◆−「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」1−加流 ネメシス(10/15-00:28)No.12156
 ┗「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」2−加流 ネメシス(10/15-00:36)No.12157
  ┗「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」3−加流 ネメシス(10/15-00:42)No.12158
   ┗「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」4−加流 ネメシス(10/16-01:12)No.12167
    ┗あとがき−加流 ネメシス(10/16-01:39)No.12168
     ┗暴走ヴォルフィード様v(笑)−稀虹 戯空(10/16-16:52)No.12176
      ┗ぎくー様ありがとうございます!!!!!!!!!−加流 ネメシス(10/19-03:56)No.12189


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12156「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」1加流 ネメシス E-mail 10/15-00:28


1、グランレード

大理石でできた床のる、大広間・・・
テラス側の壁に置かれた、気品のあるディスクの椅子に
その身を預けた一人の青年が、腕組みなんぞしてウンウン考え込んでいた。
「魔族の驚異や神族の力にひれ伏すだけでは、あまりにも
 人間達には理不尽な話・・・・・・・・・・・・
 何か、彼ら自身の力でも、道が切開けると言う
 希望に繋がる物でもあればいいのだが・・・・・・・・・・・・・」
と、先程からこんなことを口の中でモゴモゴ呟いている。
長く腰まで伸した艶やかな金髪、まだ何処と無く子供っぽさが
残っている顔立ちをしているが、その身にまとった純白の法衣から
その青年が、かなりの高位の者だと言うことを示していた。
しばらく考え込んだ後、青年はポンと手を打ち。
「そうだ!!
 こんな時は、気分転換するのが一番いい!!」
言って、満面の笑みを浮べるのだった・・・・・・・・・・・・・・・





「ドラゴン・マスター様!?」
ドラゴン・マスターと呼ばれた、先程の青年の部下と思われる少年が
大広間のドアをノックしてからかなりの時間が経っていた。
「まさかっ!!!!!!!!!!!!!!」
少年は叫んでドアを勢い良く開けると、そこにはドラゴン・マスターの
姿はなく、まのでその代りと言った様に、ディスクの上に一枚の紙切れが
置いてあった。
震える手で少年はその紙切れを手に取り、そこに記されていることを読む。
そこに書かれていたことは・・・・・・・・・・・・・・
<人々の希望となる物を探しに、少しの間、留守にする。
と、言う訳で、後はヨ・ロ・シ・ク・ね(はあと)>
「だぁあぁあぁあぁあぁああぁあぁあぁあぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 これから会議があると言うのに・・・・・・・・・・・・・・
 勘弁してくださいよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ドラゴン・マスター様ぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ・・・・・・・・・」
大広間に虚しく少年の声が響きわたっていった・・・・・・・・・・






と、ある銀河の一角・・・・・・・・・・・
人類発祥の地、地球から遠く離れた惑星。
そこには、文明があった。
そして、それは数千年の時を経て、銀河に進出した人類に
未知の異文明として発見されることになる。
遺失宇宙船(ロスト・シップ)と言う名をその代表にして・・・・・・・
惑星の首都である街を一望できる、丘の岩裏に
何やらコソコソ蠢く影が一つ・・・・・・・・・・・
もっともらしい屁理屈を付けて、会議をすっぽかした
スットコ神族、竜を束ねる者(ドラゴン・マスター)グランレード
その人(!?)である。
これでも一応、世界の神である赤の竜神(スィーフィード)の腹心だったり
するのだから、世も末かもしんない。
「うーーーーーーーーーーむ。
 どうやら、この世界ではボディーにフィットした服が
 主流のようだな・・・・・・・・・・・・
 まっ、<郷に入れば、郷に従え>って言うし・・・・・・・・・・・」
そんな事を言って岩影で街の様子を伺っていた、ドラゴン・マスターを
光が包む。
パッとその光が弾けると、これでもか!!と言う程ボディーにピッタリとした
漆黒のスーツにその身を包んだドラゴン・マスターの姿が現れた。
腰程の長さの黒いマントはスケスケ、肩は丸出しとゆー
思わずそのセンスを疑いたくなる格好はしているが、背中に羽の様な
一対の飛行用ノズルが装備されていることから
彼が人でないものに変化したことが分る。
得てして、この世界の神魔は、最大の力を発揮出来る姿---------------
例えば、武器や宇宙船の姿を取るのが常と聞いているのだが
あくまでも人の姿にこだわるドラゴン・マスターには
どうも納得が行かなかったのだ。
何も武器や宇宙船が最強だとは限らない。
そこで彼は百歩譲って、アンドロイドに姿を転じたと言う訳である。
「よし!!
これで準備万端、整った!!!!!!!!!!!!!!!
 まずは、とりあえず、カワイイ女の子でも探そうかな。(はあと)」
言って、意気揚々と岩影から出たドラゴン・マスターの耳に
少女と思える声が飛込んできた。
それは、当然、ドラゴン・マスターを誘うものではなく・・・・・・・・・
「魔族!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「えっ!!!!!!!
 何処?
 何処!?」
その声にキョロキョロと辺りを見回したが、それらしき姿どころか
気配すらも感じない。
それも当然、その声が差したのは、他でもない
ドラゴン・マスター自身だったのだから・・・・・・・・・・

2へ続く


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12157「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」2加流 ネメシス E-mail 10/15-00:36
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2、メルン

ドラゴン・マスターの意識が戻った時には、既に宇宙船へ連れ込まれ
メンテナンス用のベッドに、ガッチリと両手足を固定された後だった。
「やっと気が付いたようね・・・・・・・・」
先程の少女の声が間近に聞えて来た。
ドラゴン・マスターは頭を何とか動かし、声の主を確認する。
そこには、頭のてっぺんから爪先まで、ピンク系一色でまとめた
少女型アンドロイド風の立体映像が立っていた。
ボディコンシャスな衣装で、装甲板のつなぎ目がある身体を包んでいる。
「さてと・・・・・・
 気が付いたばかりで悪いケド、白状してもらいましょうか?
 あなたの正体をっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
少女は言って、ドラゴン・マスターの顔をのぞき込む。
「ち・・・・・・・ちょっと待った!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 いきなり人(!?)を魔族呼ばわりして、攻撃した上に
 今度は、監禁尋問とは、あんまりじゃないのかい?」
「何よっ!
 あんな、黒くて妖しい格好して岩影でコソコソしてりゃー
 誰だって疑うわよ、ふつー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドラゴン・マスターの抗議にすかさず反論する少女。
「黒い服着てれば、みんな魔族かいっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
どうやら、丁度この世界の神魔は緊張状態にあるらしく
そんなところにノコノコやって来ちゃったよーだ。
「と・に・か・く
 私のシステムでスキャンさせてもらったわ・・・・・・
 でも、出た結果には、あなたの内部構造が全く写ってなかったのよね。」
うう〜〜〜〜〜〜ん。
先程受けた攻撃で、ダミーシステムがおかしくなったらしい。
自己修復機能をフルに使っても、完治するまでに数十分はかかるな・・・
と、心の中で呟く、ドラゴン・マスター。
ちなみにダミーシステムとは、他のコンピューターからのハッキングや
内部構造へのアプローチなどに対しての防御システムで、相手の
コンピューターに偽の情報を流し、それが真実だと誤認させるものである。
少女は更に言葉を続ける。
「ひょっとして、その黒い第一装甲、スキャン妨害加工してあるのかしら?
 ちょっと、取らせてもらうわね。」
彼女が第一装甲と呼んだのは、言わずと知れた、ドラゴン・マスターの
ボディーにフィットした、ダークスーツの事である。
「あっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 それは、ちょっと・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ドラゴン・マスターは顔を真っ赤にし、慌ててジタバタともがく。
「その様子からして、ますます妖しい!!!!!!!!!!!!!」
「そうじゃなくて・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ばばっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「きゃぁあぁあぁああぁぁあぁあっっっっっっつつつっっ!!!!!!!!!!!!!!!!
 えっちぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

ぱしーーーーーーーーーーーんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「脱がしたのは君の方だろうがっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
腫れた頬に涙をつたわせ、ドラゴン・マスターが抗議する。
「それにしても・・・・・・・・・・・
 上半身だけ見て、この騒ぎようとは・・・・・・・・・・・
 君って、ピュアなんだねっ。」
からかう様に言うドラゴン・マスターに対し、彼女はまだ動揺しまくっている。
「そ・・・そそそ・・・その身体と言い、肌触りと言い
 腫れた頬に涙と言い・・・・・・・・・・・・・・・・
 本物の人間と全然変らないじゃない!!!!!!!!!!
 あなた、本当に何者なの!?」
「私は単に人間の姿にこだわっているだけだよ。
 そんなに深い意味はないって!!」
その答に対し、よせばいいのに彼女は恐る恐る、更に突っ込んだ質問をする。
「人間の姿にこだわっているって・・・・・・・・・ひょっとて・・・・・・
 ・・・・・・・・・・下も・・・・・・・?」
ポッと顔を赤らめる彼女に、これまた顔を赤らめて
ドラゴン・マスターは答える。
「ま・・・・・まぁね・・・・・・・・・・・・・・・」
「きゃぁあぁあぁあぁぁああぁあぁあぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

どかっ!!!!!!!!!!!

げしっ!!!!!!!!!!!!!!

ばぎっ!!!!!!!!!!!!

「と・・・・・とにかく、私では、悔しいですが
 あなたは手に負えません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もっと製能の良い方に見て頂きますので、そのつもりでっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
すっかり興奮しまくった彼女は、身動きのできないドラゴン・マスターを
問答無用でド突き倒すと、そう言残してメンテナンス・ルームから
姿を消したのだった・・・・・・・・・・・・

3に続く


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12158「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」3加流 ネメシス E-mail 10/15-00:42
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3,ヴォルフィード

「アルメイスぅ〜〜〜〜〜
 そんなこと言わないでくださいよぉ。」
アルメイスと呼ばれた立体映像の長身の男が、少女へ振向く。
「メルン、その様な者を相手にしている場合ではないと
 言ったのが分らぬのか?
 魔は裏で確実にその動きを見せつつあると言う、大事な時に!」
少女に連れられ、ドラゴン・マスターは彼女の仲間達が集う
秘密の宇宙ステーションへやって来たのは、ほんの少し前のこと。
彼女が通路で、このアルメイスとばったり出会ってしまったばっかりに
二人はドラゴン・マスターを放っぽって、先程からずっとこんな
言合いを続けているのだった。
「だ・か・ら!!!!!!!!!
コイツがメチャクチャ妖しいから、調べてくれって言っているんです!!!!!!」
彼女もなかなか引かない。
ヤレヤレとばかりに、二人のやり取りを見ているドラゴン・マスターの
後ろから、美しい女性の声が響いてきたのは、その時だった。
「どうしたのです?
二人とも・・・・・・・・・」
「ヴォルフィード!!」
アルメイスとメルンが声を揃えて振向いたその先に、気品に満ちた
エメラルド・グリーンの髪をした女性-------ヴォルフィードが立っていた。
おお・・・・・・・・!!!
彼女があの・・・・・・・・・・・・・・
その姿にドラゴン・マスターは心の中で感嘆の声を上げる。
「ヴォルフィードぉ
 実はねぇ〜〜〜〜〜〜」
メルンか一通り今までのいきさつを彼女に話す。
「分りました。
 それでは、私自らその方をスキャンすると言うことで、どうでしょうか?」
目を伏せ、しばらく考えた後、そう提案したヴォルフィードの傍らに跪き
その手を取ると、軽く口づけをして、ドラゴン・マスターが答える。
「あなた様直々に調査して頂けるとは、身に余る光栄。
 謹んでお受けいたします。
 それから、遅れまして大変申訳ありませんが、私、
 グランレードと言う者です。
 以後、お見知り置きを・・・・・・・・・・・・・・」
実は、ドラゴン・マスターのダミーシステムは、
メルンとアルメイスの言合いの
おかげですっかり完治していたりする。
しかし、ンな物がヴァルフィードに通用するのであろうか・・・・・・?
「ヴォルフィード!!
その様などこの馬の骨かも分らぬ者に、あなた様が手を下すこともあるまい!!
そのグランレードとか申す者のメモリーから、我々のデータを消去し
 何処か適当な場所へ置いて行けば、済むことではないかっ!!」
不満に思ったのか、アルメイスが激しく抗議の声を上げる。
「いいのです。
 アルメイス。
 私としても無理矢理、人(!?)のメモリーを消去すると言う様な
 手荒なことは出来るだけ避けたいのです。」
「しかし・・・・・・・・・」
なおも言淀むアルメイスを征し、ヴォルフィードはドラゴン・マスターを
連れてメンテナンス・ルームへ向った。

「う゛っ・・・・・・・・・・・こ・・・・・これは!!」
弾き出された答に、思わず顔を引きつらせるヴォルフィード。
それでも何とか平静を保って、メンテナンス用のベッドに固定されている
ドラゴン・マスターを解放する。
そこへ、すかさずメルンとアルメイスが駆寄った。
「ヴォルフィード!
どうだったんです!?」
メルンのその問いに、再び顔を引きつらせ、ものすごーーーく言いずらそうに
二人に向って、結果を伝える。
「え・・・・・・・ええ・・・・・・・・・・
 夜のお仕事の方だったです・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「へっ!?」
ヴォルフィードのその答を聞いて、一番驚いたのは、他でもない
ドラゴン・マスターだった。
実は彼がダミーシステム用に選んだ偽のデータが、不幸にも、夜の女性を
相手にする為に作られた、アンドロイド達のそれに酷似していたのだ!!!!!!!!!
「道理で人間に近い外装をしている訳ですよね・・・・・・・・・
 <真実の愛とは何か?>とかって、疑問を持つようになって
 店を飛びだしたって、口でしょうか・・・・・・・」
冷たーーーい視線が、ドラゴン・マスターへ突刺さる。
だが、さすがにフェミニストを気取っているドラゴン・マスターも
ヴォルフィードにそこまで自尊心を汚されるような事を言われて
ただ黙って引下がったりはしなかった。
「非常に残念ながら、完全にそのテのアンドロイドだと
 誤解されている様ですね。
 いいでしょう、私が世界をひっくり返すような事をして差上げましょう。
 そうすれば、嫌でも私がそのテのアンドロイドではないと言うことが
 お分りになって頂けるはずです。」
「そんなことをして頂かなくても結構です !!
 とにかく、ここはあなたの様な方がいる場所ではありません。
 お引きとり願いましょうか?」
言葉は丁寧だが、その語気には明らかに怒りの色が表れていた。
「オラ!!!!!!!!!!!
 出て行けと言っているんだ!!!!!!!!!!!!!」
事の一部始終を見ていた、全身ブルー系統で統一した、
見るからにイカツい男が
ドラゴン・マスターの腕を取ると、グイグイ出口の方へ引張って行く。
「エルゴロス・・・・・・・・ 
 あまり乱暴な事はしてはいけませんよ・・・・・・・・・・・」
ヴォルフィードにエルゴロスと呼ばれた男は、さすが彼女が釘を差すぐらいの
ことだけはあって、ドラゴン・マスターのデータを無理矢理消去するわ
何度も殴りかかってくるわで、かなりの乱暴者だった。
「ブッ壊されなかっただけでも、ありがたく思え!!!!!!!!!!!!!」
エルゴロスは、ドラゴン・マスターを宇宙ステーションから離れた場所まで
引張って行くと、彼の尻を蹴り上げ、怒鳴りつける。
「いた!!!!!!!!!!!!!
 てたたたたたたたたぁぁあぁあぁあ〜〜〜〜〜〜〜」
無様にスッ転ぶドラゴン・マスター。
「フン!!」
その様子を鼻で笑うと、エルゴロスは瞬間移動で去って行った。
エルゴロスが完全にいなくなったのを確認すると、ゆっくりと起きあがり
宇宙ステーションのある方を見てドラゴン・マスターは呟く。
「神族にもああ言う、乱暴者がいるとは、ヴォルフィードも部下制作に
 苦心しているようだね・・・・・・・・・・・
 さてと・・・・・・・・・・・」

4に続く

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12167「魔竜王の憂鬱」番外編「神魔驚く」4加流 ネメシス E-mail 10/16-01:12
記事番号12158へのコメント

4、五つの武器


ドラゴン・マスターは一人、薄暗い路地を歩いていた。
あれから、ドラゴン・マスターは様々なコンピューターにハッキングをかけ
原因不明の奇妙な事件が多発している地点を探った。
それが、一番手っ取り早く魔と遭遇できるからだ。
もちろん、ただその地点をほっつき歩いていてもしゃーないので
先程こっそり、ヴォルフィードに気が付かれない様、彼女が身に付けていた
リボンの一つを失敬してきたのである。
これを持って歩けば、打倒ヴォルフィードに燃える魔から
何らかのアプローチがあるはずだ。
彼が思った通り、すぐにアプローチはあったのだが・・・・・・・・

ビリビリビリィィィィイィイイィイィイィイ〜〜〜〜〜〜

ちゅどぉおぉおぉぉおぉおぉぉおん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

それは、いきなりの電撃であった。
「あっ!!」
と一声上げ、石畳の上に倒れ込むと。ドラゴン・マスターの意識は
急速に遠のいて行った・・・・・






次にドラゴン・マスターが気が付いた時には、彼を調査したのだろう
あちこちの装甲が引き剥がされ、内部の機械が剥き出しの姿で
ジャンク置場に転がされていた。
当然、ヴォルフィードのリボンは抜取られている。
その上、彼が苦心の末考え出し、ヴォルフィード達に散々妖しいと
言われた服は、初めの電撃によって、かなりいや〜〜〜んな感じに
破れていたりする。
ドラゴン・マスターはしばらく俯くと、やがて・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・んくっくっくっくっくっくっくっくっくっくっく
 くっくっくっくっくくっくっくっくくっくくっくくっ・・・・・・・・・・」
とブキミに笑い始めた。
その背中には、火の玉が出そうな程の漆黒のオーラが揺らめいている。
ただでさえ、ブキミなのに、これが、暗闇のジャンクの中から聞えて
来るのだから、なおさらきみが悪い。
しかし、まさか、魔も彼がここでブキミな笑い声を上げているとは
夢にも思っていなかった。
何故なら、かなりの神族でも、最初に彼が受けた電撃で、修復不可能なほどの
ダメージを受けるのだから・・・・・・・・・・・・・・
それが彼らの不幸の始りだった。
自己修復を完全に終らせると、ドラゴン・マスターはジャンク置場から
こっそり抜け出し、魔に気付かれない様、辺りを散策してみる。
辺りの強烈な程の魔の気配から、どうやらここは彼らの本拠地らしい
ことが分る。
そして、物々しい5つのドックを見つけたドラゴン・マスターは
満面の笑みを浮べたのだった・・・・・・・・・・・





五つの武器を従えた、ドラゴン・マスターは宇宙空間へ
スィーフィード世界へと通ずる次元の穴を開けると
同時に2つのあるコンピューターへ向けて回線を開いた。
「この世の神、ヴォルフィードに、この世の魔、ダーク・スターよ・・・・・」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
通信を通して見える、ドラゴン・マスターと五つの武器を目にした
ヴォルフィードとダーク・スターはそのあまりの光景に驚愕した。
「実は、以前より、人間達の希望に繋がる物を探していてね・・・・・・
 ダーク・スター君の所に、丁度良いのが五つもあったから
 ちょっと手を加えさせてもらったよ・・・・・・・・・・・・」
ダーク・スターの分身とも言える、五つの宇宙船をいともあっさり
改造するのに、一体どれ程の実力を要するのか、考えるまでもない・・・・・
「こ・・・・・・・・こんなマネが出来る者と言ったら
 金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)か、それとも・・・・・・!!!!!!!」
乾ききった声でダーク・スターが呻く。
「私達の正体も筒抜け・・・・・・グランレード・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・まさか、あの・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
今度はヴォルフィードが悲鳴の様な声を上げる。
そして、伏せていた目を静かに開くとドラゴン・マスターは告げた。
「そう、そのまさかですよ・・・・・・・・・・・・・・
 君達には盛大な歓迎を受けたことだし・・・・・・・・・・・・・
 コレ、お土産にもらって行くわ。
 あっ、それからコレ、神族でも使える様にしてはあるが
 君達には、使わせてあげない。
 ベ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜だっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
二人に向ったアッカンベーをして見せる、ドラゴン・マスター。
「うわぁあぁあぁあぁあぁああぁあぁぁあぁっっっっつつっっっっつっつっつっつっっ
つっつっつっつっっつっつつっっつっつつっつつっつつっつつつ
つっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヴォルフィードとダーク・スターの、宇宙全土に響き渡る様な絶叫を耳に
しながら、ドラゴン・マスターは「ジャッ!!」と言って、カッコ良く
ポーズを決めると、五つの武器と共に元の世界へ帰って行ったのだった・・・


「神魔驚く」 完

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12168あとがき加流 ネメシス E-mail 10/16-01:39
記事番号12167へのコメント

「氷上の紳士編」に続き、こちらも旧「猫南」に投稿したものの
再掲示版です。
これも、2年くらい前「ロスト・ユニバース」がアニメ化されると
聞いて思いついたお話でして、原作小説の最終巻が出ている現在では
設定的におかしな所が続出って感じです。(^-^;;;;;;;;;;;)
ただ、ドラゴン・マスターの正体に関してはちゃんと一貫しているので
大丈夫かと思っています。
ここ「書き殴り」とリンクが張られている、みいしゃ様のHP「Stardustcompny」の方に掲載されている
「魔竜王(ガーヴ)の憂鬱」7 「ドラゴン・マスター その正体・・・扁」
を読んで頂いている方にも納得してもらえると思います。
また、こちらを先に読まれてこれから「ドラゴン・マスター その〜」を
読まれる方にも、「そうか、そう言うことか!!」と思って頂けるかと。
(↑ちょっと自信ないかも ^-^;;;;;;;;;;;;;;;;;;)
ただ、「ドラゴン・マスター その〜」はちょっと内容的に
生々しい部分があって、小学生の方も立ち寄られていると言う
「書き殴り」に投稿するのはどうかと思い、投稿していないんです。
すみません。



「氷上の紳士」、「神魔驚く」の再掲示にあたってご協力してくださった
松原ぼたん様、無くなったデータを数度にも渡り送ってくださり
ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
無事2作品が復活できました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




加流 ネメシス



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12176暴走ヴォルフィード様v(笑)稀虹 戯空 10/16-16:52
記事番号12168へのコメント


 ……タイトルは第一印象です(笑)本当は暴走しているワケじゃ無いけど……(爆)
 今日は、ネメシス様。ぎくーです。
 私の我が儘に答えて下さってありがとうございますっ!! これで心おきなく夜を迎えられますわっ!!(笑)
 というわけで、魔竜王の憂鬱シリーズ外伝。とっても面白かったですっ!!
 アルメイスが出てくるとは意外や意外。アンドロイドの少女(メルン?)は混乱気味でいい味だしていますし、ヴォルフィード様は意外に気さくですねっ(笑)いえ、一般庶民(?)の話を聞いてくれる、と言う意味。
 ロスト・ユニバースの世界を使ったのもないす・あいであ! その知識が羨ましいです〜v
 これからも頑張って下さいまし〜〜〜〜!!

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12189ぎくー様ありがとうございます!!!!!!!!!加流 ネメシス E-mail 10/19-03:56
記事番号12176へのコメント


ぎくー様、感想ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!(^0^)
> 私の我が儘に答えて下さってありがとうございますっ!! 
>これで心おきなく夜を迎えられますわっ!!(笑)
今までネットに載せていない話とかを復活させようかなと
思っていたんたんで全然大丈夫ですよ。
実はこの話、今後の「魔竜王(ガーヴ)の憂鬱」本編にも
絡んできたりします。(ニヤリ ^ー^)
一応、この話を読んでなくても分かるようにするつもりではいますが
この話を読んでいるのといないのとではかなり違ってくると思います。


加流 ネメシス