◆−日常inパニック 〜第九章〜−星月夜 葛葉(9/25-22:41)No.12002
 ┗日常inパニック 〜第十章〜−星月夜 葛葉(9/29-18:38)No.12048
  ┗日常inパニック 〜エピローグ〜−星月夜 葛葉(10/1-16:10)No.12066


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12002日常inパニック 〜第九章〜星月夜 葛葉 E-mail URL9/25-22:41


 こんにちは、星月夜 葛葉です。またまた、遅くなってしまいました。もう、前のツリーが沈んでいるし…。待っていて下さった方、お待たせ致しました。それでは、日常inパニックの続きをどうぞ〜。



     日常inパニック 〜第九章〜


「…行っちまったなぁ、リナとアメリア。教室に戻って、リナを待つとするか」
 リナとアメリアが走り去ってしまったせいで、屋上に残されてしまったゼロスとガウリィ。ガウリィはリナ達が出て行った扉を見ながら呟いた。そして、ガウリィが屋上から出て行こうとした時、ゼロスを発見した。その時、ゼロスは人の耳には聞こえないくらいの小さな声で呪文らしきモノを唱えていた。
「…人形?にしては、ずいぶんと精巧に出来ているなぁ。まるで、生きているみたいに…。ここに落ちてたとすると、持ち主はリナか、アメリアだろうな。…そうか!あの時、リナが隠したのもこれだ!…よし、届けてやるぞ」
 だが、そんな事に気付かないガウリィはゼロスを拾い上げ、しげしげと眺める。そして、ガウリィがゼロスを胸ポケットに入れようとした時、今まで晴れていた空が今にも夕立が来そうなくらい曇り始めた。その時、ゼロスの錫杖が淡く光り輝いていたのをガウリィは知らない。
「…なんか、曇ってきたなぁ。さっさと、教室に戻るとするか」
 ガウリィは曇った空を見上げながら呟いた。雷が鳴っているのが、遠くから聞こえてくる。そのうちに、雷の音はだんだんと大きくなってきた。
 バッシーン!!
 その時、まるで漫画のように、見事にガウリィに雷が落ちた。そして、ガウリィは倒れた。
「…リナさん、僕はどうすればいいんでしょうか?貴女を不幸にしたくないのに、貴女を不幸にしなければならない…。一体、僕は…」
 ゼロスが悲しげに呟きながら、ガウリィの手から抜け出して、空に舞い上がった。その時…。
「ガウリィ!!この辺で人形を…って、ガウリィ?」
 雷が落ちた音がして少し経ってから、あたしは屋上の扉を開けた。そこで、あたしが見た光景は倒れているガウリィと、淡く光り輝いた錫杖を手にして宙に浮かんでいるゼロスだった…。
「ガウリィさんなら、僕の作り出した雷に打たれて気を失いましたよ」
 驚いているあたしに向かって、ゼロスはどこか悲しげな笑顔で、聞き捨てならない言葉を言った。
「…ゼロス?…また、ゼロスがやったの?」
 あたしはゼロスに尋ねた。…ガウリィはあたしのせいで、また傷ついてしまったの?
「ええ、僕ですよ。僕がガウリィさんに雷を落しました」
 ゼロスはあたしの問いに、またどこか悲しげな笑顔で答えた。…あたしのせいだ。あたしがゼロスを屋上に残して来たから、ガウリィは…。
「ゼロスさん、ガウリィさんは死んでなんかいませんよね?」
 アメリアが確認するように、ゼロスに聞く。…あたしのせいで、ガウリィはまたゼロスに…。
「ええ、それは大丈夫です。気を失う程度になるよう、力を加減しましたから」
 ゼロスは相変わらず、どこか悲しげな笑顔で答えた。…あたしがちゃんとゼロスを見張っていなかったから、ガウリィはゼロスに傷つけられた…。
「リナさん?どうして、泣いていらっしゃるのですか?」
 ゼロスが驚いたように、あたしに聞いてくる。あたしはゼロスを無視して、そのまま走り出した。あたしのせいで、ガウリィはまた傷ついてしまった。何の関係もないガウリィが…。
「「リナさん!!」」
 アメリアとゼロスがあたしを呼んだけど、あたしは再び無視して走って行った。



 ガウリィファンの方、すみません。お許し下さい。
 とうとう、この話は十回目になりました。1回目を投稿したのが…確か七月で、今は九月…。もう、二ヶ月が経っちゃってるし…。
 最後まで読んで下さった方、どうもありがとうございます。それでは、星月夜 葛葉でした。

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12048日常inパニック 〜第十章〜星月夜 葛葉 E-mail URL9/29-18:38
記事番号12002へのコメント

 こんにちは、星月夜 葛葉です。今回は比較的早くに続きを書き上げる事が出来ました。それでは、どうぞ〜。


    日常inパニック 〜第十章〜


「あたしのせいで、ガウリィは…」
 あたしは学校から飛び出して、どこにも行くあてがなく、ただ泣きながら走っていた。もしかして、ゼロスはあたしがこういう風になるのを狙って、ガウリィを傷つけたのだろうか?あたしはそのような事をぼんやりと考えていた。
「リナさん!!待って下さい!!」
 ゼロスが遠くから、あたしに声かけた。あたしはゼロスを無視して、道路を横断するために走り出した。何も気付かずに。ただ、一人になりたくて…。
「リナさん!!危ない!!」
 ゼロスがそう大声で言うのが聞こえて、あたしは横を向いた。そこには、大型トラックが目の前に迫って来ていた。あたしは足が竦んで、動けなかった。ただ、大型トラックの急ブレーキをかける音がぼんやりと聞こえた。…あたし、死ぬんだ…。そう思った瞬間、あたしは誰かに後ろから押されていた。そして、あたしは反対側の歩道に倒れ込んだ。
「一体、誰が…?」
 あたしは身体を起こしながら呟いた。ふと、あたしがさっきまで居た場所に目を向けると、ゼロスが倒れていた。…どうして!?
「ゼロス!どうして!?」
 あたしはゼロスの側まで行き、ゼロスを手で包み込むようにして拾い上げた。そして、あたしはゼロスに必死で声をかける。ゼロスは顔色がかなり悪かった。そんなゼロスを見て、あたしは生きた心地がしなかった。死なないで、ゼロス。
「…リ、リナさん…。…無事…だっ…たんです…ね…。…よかっ…たです…」
 ゼロスは目を開いて、苦しそうに喋る。お願い、無理して喋らないで。
「ゼロス!喋っちゃ、ダメ!」
 あたしはゼロスを止める。ゼロスの綺麗な紫色の瞳に、今にも泣き出しそうなあたしが映し出されていた。
「…許して…くれと…は…言い…ませ…。リナ…さ…、…僕は…あなたの…事…好きで…」
 ゼロスはあたしが止めたにも関らず、さっきより苦しそうに喋る。そして、ゼロスは目を閉じて何も言わなくなってしまった。その瞬間、あたしの脳裏にはゼロスとの思い出が、フラッシュバックで映し出された。…ゼロス?…そ、そんな!!
「いやぁぁぁぁぁああああああ!!ねえ、お願い!目を開けてよ、ゼロス!あたしの返事も、ちゃんと聞いてよ!あたしだって!あたしだって、ゼロスの事が好きなんだから!!」
 あたしは叫んでいた。それから、もう動かないゼロスに向かって、必死で話しかけていた。そんな嘘よ!ゼロスが死ぬなんて、嘘よ!!お願い、もう一度言ってよ、ゼロス!…そして、あたしは泣き崩れた。



 ゼロスファンの方、すみません。お許し下さい。こんな私でも、ゼロスが好きです。
 次で、この話も終わります。最後までお付き合いいただけると、幸いです。最後まで読んで下さった方、どうもありがとうございます。それでは、星月夜 葛葉でした。

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12066日常inパニック 〜エピローグ〜星月夜 葛葉 E-mail URL10/1-16:10
記事番号12048へのコメント

 こんにちは、星月夜 葛葉です。いよいよ、この話もこれで完結です。それでは、どうぞ〜。



   日常inパニック 〜エピローグ〜


 あれから、一年が過ぎ去った。望んでいたはずのいつもの日常が返って来た。ゼロスがいなくなる事によって。でも、あたしの時間は、あの時から動いていない。
 その後、アメリアはあたしの気持ちに気付いていたらしく、あたしを励ましてくれた。
 ガウリィは、…あれからしばらく経ってから、あたしに告白して来た。でも、あたしは断った。前のあたしだったら、喜んで付き合い始めたと思う。けど、今のあたしにとって、そんな事はどうでもよかった。そう、ゼロスがいない今は…。

「HRを始める前に転入生を紹介します。入って来て下さい」
 朝のHR。去年と同じ担任のシルフィール先生が言う。…転入生ねぇ。あたしには、関係のない事だわ。そう思って、あたしはシルフィール先生に見つからないようにこっそりと、コアラのマーチ(チョコレート)を食べた。
「ゼロス=メタリオムです。よろしくお願いします」
 転入生が入って来た瞬間、あたしは驚いた。なぜなら、ゼロスにそっくりの男の子だったから。そして、彼の自己紹介を聞いた瞬間、またもや驚いてしまった。なぜなら、ゼロスと同じ名前だったから。もしかして、ゼロス?
「席は、…リナさんの隣ですね。リナさん、これからいろいろと頼みますよ」
 シルフィール先生はあたしにそう言った。そして、彼があたしの方へと向かって来る。
「お久しぶりです、リナさん」
 あたしの隣に着席した彼は、にっこりと笑ってあたしに挨拶をした。…ゼロス、だったんだ。
「お久しぶりね、ゼロス」
 あたしは笑顔で、ゼロスに挨拶をする。ふと、アメリアを見たら、アメリアは微笑んでいた。アメリアの表情から、『よかったですね』と読み取れた。アメリア、ありがとう。ゼロスと再び会えたその時から、あたしの時間は再び動き始めた。
「ゼロス、コアラのマーチ食べる?」
 あたしはにっこりと笑って、ゼロスにコアラのマーチの箱を差し出した。
「そうですね。では、いただきましょうか」
 ゼロスは笑顔でそう答えて、コアラのマーチを一つ取って食べた。ゼロスがお菓子を食べている姿と、あの頃のゼロスがお菓子を食べている姿が、不意に重なって見えた。本当に、ゼロスが今あたしの隣にいるんだ…。夢じゃ、ないんだよね?そうだ!放課後になったら、ゼロスに伝えよう。あの時に、伝えられなかったあたしの想いを。
 ――ゼロス、あたしもゼロスの事が好きだよ。



 いかがだったでしょうか?これで、この話は終わりです。最後までお付き合いして下さった方、本当にどうもありがとうございます。それでは、星月夜 葛葉でした。