリイも巻き添えにされるのをただ見ているわけにはいかんっ!
 急ぎ呪文を詠唱するが、あれだけの大物、何なら砕ける!?
 
 ―――すでに枝は重力に身を任せている。
 小枝は回りの枝葉を払い落とし、巻き込みながら折れてささくれた先を見せる。

「ガウリイ!!」
 詠唱は、中断した。
 最悪のビジョンを振り払うかのように、俺は無意識に叫んでいた。
 同時に、轟音とともに地面に落下すると思われた枝が突風となって俺たちを襲った。
 ―――この感じは…瘴気!

「『爆烈陣(メガ・ブランド)』!!!」

 堪えながら注視すると、風は落ちてきた『神聖樹(フラグーン)』そのものだった。
 見る間に掠れ消えゆく枝の真下をリナの呪文が直撃、地面が局地的な爆発を起こした。
 爆発の中心へガウリイはジャイルを蹴り込み、
「ぐわああああああっ!」
 モロに喰らったのだろう、叫び声が響く中、ガウリイ自身も粉塵の中へ飛び込んだ。

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああっ」

 最後の一凪ぎが土煙をかき消す。
 ようやく見えるようになった『神聖樹(フラグーン)』の下。
 殺意すら放たず、冷酷に足元で転げまわる男を見下ろすガウリイ。
 過信した鎧のなれの果てを身に引きずり、右腕を失って悶絶するジャイル。
 ―――結果は、明白だった。
「無様だな」
「ひ、ひぃっ」
 薄紫に鈍く光る斬妖剣の腹がジャイルの首を撫でる。
「助けてくれっ!同じ血の流れる…っ」
 …何を今更ほざく。
 命乞いはより強く押し当てられた剣により封じられる。
 ―――終わりだな。
「アメリア」
「は、はいっ?」
 奴の首に死神の鎌を掛けながら、ガウリイはアメリアを呼んだ。
 突然呼ばれたアメリアは面食らっている。

「回復してやってくれ」
「ええっ!?」

 信じられないという表情のアメリア。
 こんな奴に情けをかけるつもりかっ!?
「何を甘いことを言っている!」
「…ゼル」
「こういう奴は、今仕留めておかんと何度でもやってくるぞ!」
 おまえがやらんのなら俺が殺る。
 そのつもりで剣に手をかけた。否、かけようとした。
 一旦ジャイルに視線を落とし続いて俺を見たガウリイは、初めて見る酷薄な表情で嘲笑った。
 …手は結局、のろのろと下ろすしかなかった。
「アメリア、頼む」
 依頼に返事をしようともせず、アメリアはぶーたれまくりながら回復呪文を唱えた。
 切り飛ばされたはずの右腕は何処にも落ちていない。あの爆発で砕けたか、もしくは――俺はそこまで考えて、考えるのをやめた。
 彼女が唱えているのは『治癒(リカバリィ)』。己の体力と引き換えに回復を促す術だ。
 体力を消耗しない『復活(リザレクション)』じゃないところがアメリアの気持ちの表れだろう。

「ガウリイ、礼を言うよ…」
 かなりの疲労度を色濃く湛えたジャイルはガウリイに媚びるように手を伸ばした。
 ガウリイは術が途切れるまで引かなかった剣を下ろしたが、その手を触れさせることも無かった。
 ぱんぱんと埃を叩き、アメリアが立ち上がる。

「わたし、あなたのこと忘れません。仕官したいときは言ってくださいね。手を回させていただきます」

 そう言ったアメリアの表情はいっそ爽やかで。
「こ、殺せ!」
 言葉の裏に秘められた真意を悟った奴の表情が蒼褪める。
 つまりは、こういうことだ。
『仕官しようたって無駄。あなたはわたしを敵に回したのだから』
 権威を何より愛するこの男にとって、これほどの辛酸と屈辱は無いだろう。

「死にたければ死ぬがいい。貴様にそれだけのことができるならな」

 ガウリイが言い捨てる。
 ―――普段は穏やかなその青い眼が『そのプライドを後生大事に生き地獄を歩め』と言っているような気がした。

 帰り際、ガウリイが一度だけ振り返り、『神聖樹(フラグーン)』に向かって呟いた。
 テラ、と。
 ―――それが、弟の名か。ガウリイ―――
 雨は止んでいた。
 風にそよぐ聖木が、やっと昇ってきた朝日の反射を受け、優しく煌いていた。

                                  /続/
*********************************************************************
…………………………い、いかがだったですか?(びくびく)

ゼルはジャイルとガウリイ&リナの会話を聞いてないので推測飛びまくりの介(?っ)の部分もあります。でも鎧に関してはリナ以上の洞察力してました。
途中、ゼルがガウリイの行動をいぶかしむ場面がありますが、かつてレゾ=オリジナルと戦ったときとちょっとタブってしまってたのかもしれません(レゾを追い詰めたあのとき、彼は一回情けをかけてます)。実のところはぜーんぜん違ったんですけども。

あ、冒頭に出しました英文は、「巧言を用いるは空匙で食わすもの→巧言令色、鮮(すくな)し仁」という訳になります。
「巧言」は巧みな言葉遣い、「令色」は顔色を良くすること。すなわち見せかけを良くして表面を取り繕うこと、そういう者には人として最大の徳である「仁」がかけていること、という意味です。
なんか、奴(ゼルもなかなか名を出さなくなった)みたいじゃないスか?

今回ほっとんど出番の無かったアメリア、次回は「かりかりアメリア」になります。
「甘い匂い」の謎まで行けるだろうかとどきどきしつつ。

ではでは、みていでございました。
次もぜひご贔屓に賜りたいです。多謝。



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14645納得。砂緒 E-mail 3/27-19:09
記事番号14604へのコメント

こんばんは、砂緒です♪

みていさまの連載はいつも、テスト週間とかぶっちゃいます(笑)
いつもテストがあるか、はたまたいつもみていさまが連載してるのか・・・・・・(笑)

>8話といえばあやつはシメられるんですけども、奴をみていは某宮崎アニメの「ムスカ」をイメージしてました。よくよく見ると、それっぽいこと言ってます。
あ〜、そういえばムスカって最後どうなったんでしょーねぇ。
しぶとく生きてるんでしょうか?(死んだっぽいパターンだけど)

>「ゼルガディスさんっ!」
> アメリアの叫びに反射的に聖木を仰いだ。
> 指差されたその先で一抱えはありそうな太い枝がみるみる枯れていく!
じつをいうと、これを読んだ後で『LegendMaster』の8話を読んだんですよ。
そしたらやっぱりアメリアが「ゼルガディスさんっ!」って言ってました。(当たり前だって)
でも、交互に読んでいくのって、おもしろいです。
>ゼルはジャイルとガウリイ&リナの会話を聞いてないので推測飛びまくりの介(?っ)の部分もあります。でも鎧に関してはリナ以上の洞察力してました。
こーゆー所とか、比べてみたりして。それで、妙に納得してしまいます(笑)

>あ、冒頭に出しました英文は、「巧言を用いるは空匙で食わすもの→巧言令色、鮮(すくな)し仁」という訳になります。
『empty』ってどーい意味だったっけ・・・・・・とか考えてました。
英単語の勉強になりました♪

ではでは。次回も楽しみにしてます!


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14658ほっ。みてい 3/27-23:45
記事番号14645へのコメント

>こんばんは、砂緒です♪
こんばんは、みていでございます♪
>
>みていさまの連載はいつも、テスト週間とかぶっちゃいます(笑)
>いつもテストがあるか、はたまたいつもみていさまが連載してるのか・・・・・・(笑)
う〜ん、どっちなんでしょう。どっちもアリって気がします(笑)

>>8話といえばあやつはシメられるんですけども、奴をみていは某宮崎アニメの「ムスカ」をイメージしてました。よくよく見ると、それっぽいこと言ってます。
>あ〜、そういえばムスカって最後どうなったんでしょーねぇ。
>しぶとく生きてるんでしょうか?(死んだっぽいパターンだけど)
あっけなく海の藻屑になったと踏んでます。

>>「ゼルガディスさんっ!」
>> アメリアの叫びに反射的に聖木を仰いだ。
>> 指差されたその先で一抱えはありそうな太い枝がみるみる枯れていく!
>じつをいうと、これを読んだ後で『LegendMaster』の8話を読んだんですよ。
はうっ(テクニカルヒット)
>そしたらやっぱりアメリアが「ゼルガディスさんっ!」って言ってました。(当たり前だって)
>でも、交互に読んでいくのって、おもしろいです。
>>ゼルはジャイルとガウリイ&リナの会話を聞いてないので推測飛びまくりの介(?っ)の部分もあります。でも鎧に関してはリナ以上の洞察力してました。
>こーゆー所とか、比べてみたりして。それで、妙に納得してしまいます(笑)
いひゃあ〜(冷や汗)
し、視点が違うので表現や考え方・感じ方が違うと好意的に受け取ってください。
誤魔化しようの無い矛盾を見つけてしまったとしても…(無いと思うんですが/大汗)

>>あ、冒頭に出しました英文は、「巧言を用いるは空匙で食わすもの→巧言令色、鮮(すくな)し仁」という訳になります。
>『empty』ってどーい意味だったっけ・・・・・・とか考えてました。
>英単語の勉強になりました♪
ことわざ・故事事典とにらめっこでした♪

>ではでは。次回も楽しみにしてます!
ありがとうございました!
次は反動出まくりで甘いです。あまりのギャップに仰け反るかも(LMでも同じ事が言えちゃうんですが)

ではでは、みていでございました。
次回もおつきあいください。多謝v

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14662Messenger9 「誓約の花束(前編)」みてい 3/28-00:42
記事番号14560へのコメント

どうもです。みていでございます。
第8話とは打って変わってのあまあまらぶらぶほのほの路線まっしぐらの第9話でございます。

ではでは、おつきあいください。
**********************************************************************


【誓約の花束(前編)】


―――純粋なる姫に託された息吹
―――願いとともに新たなる地へ根付く
―――かつて聖木と呼ばれしその樹は
―――その名を知らぬ者たちにより
―――今も そして未来永劫
―――優しい影を 落としつづける
                                 〔譚詩〕
*************************

「明日、お願いします」
 意を決し、わたしは伝えました。

*************************
 あの苦々しさしか残らない戦いから家に戻ると、ランディさんの計らいでお風呂の準備ができてました。
 シャルレさんに背中を押され、入らせてもらったのは外風呂。
 ゼルガディスさんたちは普段から使用している内風呂だそうです。
 ちゃぷ。
 冷えた足先に温かさが染み込みます。

 ばしゃああああああんっ

「リナさぁんっ、気持ちいいですよ〜っ♪」
「飛び込むんじゃないっ。……………………ていっv」

 ざぱああああああんっ

「リナさあん」
「あんたが勧めるから応えただけよ」
 跳ね上がった湯を頭から被ってしまい、非難の目を向けてもリナさんはそ知らぬ顔。
「お返しですっ」
「何おっ」
 そのままなし崩しにお湯かけ合戦へと突入してしまいました。

 ぱしゃんっ

 ふと、リナさんの手が止まりました。
 魅入られたように見つめていたのは天井から見える(なんとガラスが嵌まってるんですっ)青い空。
 雨が過ぎ、どこまでも続きそうな青い蒼い空。
 リナさんは、しばらくずっとその青を見ていました。
 …とぷん。
 わたしは邪魔をしないよう、静かに首まで浸かって。
 空の色を溶かし込んだ湯は、この角度から見ると湯船の色と相成って透明なんですけど深い緑色。
 ゆらゆら揺れる水面が風を受けてさらさらとなびく森の葉みたいで。
 ―――あったかいです。
 
「ああ゛っ!?こらアメリア、風呂で寝るんぢゃないぃっ!!」
****************
 ―――話すことなんてほとんど無いわ。
 そう言ったリナさんはあの人の目的と結末を手短に話しました。
 その中でわたしの知らない単語が一つ――『もう一つの光の剣』。
 あの人が求めたもの。
 ゼルガディスさんもこのことは知らなかったようで、追究はしなかったものの驚いてました。
 ガウリイさんは、穏やかな顔をしてました。ここに来て、ようやく見られた気がします。
 話の間、真っ直ぐリナさんを向いていたランディさん。
 終始無言のその姿勢は総てを現実として受け入れるという若き現当主の威厳のようなものが感じられて。
 ―――今日はゆっくり休んでください。
 リナさんの話が終わり、一呼吸置いてからランディさんはそう言って頭を下げ、部屋を出て行きました。

「ランディさん、どこでしょう…?」

 時間としてはお昼が近いんですが、部屋に戻ったきりリナさんとガウリイさんは出てきません。
 ゼルガディスさんと相談して、お二人だけにしてあげることにしました。
 わたしはと言うと、ゼルガディスさんの隣であの魔道書を読んでいたんですが。
(ごめんなーアメリアちゃ…もとい姫様。ちょっとイイ人貸りていきますよって)
 少し前に来たイズさんと相談があるからって行っちゃいまして。
 イズさん、あの襲撃のときパチンコで援護してくれた人だったんですよっ。正義の応援団ですっ!
 閑話休題。
 とにかく、ゼルガディスさんが構ってくれない、じゃなくて相談に行ってしまったので、わたしはランディさんを探すことにしました。

 ――――――。

 あ、話し声です。
 家の中でも奥まった厨房に程近くからランディさんとシャルレさんの声が聞こえます。
「その溜め息、どうにかなりませんか」
「今回ばかりはどうにも疲れてね…」
 僅かに開いていた戸の隙間から見えたのは昼食を準備するシャルレさんと、ダイニングテーブルに片肘をつき、半分顔を隠すようにして頬杖をついているランディさんでした。
「それにしては嬉しそうではないですか」
「そうとも言うかな」
 このお二人って、主従関係だけじゃないんでしょうか。
 ―――なんて表現したらいいのかわかりませんが、とてもいい感じなんです。

 ころぽて。

「アメリア様。偵察活動中ですか?」
 体重をかけてしまい、内開きだった戸はそのまま全開になり、つられてわたしも中に倒れこんでしまいました。
「そそそそそそ」
「…そんなつもりはなかったんですが、ですか?」
 こくこく。
 ランディさん、笑い堪えてますねっ。ひどいですぅ。
「何か用でもおありでしたか?」
 まだ笑うの堪えてるうっ!
 促されたわたしは身体を起こし、埃を払って真っ直ぐランディさんを見据えました。
 察したランディさんはすっと笑いをおさめ、現当主としての顔でわたしの前にやってきました。

「明日、お願いします」

 この村に来た目的。
 あの始末をつけられた今、わたしの為すべきこと。
 ―――聖木『神聖樹(フラグーン)』の株を受け取ること。
「確かに、請け賜りました」
 胸に片手を当て、ランディさんは応えてくれました。
********************
 かりかり。
「リナさん」
 かりかり、かり。
「リナさんてば」
 かり。
 晩ゴハンさっき済んじゃいましたよー。
 来ないと踏んでいたのかわたしたちの分しか無かったですけどー。
「遊びましょ〜。リナさぁん」
 かりかり。
 あ、戸をかりかりしてるのはノックするとうるさいからという配慮です。
「リ・ナさぁん」
 かちゃ。
「…何よ」
「こんばんは、お月見しましょ☆」
「月見ぃ?」
 けだるそうに出てきたリナさんは夜だとようやく気がついたようにきょろきょろしました。
「いいじゃないですかぁ、しましょしましょしましょしましょ〜〜〜っ」
「あんたはお子ちゃまかああああっ」
 服の裾をはしと掴んで左右に振ると、リナさんが小声で怒鳴りました。

 どこに行くのかと訊かれたので屋根の上ですっ!と答えたら却下されてしまいました。
 せっかくゼルガディスさんのカバンからビニールシート借りてきたのに。
「ゼルは何してるの」
「魔道書読みながら寝ちゃってました」
 わたしも魔道書を読んでいて、ふと見ると胡座かいた膝の上に開いた本を乗せたまま、万年筆を握ったままうつらうつらしてました。
 数回声をかけたんですが、結局睡魔に勝てなかったようです。
 しばらく寝顔を眺めて、耳をつついて(つつくとぴこっと動くんですっv)たんですけど、あまりにも気持ちよさそうに寝てるのでやめました。
 万年筆を手からそっと外して、魔道書も側に置いてあった緑水晶のしおりを挟んで下ろしました。
 ―――持っててくれたんですね。
 毛布を運んできて、押しても転がってくれないので頭から被せて。
 それからリナさんのところにやってきました。
「あああああああああっ」
「んにょわああああっ!?どうしたんですかリナさん近所迷惑ですよっ!?」
「魔道書よおっ!!」
「へっ?」
 言うが早いか翔風界(レイ・ウィング)ですっ飛んでってしまうリナさんを、わたしはわけがわからないまま追いかけました。

「すぐ戻るから待ってなさい」

 到着したのは『神聖樹(フラグーン)』の下。
 リナさんはわたしに言い置くとよじよじと聖木に上っていきました。
 高い所に行くならわたしもついていきたかったのに〜。
 ―――手持ち無沙汰になったわたしは、あらためて周りを見渡しました。
 誰がやったのかわかりませんが、戦いの傷痕はほとんど残っておらず、なだらかな地面に戻っていました。
 空を洗われ遮るものの無い月光が大地に影を、影には銀閃光を流しています。
 この『神聖樹(フラグーン)』の下にも、数条の光か零れていて。
 まるで、聖木自身が零しているみたいで。
 わたしは呼ばれるように幹に頬を寄せました。

 がささっ とさ。

「あ、お帰りなさい」
「あんたこそ何してんのよ」
 上からリナさんが降ってきました。
「ええ〜…、懐いてます。」
 名残惜しさすら感じながらわたしは木から離れました。
「木に懐くの?」
「木にだって性格があるんですよ」
「へぇ…?」
 ―――シルフィールさんが少し寂しそうに言ってました。
『神聖樹(フラグーン)』は、人が生きる限り枯れることはない、と。
「この木は、優しいです」
 でもそれは、言い換えれば人々の悪しき心を少しでも和らげてくれてるんじゃないでしょうか。
「…そうね」
 同時に見上げた聖木『神聖樹(フラグーン)』は、とても綺麗でした。

「リナさんは上に何しに行ってたんですか?」
「これ取りに行ってたのよ」
 見せてくれたのは数冊の魔道書。茶色い表装が少し濡れちゃいましたが、中身に影響はまったく無かったとリナさんが微笑みました。

 ―――家の前で、ゼルガディスさんに出会いました。
 これからイズさんと一緒に『噂』を流しに行くのだそうです。
 昼の相談はこのことだったのですねっ。
 巨悪が滅びたことを、万民が知ることになるのですっ!
 どんな噂を流すのか訊いたんですけど、どうしても教えてくれませんでした。
*************************
「ひどいぞ〜、リナ」
「あんたがいつまでもくーかくーか寝てるのが悪いのよ」
「今度はソバージュか…」
「何色のリボンにしますかっ」
 うぷぷっ♪
 ダメですよぉ、せっかくのリナさんとわたしの力作なんですからブラシ入れちゃあ。
 でもどーして似合ってしまうんでしょう、ガウリイさん。
 今度ゼルガディスさんの頭に花刺してみましょうっ!
 意外性が受けるかもしれませんよっ!
「紅茶です」
 シャルレさん、わたしたちの好み全部把握して煎れ方変えてくれるんですよっ。
 …でも昨日からどうしてカップにフタがついてるんでしょう…?
「さて、それはさておいて」
「さておくな」
「しくしく…」

 ―――もう、何度も来たこの場所。

「お願いします」

 聖木の下、わたしの依頼に応えてランディさんは頷き、常に持ち歩いている横笛を手に取りました。
「当家には、役割がありました。
 魔を滅す『光の剣』を継承し有事の際の使用を惜しまぬこと、魔を吸収し成長する『神聖樹(フラグーン)』の守(も)り人たることを」
「守り人?」
 ゼルガディスさんが問います。
「『神聖樹(フラグーン)』は、その特殊性から無闇にあちこちに植えることはできません。誤れば、世界のバランスが崩れてしまいます」
 この聖木の特殊性。
『魔』を吸収し、成長すること。そして結実せず、枝を切り取ろうにも母体から離れた瞬間に風へ還ってしまうこと。
 ―――それがたとえ、自ら折り落としたものだったとしても。
 無計画に植えられないというのは、『神聖樹(フラグーン)』自体が大きな結界を作ってしまうからではないかとわたしは考えています。
 結界というものは、同属性のものを拠点として扱うのが主とされています。
 糧さえあればかつてのサイラーグのものの大きさまで成長できる容量(キャパシティ)を内包したこの種は、引き合う強さもおそらく段違いで。
 もし、結界に歪みが生じたら。または正しく結界が作用しなかったら。
 その中に、周りに在する地域に影響が出てしまうでしょう。
 まだ他に考えられるかもしれないですけども、ないがしろに出来る要素ではありません。
「そこで守り人が必要と認めたときのみ、株分けを可能にするための手段を講じました。
 …それが、これです」

 コキン。

 手にした横笛を捻り、分割されたその先から現れたのはものすっごく純度の高い水晶のような透明度を持つ小さな片刃。
 ―――きっとこれが、リナさんの言っていた『もう一本の光の剣』なんですね。
「この刃で切ったもののみが、枯れることなく新たな地へ赴くことができます」
 刃の付いてない方を腰に差し直し、ランディさんは浮遊の呪文を唱えました。
 その神聖な作業を、わたしたちは黙って見ていました。

「お待たせしました。三本が、限度です」

 わたしの前に三本の枝が差し出されました。
 …伝説の末裔から、聖王都の王女へ。

「たしかに、受け取りました」

 貴重な、いいえ大切な三本の枝は、ランディさんからわたしの手に渡っても風に還らず、切り口も鮮やかにみずみずしいままで。
 この木の、まさに分身というべき命の結晶。
 わたしは折らないようにそっと両手で枝を包み込み、それから聖木に感謝して。

「おっと」

 いつもそこにいてくれたゼルガディスさんに飛びつきました。
 さぁっと春の風が流れていきます。
 撫でてもらえる頭がとても心地良くて。
 ―――あったかい。

「あいつら、気をきかせたつもりか…」
 苦笑雑じりの声が上から降ってきます。
 気がつくと、この場にはわたしとゼルガディスさんしかいませんでした。

「アメリア」
「はい?」

 ちょんv

 顔を上げた瞬間、右の目尻にゼルガディスさんの唇が触れました。
 ぽぽぽぽぽぽぽぽっ
 …うひゃあ、まばたきするたびに感触が甦ってきますうぅぅぅぅっ!

「まあ、お若くて」
「ひょわああああああああっ!?」
「わわわあっ」

 まったく予期しないタイミングでまったく想像してなかった人がわたしとゼルガディスさんを見ていました。
 …大量のニンジンさんを抱えたシャルレさんと、枝を握ったわたしと、わたしの頭に手を乗せたゼルガディスさん。
「どっどっどっど」
「どうしてここに、と言いたいらしい」
「実家に戻った帰りです」
「じっじ」
「実家ってどういうことですか、と言いたいらしい」
「菜園へ収穫に。人参はこちらのがよく獲れますので」
 前の白菜さんもご実家の菜園産だったんでしょうか…。
「俺たちを冷やかしに来たのか?」
「いいえ道すがらです」
 にっこりとシャルレさん。

「冷やかすと言えば、気になりませんか?」

                                  /続/
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下手するとLMよりも反動が凄いか…?
忘れてました今回の小ネタ。『アメリアに遊ばれるゼルガディス』でしょうか。あとはカップですね。

いくつか解説をさせてください。
まず、アメリアとリナが入った外風呂。天井がガラス張りとありましたが、ちゃんと外からは覗けないように特殊加工されてるんですよ〜。さらにどうやったのか鳩や雀が激突ぶちかましても割れないくらいの強度はあるらしいです。
それから聖木がいくつも植えられないわけですが、アメリアはリナと違った観念から一応納得してます。…根本は同じなんですけどね。

次回はゼル視点なんですけど、ガウリナの告白シーンは大幅にカットすると思います。『甘い香り』の謎も次回解けます。
…………終わるか、あと一回で。もしかしたらエピローグがつくかもしれません。まだ書いてないので何とも言えないのですが。

あ、この話にも番外編がつきます。

ではでは、是非とも最後までおつきあいください。みていでございました。多謝v


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14668ゼル、かわいすぎですよvほんとに!!あんでぃ E-mail 3/28-11:23
記事番号14662へのコメント


こんにちは!!
笑○犬(伏せ字になっていない/汗)のジョ○ーさんが某黒魔術師のカッコに見えてしょうがないあんでぃです(殴)
前回はレスで来ませんでしたが、もううはうはでした!!


ゼルの耳がぴくぴくする所が私のツボですv
もうゼル元の体に戻っちゃだめだぁ〜!!
あのぷにぷにのにくきゅうもどことなーくエルフを思わせるぴくぴくお耳も私には捨てられません!!


しかし、リナちゃん&アメりんが入っていたあのお風呂!!すっごくうらやましいんですけど・・・・
ランディさんちはその辺りの高級旅館よりもずっとずっと豪華なおうちv


私的なすっごくアホな事を思いつきました。
刃物マニアのレミーさんの持っていた『異国風のカルマ君』って刀みたいな形でしたよね?
そしたらあれの原産地(?)はエルメキアですか?!さすがレミーさん、刀のためならどこまでもって感じですか?


>「冷やかすと言えば、気になりませんか?」

しかしシャルレさんのこの一言!!
言い出しっぺはシャルレさんだったわけですねぇ(にやり)私はてっきりアメりんが言い出しっぺだと思っていたので・・・・・(笑)
話が進むたびに出る、シャルレさんの裏の顔(?!)とゼルのカバンの中身の秘密がv


>次回はゼル視点なんですけど、ガウリナの告白シーンは大幅にカットすると思います。『甘い香り』の謎も次回解けます。

噂を流しに行くフリをしてこっそりアメリアのためにお菓子の家を建築中あったゼル!!
しかし、やっと完成してアメりんを連れて行ってみるとそこには!!
満腹満足の村の子供たちが!!
なんてアホな話はないですね・・・・・・

あと少しで終わってしまうのが、さみしーです・・・・・
でも、番外があるとの事で!!そちらも楽しみに待ちます!!
もしかして番外って腐った卵たちの事ですか?

それでは!短いですが、あんでぃでした!!

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14681そぉっけーないけれど、気まぐぅれ〜だけれど♪みてい 3/28-16:16
記事番号14668へのコメント

>こんにちは!!
>笑○犬(伏せ字になっていない/汗)のジョ○ーさんが某黒魔術師のカッコに見えてしょうがないあんでぃです(殴)
こんにちはです。昨日カラスの襲撃を受けてテレビのアンテナが倒れてしまい、フジと中京(日本)しか見れなくなってしまったみていです。
>前回はレスで来ませんでしたが、もううはうはでした!!
前回と今回ではギャップがものすごいでしょ(苦笑)

>ゼルの耳がぴくぴくする所が私のツボですv
>もうゼル元の体に戻っちゃだめだぁ〜!!
>あのぷにぷにのにくきゅうもどことなーくエルフを思わせるぴくぴくお耳も私には捨てられません!!
ゼルを動物に例えるなら、猫科の…豹とかでしょうか。気難しくてなっかなか気を許してくれず一匹狼的なとこがありますが、認めた存在にだけ隙というかなごなご(?)したところを見せてくれるという…。猫飼ったことないので想像ですけども。

>しかし、リナちゃん&アメりんが入っていたあのお風呂!!すっごくうらやましいんですけど・・・・
>ランディさんちはその辺りの高級旅館よりもずっとずっと豪華なおうちv
ランディさんは『お役目』柄出歩くわけには行かないので、だったら家にこしらえたれって造ったのではないかと(笑)。小ネタ中の小ネタですが、あの広いお家には忍者屋敷もかくやってくらいの仕掛けがあるのですvちなみにこれは彼作ではありませんvv

>私的なすっごくアホな事を思いつきました。
>刃物マニアのレミーさんの持っていた『異国風のカルマ君』って刀みたいな形でしたよね?
>そしたらあれの原産地(?)はエルメキアですか?!さすがレミーさん、刀のためならどこまでもって感じですか?
そこまで深く考えてなかったんですが、両刃刀が一般的だとしたら異国のものですね〜。
でも彼女ならそれこそ神の結界すら越えて探しに行くかも(爆)

>
>>「冷やかすと言えば、気になりませんか?」
>
>しかしシャルレさんのこの一言!!
>言い出しっぺはシャルレさんだったわけですねぇ(にやり)私はてっきりアメりんが言い出しっぺだと思っていたので・・・・・(笑)
本当はこの後ゼルは別の所へ一緒に向かう予定でした。…っとこのあたりは次回のネタばらしになってしまうので♪
>話が進むたびに出る、シャルレさんの裏の顔(?!)とゼルのカバンの中身の秘密がv
毛布まで入ってたんですね〜。でもカバン膨らんでないんですよ。重さはどうなんだろう。ブラックホールとホワイトホールがループしてるんだろか?謎謎謎。

>>次回はゼル視点なんですけど、ガウリナの告白シーンは大幅にカットすると思います。『甘い香り』の謎も次回解けます。
>
>噂を流しに行くフリをしてこっそりアメリアのためにお菓子の家を建築中あったゼル!!
>しかし、やっと完成してアメりんを連れて行ってみるとそこには!!
>満腹満足の村の子供たちが!!
>なんてアホな話はないですね・・・・・・
ぎくっ……いやぁ(汗)実はいい線いっちゃってたりするんです。

>あと少しで終わってしまうのが、さみしーです・・・・・
>でも、番外があるとの事で!!そちらも楽しみに待ちます!!
>もしかして番外って腐った卵たちの事ですか?
それも出す予定です。

>それでは!短いですが、あんでぃでした!!
ありがとうございました。
あんでぃさん、是非最後までおつきあいくださいませ。
ではではみていでございました。多謝。

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14700第10話小ネタ予告&お願いです。みてい 3/29-01:37
記事番号14662へのコメント

次の話『Messenger10』の予告みたいなもんなんですけども。

○桐生さん、ねんねこさんへお願いです○
 本当にちょろっとしか出てこないのですが、もしよろしかったらオリキャラをみていにお貸しいただけないでしょうか?
「嫌」とおっしゃられるなら出しませんが、許可がいただければ小躍りして喜びます。

○ゆえさんへのお願いです○
 本編終了後に出す予定の番外編にどれだけ出ることになるかわかりませんがティル様をお貸しいただけませんか?
「おっけぃよん」と言っていただけるとものすっごく喜びます。

ではでは、レスお待ちしております。
第10話に関してはあまり待てないので、その場合は……うーん、(汗々)
みていでございました。

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14702もちろんです(><)桐生あきや 3/29-07:30
記事番号14700へのコメント


>○桐生さん、ねんねこさんへお願いです○
> 本当にちょろっとしか出てこないのですが、もしよろしかったらオリキャラをみていにお貸しいただけないでしょうか?
>「嫌」とおっしゃられるなら出しませんが、許可がいただければ小躍りして喜びます。
 あああああっ、もちろんですっ(><)
 うちの娘でも猫でもいくらでもお貸ししますっ(正確には性別ないんですが・笑)
 あの精霊はいったいどこまでいくんでしょうねぇ(笑)

>ではでは、レスお待ちしております。
>第10話に関してはあまり待てないので、その場合は……うーん、(汗々)
>みていでございました。
 ではでは、楽しみにしておりますっ。
 わざわざどうもありがとうございました。

 桐生あきや

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14703ふふふふふふふふふふふふ(怖いって)ゆえ E-mail URL3/29-08:13
記事番号14700へのコメント

>○ゆえさんへのお願いです○
> 本編終了後に出す予定の番外編にどれだけ出ることになるかわかりませんがティル様をお貸しいただけませんか?
>「おっけぃよん」と言っていただけるとものすっごく喜びます。

はぁい♪ティルよ。
ゆえなんかに許可とらなくたって、お茶とお茶請け用意してくれれば私はいつでもおっけぃよん♪
なにに最近は別の方に時間とられて、ぜんっぜん続きとか書こうとしてないからねぇ・・・・・・ちょっと気合い入れ直しておこーかしら。
まあ、そっちはいいとして、ともかく私を呼んでくれるのは大歓迎だから♪
(あ、復活してきた。しぶといわねぇ・・・・・)


−−−−−−−げふげふげふげふ。
ど、どぉも〜ゆえですぅ・・・・・・・・・(泣)自分のオリキャラになんで此処まで虐げられにゃならんのか・・・・・・
か、感想も書こうしてたらアストラルから攻撃されました(しくしく)
うちの方々はもうお好きにつかってやってくださいませ♪
そのうち、私も某氏と某お手伝いさんを召還するかも(おいおい)

もうもう、アメリアのかわいさ炸裂してますよね。
ああ、やはりラブラブ話はいいですねぇ・・・・・・現実世界の出来事を忘れさせてくれます・・・・・(←かなり大変だったらしい)
しかし、シャルレさん。やはり侮りが足し(笑)うーん彼女の話をもっと読んでみたいですねぇ♪

それでは、うちのティルが出てくるという第10話。・・・・・・あとで呼ぶんじゃなかったと後悔するかもしれませんが・・・・・・・
何はともあれ楽しみにしてます♪