◆−復讐戦記の結末(気まま番外編)−CANARU(9/22-23:06)No.11973
 ┗一番強かったのは・・・−P.I(9/24-13:47)No.11986
  ┗主役の骨休み〜♪−CANARU(9/24-20:17)No.11993


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11973復讐戦記の結末(気まま番外編)CANARU 9/22-23:06


秋風だけがその空間を駆け抜ける・・・。
あの馬鹿みたいに暑苦しかった季節がまるで嘘の様に。
涼やかな空気・・・・。
その流れるような空間に漂う芳香は・・・・・・・・。
季節を象徴するような・・・線香の匂いだろう・・・・・。
そんな状況にガウリイははあ・・・と溜息を一つ漏らし・・・。
「ああ〜〜・・日本の秋だなあ・・墓参りかあ・・・・・・・。」
感慨無量に呟いて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
どげらしゃあああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんんんん!!!!
その頭上にマトモにリナが投げ出した本が直撃した!!!!!!
「いででででででででででででででででででで・・何すんだああああああ!!!」
何やら不機嫌なリナにガウリイは抗議の声を漏らす・・・。
「あのねえ・・。ガウリイ・・。私達の状況を理解してるの・・?」
「・・『辻斬り』・・に追われてる・・・。」
とりあえず・・。状況認識能力はあるらしいことにひとまずリナは安堵の
溜息を漏らす・・。
「で・・。もう一つ質問!!ココは何処かな・・?ガウリイ君・・・。」
「・・・トルコのイスタンブール・・・だろ・・・?」
はあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「其処で!!饅頭と線香と死人花(彼岸花)お備えしているこの少年!!
不審に思わないかなあああ〜〜〜〜〜!!!!!!」
グリグリとガウリイの頭を拳でいたぶりながらリナは思いっきり怒鳴りつける!!
「あああ〜〜〜〜!!!だって・・・。コイツ(と、言いながら少年の方を指差す!)
知らない仲じゃないだろ〜〜俺達!!」
「そりゃま、そうだけどさ・・・・・。」
ともあれ・・・。こんな普段なら「何馬鹿やってるの!!」と言ってこの少年をドつき
倒している所なのだが・・・・。
事件は今から数週間前に遡る・・・・。


「ったく・・。何馬鹿やってんのよ・・・。」
ガサゴソガサゴソ・・・・・・・・・・・・・。
アフリカのアトラス山脈の一角・・・・・・・・・。
アフリカ大陸を仕切る極悪組織の一つを潰滅させたジョヴァンニ・・・・。
リナの実兄につれてこられたこの場所・・・・。
「まんまと・・騙されましたね・・・。」
まっさきに文句を言ったのは一番機嫌の悪い顔をしているリナ・・ではなく・・。
ナポリ、ヒチリアをとりしきるまだしも合法的なマフィア組織『カタート』
の若き総帥にしてリナの義兄・・・。
しかし、実態はルクセンブルク公国、ワルキューレの騎士団副旅団長の
ゼロスだった・・・。
「まったくだぜ・・・・・。」
やかんに注いだ水を・・大分温くなっているにも関わらず水分補給のタメにガボ飲み
するのはゼロスの部下にしてリナ・・・(実はルクセンブルク公国の王女だったりする)の仕事上の相棒・・(少なくともリナはそう思っている)ガウリイ。
「アホさ加減にも・・ほとほと・・言葉が無いな・・・。」
「まったくです・・・・・・・・・。」
ゼルとアメリアも間もなく抗議の声をあげる・・・・。
「其処まで言わなくとも・・。なあ、リナ・・リナ・・・・・?」
・・・・・・・・・・・・・(凄まじくコールドな視線・・・・・・・。)・・・・。
「だああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!悪かったよ!!アトラス山脈で遭難して・・。折角手に入れたエルミタージュのお宝紛失した俺が一番悪かったよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
半ば泣き顔で呟くジョヴァンニ・・・・・。
「・・・・ともかく・・・。泣き言はさて置いて・・・・。」
「そのようだな・・・・・。」
不意にリナとガウリイが背中合わせで構えるような体勢で立ち上がり・・・・。
ずばああああああああああああああああああああああああああんんんん!!!!!!
不意に炸裂する銃弾!!
「安心しな。麻酔よ、麻酔!!」
言いながらリナは雰囲気をつけるために『マフィア・カタート』のメッセージ・カード
をガウリイの銃弾に当たって倒れ伏した男の頭上に張りつける。
「・・・おい・・・・。」
不意にガウリイがその男の人相を眺めながら言う。
「どったの・・・???」
「いや・・・。ソイツ・・。有名なアフリカ諸国をまたにかける殺し屋・・・。
名前は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「ロッド・・・よ・・・・・・・・・・・・・・・・。」
リナとガウリイがアフリカから出国し・・ナポリに帰ろうとしたその時だった・・・。
背後から若い女の声が聞こえる・・・。
「ガウリイ・・・。」「リナ・・・・・・・・・。」
お互い目配せしあい・・・・・・・・・・・・・・・・・。
首筋にナイフが突き付けられている事を確認しながら一歩前に踏み出す。
条件反射的にだろうか?
二人の背後でナイフを付きつけていた女も思わず二人を追う形で一歩前に踏み出して・・。
びいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんんんん!!!
けたたましいサイレン音!!!
「そこだ!!その女性!!」
「金属探知に貴方は引っかかりました。従って身体検査をさせて頂きます!!
当分出国は許しません!!」
ズルズルと係員がリナとガウリイにナイフを付きつけていた赤い髪のナイフ女
を引きずって行く!!
「ちょっと〜〜〜〜!!!!金属探知にアタシが引っかかる様にするなんて〜〜〜!!
卑怯じゃないの!!いい!!アタシはあんた達に倒された男!!ロッドの妹
レミーよおおお〜〜!!こらあああ〜〜〜〜〜!!アタシの『ルクレツィア』をとろうなんて!!良い度胸してるじゃないのおおおおおお〜〜〜〜〜!!」
レミーという女の絶叫が大急ぎで400メートルは離れる様に逃げたリナとガウリイの耳の届く・・・。
「なあ・・。リナ・・。今あの女・・。『ルクレツィアを取る』とか言ってたが・・。」
「・・話の展開からして・・。係員に取られそうに成ってるあのナイフの事よ・・。
多分・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・刃物に名前つけてるって事か・・・・???」
「話の展開からして・・。そ〜としか考えられないわ・・・。」
その時は・・・・。
簡単な方法で一つの悪が滅んだ・・・と思い込んでいたリナとガウリイだった・・・。
かくして・・虚しい戦いは終わりを告げた・・と思ったが・・・。


「リナさん!!ガウリイさん!!」
早朝・・・。何時も『カタート』のメンバーが揃って食事をする一室に
怒りを露にゼロスが入室して来る。
「あ?何よ?馬鹿兄?」
ガウリイの日本人の友人・・・廻(カイ)という顔も性格もガウリイに似た少年
にイタリアのナポリまで送ってもらった納豆と沢庵という和食を食べながらリナは
ゼロスに尋ねる・・・。
「馬鹿兄・・ぢゃありませんよ・・。どうも・・。あなたはま〜〜〜った・・・。
新しい嫌がらせを開発してくれたようですねえ・・・・・・」
笑いながら言うが・・当然ながらその瞳は笑っていない・・・・。
「おい・・。リナ・・・。ゼロスの灰皿・・植木の受け皿に代用した事・・・。
バレたんじゃないのか・・・・???」
不意にリナの耳元でガウリイが言う。
「違いますよ・・。多分・・ゼロスさんのプリペード携帯・・。全部ノーパソモデム
に使っちゃって・・。残金ゼロにした事ですよ!!」
「そうでなければ・・・・。広辞苑を枕にして昼寝して・・。よだれを垂らした事じゃ
ないのか・・・???」
アメリア、ゼルまでもが色色な用例を持ち出す・・・。
「・・・そんな小さな悪事を働いてたんですか・・貴方達・・。まあ・・・。いいでしょう・・・・。兎に角!!庭に出てください!!庭に!!!」


「うふふふふふ〜〜〜〜♪やっぱり日本庭園の松ノ木は・・・切り心地が最高ね・・・。ヴェルサイユ風やイタリア風庭園だと・・・。切る樹木の背丈が低いから切り甲斐が
無いのヨねえ・・・・・・・・。」
じゃ〜〜〜〜りじゃ〜〜〜りじゃ〜〜〜〜〜っり・・・・・・・。
イタリアのナポリのど真ん中にありながら・・・。
ゼロスが作らせた日本庭園の松ノ木を・・・・・・・・・・・・。
これまた何処で入手したのだろう?銀色に輝く刃の日本刀でばっさ・・・ばっさ
と切り裂いていく・・赤い髪の女性・・・・。レミー!!!!!!!???
「・・・どう…?確か・・・リナさんにガウリイさんって・・言ったかしらね?
アタシの『忠助』の切れ味は・・・・・??」
ニヤリ・・・と残忍な笑みを浮かべながらリナとガウリイに尋ねるレミー・・。
「・・貴方お兄さんの仇を討ちたいことは分かったけど・・・・・。
ナンで・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ナンでこんな事するのよ・・・・・・・・。
さしものリナもこの女性の執念に・・コレ以上の言葉を絞り出す事が出来ない。
「・・決まってるじゃない・・・。アタシよりも強い兄さんが倒されたのよ・・?
アタシが叶うわけ無いから・・。嫌がらせに走ってるの・・。クス・・・・。」
きらりいいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんんん!!!!!
っと煌く刃で更に植木のお手入れをして行くレミー・・・・・。
その姿はなかなか別の意味で恐ろしい物が在る・・・・。


「ともかく!!このままじゃ『カタート』の疲弊が著しくなって・・。
たまった物ではありません!!!!」
バン!!と総帥の机を叩きながらゼロスは言う!!
「そう言われてもなあ・・・・。」
困った様にガウリイはリナの方を見ながら言う。
あの後・・・・。ナンとかレミーを追い払ったものの・・・・。
周囲で「何かが斬られている」と言う恐るべき事件が後を絶たなくなった・・のである。
「幸い・・。トルコに貴方達には飛んでもらう予定になってます・・・。
今回は『エルミタージュ』の宝捜し・・ではなく・・。個人的な依頼ですが・・。」
『個人的な依頼』に・・・。
つい今しがた間で無関心を決め込んでいたリナの顔色がまともに変化する!!
「ね・・・ねえ・・。その依頼人・・・って・・・。真坂とは思うけど・・・。」
「ええ・・・。『自称、超絶美形、イギリス貴族と日本人のハーフ、ナルシスト、危な系のロクデナシ、銀髪・…』ついでに言えばリナさんの中学時代の同級生の・・・。
氷(ヒョウ)さんですよ〜〜〜〜〜♪」:
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!」
只でさえ変なのに追いまわされているとはいえ!!
ナンでよりによって!!『アンなの』に関わらなければならないのおおおおおお!!!!リナの絶叫が総帥執務室に響くのに対して・・・。
「氷かあ・・・。そっか〜〜・・。アイツが居るならお供の廻も居るはずだな!!」
久々に親友に再会できる・・と言う事実にのみ喜ぶガウリイだった・・・・。


其処には・・・・。
線香の香りが漂っていた・・・・・・・・・・・・・・・。
「ナムアミ、ナミアム・・。ね〜ちゃん成仏してね(はぁと)・・。」
墓標も何も無いその場所に・・・・。
線香と饅頭、死人花を手向けながら・・ガウリイの親友の少年、廻は
妙に嬉しそうに呟き・・そして・・・・・。
どげらしゃあああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜んんんん!!!!!
リナの投石した漬物石がその脳天にマトモに直撃する!!
「アンタね〜〜〜!!前からアンタのおね〜さん・・・。緋雨裡さんのこと・・・。
煩がってたよ〜〜だけど・・。ついに殺ったわねえええ〜〜〜〜〜〜!!!」
あまりにも廻の顔がにこやかで・・・更に口調も嬉しそうだったので・・。
グイグイとガウリイに良く似た少年の首を絞めるリナ・・・。
「ぐわ〜〜!!リナさん・・・。そ・・そりゃあ〜〜まあ・・・。
僕だって・・氷様共々ね〜ちゃんが寝込んだ所・・後ろから首絞めてやろ〜と
荷造りテープ用意しかけたことありますよ!!!??でも!!殺ったのは僕じゃ
ありませんんん〜〜〜〜〜〜〜(涙!!)」
・・・・・殺人未遂容疑だろ・・どちらにせよ・・・・・。
「まあ・・。リナ・・。廻には出来て下剤盛るくらいの度胸がせいぜいだぜ・・?」
馬鹿にしているとも弁護しているともつかないガウリイの一言にコクコクと
頷く少年・・・・。
「ともかく!!ね〜ちゃんは何かと事件事故に巻き込まれやすいんですよ!!最近・・。
この辺りでも辻斬りが絶えないって言うし・・・。」
ぎく・・・・・・・・・・・・・・・・。
でも真坂・・あのレミーと言う女性がガウリイとリナがここ・・・。
トルコのイスタンブールに着ているという事態を知っているという事は・・・。
まずもって考えられないはずだ!!
そう勝手に思いなおしてリナは何かの偶然よ、と自分に言い聞かせる様にコクコクと
頷いてみせる。
「まあ・・。確かに物騒だよな・・。俺の部屋にもさ。こ〜んな爆弾仕掛けられてたぜ?」言うが早いか何やらポケットからごそごそと取り出すガウリイ・・・。
「ガウリイ・・・それ・・・・・・・・」
「あ、回線切ってあるから安心し良いぞ・・。しっかし・・・。俺も大変だぜ・・。
トルコに行く事ジョヴァンニと長電話して話してさ〜♪寝ぼけた拍子に電話線に
躓いたら・・。この爆弾あったんだもんなあ〜〜♪」
にこやかに馬鹿なことを言うガウリイに・・・。
「こんなアホくらげえええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
それは『盗聴機』でしょうがああああああああああ〜〜〜〜〜〜!!!!!」
リナの拳が炸裂したのは・・それから間もなくの事だった・・・。
ともあれ・・・。
これであのレミーに行動筒抜け・・と言う事実は確か・・である・・・。


「まったく〜〜!!君達っていっつも行動が遅いんだね〜〜・・。」
いやみたらたら・・・。
美貌のナルシスト・・銀髪男の氷がガーデン・テーブルのセットに腰掛けて
トルココーヒーを飲んでいる。
最近ではトルコはコーヒーの輸入を禁止されている・・・。
そう考えると高額の金を積んで現地・・つまりここで買ったのだろう・・。
コイツの嫌味&浪費癖から考えて・・・・・・・・・。
「ま。其処に座ってチャイでも飲んだら?」
言われるままに座って安物のチャイを飲むガウリイとリナ。
「お前・・ミルク入れないのか〜〜??」
ブラックで先ほどからガボガボコーヒーを飲んでいる氷に呆れた様にガウリイ。
「ちちち・・。本場はミルクなんて入れないものなのさ〜♪」
ポーズとバックのバラはいらん・・・・(汗)
「まあ・・。俺、苦いのイヤだから別い〜けど・・。」
そう言いながら不必要にチャイに砂糖を入れまくるガウリイ・・・・。
まあ、こんな雑談は早々と切り上げるべき・・と判断してリナは口を開く。
「アンタの今回の依頼・・。緋雨裡さんが行方不明になったことと関連あるの?」
「・・あるかもしれないし・・。無いかもしれないね・・。
まあ。緋雨裡ときたら・・。ヴェネツィア行けば運河にボッチャン。アレクサンドリア行けばコレラで合掌。アクロポリスに行けば大理石が頭上に落ちてドンガラガシャン。
ベルリン行けばベルリンの壁の残骸から転げ落ちる・・。フランスのアンボワーズ城に行けば・・シャルル8世の幽霊に見惚れて城壁に頭がっしゃ〜〜〜んって言う具合だしね。」
「・・・そう言えば・・。俺達緋雨裡さんと話した事無かったよな・・・。」
「ええ・・。面会時間の10分の9以上は彼女、気絶していたわよね・・・・。」
改めて廻の姉の悲運を思い合掌するガウリイとリナ・・・・(汗)
ちなみに『シャルル8世の幽霊』にガウリイが怯えてリナの手を思い切りつかんで・・。
テーブルの下で思いっきり足を蹴り飛ばされるはご愛嬌・・というもんである。
「とにかくさ。君達にお願いしたい事は二つだけだね・・・・・・・。」


「ヒッタイトの遺跡荒らし・・ねえ・・・。」
氷の会社の一大プロジェクト・・・。
トルコに眠るヒッタイト族の遺跡の発掘作業・・との事だが。
最近その遺跡を我が物にしようとトルコ一帯を仕切る悪徳組織がはびこって
居るらしいのだ・・・・・・。
それを・・駆逐するのが第一の依頼・・・・。
その程度の事ならば・・まだまだ容易い事なのだが・・・・。
第二の依頼・・というのが・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「僕のトルコバラ園のバラ・・・。めちゃめちゃに切り刻んで行った奴をふん捕まえるか・・。成敗してくれない・・・?」
というものだったのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「なあ・・・。リナ・・・。あの切り口って・・・。」
「間違い無いわ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
あのレミーの仕業に・・間違い無い・・・・・・・・・・・・・・。
トプカプ宮殿を観光しながら・・先ほど無残に切り刻まれた氷のバラ園
を思い出しながらガウリイとリナは溜息をつく・・・・・・・・。
「とりあえず・・。第一の依頼を遂行するのが先決ね・・・。」
ともあれば、現実逃避とも思われない口調でリナ・・・。
「そうだな・・・。で、リナ、ヒッタイトってナンだ?」
「・・古代の民族の一つよ。ラムセス2世統治下のエジプトと戦ったの・・・。
世界で初めて鉄を発見した種族でね・・・。その鉄で・・・・・・・・・・。」
「ふふふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こ〜〜〜〜んな剣を作って戦ったのよねえ〜〜♪どう・・・。古代風の剣『ダレイオス』:
君を首に付きつけられた気分は・・ふふふふふふふふふふふふふ・・・・。」
背後に忍び寄るその影・・・・・・・・・(汗)
首筋に付きつけられた・・刃物の感触に思わずリナは汗する!!
「れ・・・レミー・・・さん・・・??????」
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・。
「お久しぶり・・。ロッド兄さんの仇のリナさん・・ふふふふ・・・。」
古代の鉄器を使用した事疑いなしのナイフをちらつかせながら微笑むレミー・・。
は・・ハッキリいって怖い!!その一言につきるうううう〜〜〜〜〜!!
「・・・ねえ・・レミーさん・・。その鉄・・真坂・・『盗掘』したんじゃあ・・。」
「安心して・・。鉄板一つあればね・・アタシ、青龍刀、お手製で作れるの〜♪」
(※実際に中国の田舎じゃそ〜やってお手製刀作っていたらし〜よ・・・。)
いや・・・・・・・・。
正直言ってそ〜ゆ〜問題では無いと思うのだが・・・・・・。
「とにかく!!!」
言い放ちながらレミーの手からナンとか逃れ・・・。
「逃げるわよ!!ガウリイ!!」
「おう!!!!」
流石にこんな観光地で・・ましてや復讐目的を持つ怪しいね〜ちゃんと対峙
している場合ではない!!それだけである!!
言うが早いかリナとガウリイはさし当たって人通りの少ない場所・・・。
即ちヒッタイトの遺跡の発掘現場に大急ぎで駆け出す!!!!!!


タクシーを捕まえてどれだけ逃走しただろうか・・・?
既に先ほどの場所から金閣湾の向う岸・・更にガラタ橋を渡り、ガラタ搭の周囲に
辿りつく。
かつてはビザンツィン帝国、ラテン帝国・・更にはここから遺跡の発掘されている
ヒッタイト民族に支配された土地、イスタンブール。
かつての東ローマ帝国の首都・・・・・・・・・・・・。
思わずそんなノスタルジアが逃亡を忘れて脳裏に過る。
「リナ!!!」
不意に足下の遺跡をいじっていたガウリイがリナを呼びとめる。
「これって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
見間違う事は無い・・・・・・。
輸入禁止にされている・・トルコのコーヒーの束・・である。
恐らく紀元前には倉庫であった場所だろう。
そこに麻袋に入れられて大量のコーヒーが埋もれているのだった・・・。
「なるほどね・・・・・・・・・・・・・・・。」
恐らく・・これは三流悪徳企業の・・資金源と言った所か。
氷はトルコ人ではなく単なる利益を追求する一企業人だから気に止めたのだろうが。
大概のトルコ人は自国・・トルコに存在する遺跡には無関心な態度をとるという。
もともとはタタール民族、中央アジア出身であり、混血である流浪の民。
東ローマ時代にしてもトロイの遺跡にしてもこのヒッタイトの遺跡にしても。
トルコ民族にして見れば「異文化の産物」にしか過ぎないので・・であろう。
それを・・「隠れ蓑」にするのは割と容易い事なのかもしれない・・・。


「見つけたぞ!!」
少なくとも現地人ではないだろう・・・・。
南イタリア辺りの悪徳マフィア・・と言うことは疑いの無い数人の男達が
リナとガウリイの周囲を包囲している。
「おい・・。ど〜する・・・。」
この程度の相手なら・・すぐにでも倒せる事は疑いなし・・なのだが・・・。」
「そうね・・・・・・・・・・・・・。」
チラリ・・とリナは在らぬ芳方角に視線を送る。
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・・。
見つけたわよおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
微笑みながら、指一杯に投げナイフを抱えながら現れた人物は・・言うまでも無い・・。「兄さんの仇〜〜〜〜〜・・・。行くのよ!!モルガン、ランスロット、ガーウレイン、
ヴィヴィアン、モードレッド!!!!」
言うが早いか、無作為にナイフを投げ出すレミー!!
その狙いは違わず・・ガウリイとリナの方に直撃するはずだったが・・・・・。
「避けろ!!」「当たり前よ!!」
二人が避けたため、包囲していた連中に見事にナイフが突き刺さる!!
「ちいいい!!アタシのナイフで危機を奪回するとは!!!」
一応状況はわかったのか・・悔しそうに言うレミー!!
「・・・まあ・・。確かに。俺達を殺すつもりで投げたのを・・利用されちゃ・・」
言いかけるガウリイだが・・・・・・・・・・・。
「ちいいいい!!敵は一人一人!!丁寧に刃物で切り裂いてあげるのが乙なのにいい!!
あの切れ味を味あわないなんて!!何てワビサビの分からない連中なの!!!?」
ズベ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
レミーの発した一言に・・ガウリイがマトモにすっこける!!
「な・・なんだ・・アイツ!!」
「構う事は無い!!また埋めちまえば問題無いさ!!」
ガウリイとリナ以上にレミーに危険なものを感じたのだろう。
一斉にターゲットを変更して飛び掛って行く悪人達!!
「飛んで火にいる・・・刃物の露汚しね・・・・くす・・・・・・。」
何やら物騒なことを呟き・・・そして・・絶叫・・・・・・・・。
「なあ・・。リナ・・・・・・・・・・。」
「・・・少なくとも急所は外してるわ・・。せいぜい傷害罪と・・・・。
銃刀法違反ぐらい・・ね・・・。」
冷静に罪状を六法全書で調べるリナ・・・・・。


「今度は・・貴方達の番ねえ〜〜〜♪」
じゅる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
舌で手に持った煌く刃物を舐めながら・・。レミーはガウリイとリナの方を
向き直る・・・・。そして・・その手には・・・・・・・・・・・・・・・。
『カタート』・・・・。リナがかつて倒した人物・・レミーの兄ロッドの額に
置き去りした紙・・・・・である。
「おい・・・・。」「そ〜みたいね・・・・・。」
格好つけたばかりに身元が割れた・・ってか・・・・・・。

じゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
紙が宙を舞い・・そして・・・・。
「どうも・・。こんな小さいカードじゃ斬り心地イマイチねえ・・・・。」
物騒な感慨を述べるレミー・・・・・。
が、その時である・・・・。
ファンファンファンファンファンファンファンファンファン・・・・・・・。
不意に聞こえるパトカーのサイレン音!!
そんな音に気付かず自己陶酔しきっているレミーの両脇を何時の間にか現れた
警官二人が取り押さえ・・・。
「銃刀法違反により逮捕する!!」
その一言が彼女を現実に戻させたらしい・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ちょっとおおおおおおおおおおおおおお!!兄さんの仇を取らせなさいよおおおおおおおおおおおおおおお!!!この二人を切り刻まないと気が済まないわ〜〜〜〜〜〜〜!」絶叫を上げながら連行されるレミー・・・・・・・・。
かくして・・・。
罪状は銃刀法違反・・のみとされたが・・・。レミーが連行されたスキに
さっさと逃げ出す事に越したことは無い・・と判断するガウリイとリナだった・・・。


「で・・。僕のバラ園荒らしたのは・・・・???」
「・・・さあ〜〜〜・・・。ま、今ごろ逮捕されたとは思うけど・・・。」
流石にあのレミーのことは言いたくない・・・。
氷なら・・・・・平気で鑑別所のレミーに文句を言いに行き・・一戦交える。
などと言う恐ろしい出来事が起こるやもしれなかったからだ・・・・・・・・。

かくして・・・・・・。
依頼料金貰うだけ貰い、トンズラこくガウリイとリナ・・・・・・。
ちなみに緋雨裡は数日後、ヒッタイトの遺跡から無事(?)発掘されたらしい。
大方あの悪徳組織のコーヒーを見てしまい・・埋められたものだろうと推測する・・・。


「所でリナ・・・・。」
「何よ・・・・・・・・・・・・。」
「肝心なこと忘れてる気がするんだが・・・・・・・・・・・・・・。」
「何よ・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・シャルル8世の・・・・幽霊って・・・・・・・・・。」
「ああ・・。シャルル8世。1470年産まれ。イタリア遠征をしたフランスの王様。
けどね、アンボワーズ城の修理中、石垣に頭をぶつけて死んじゃってね・・・・。
その王様の幽霊が・・いまだにそのお城では当時の服装のまま現れるの。
そして・・観光客に頭をぶつけないように注意するの・・・。って・・ガウリイ!!」
「ぎゃああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
「アンタが聞いたんでしょうが〜〜〜〜〜!!抱きつくなあああ〜〜〜!!」
「俺はお化けが大嫌いだあああああ〜〜〜〜(絶叫!!)」
かくして・・・。
飛行機の衆人環境、リナの苦悩とガウリイの怯えはまだまだ続く・・・・。


(番外編、お終い。気が向けば本編に続きます)

教訓・・・・罪を憎んで人を憎まず!!って・・違うか・・・(汗)

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11986一番強かったのは・・・P.I E-mail 9/24-13:47
記事番号11973へのコメント

CANARUさん、こんにちは〜♪
日曜昼からネット三昧のPです〜!!
久々の「気まま」番外!・・・なんかジョジョ&リナより物騒な兄妹(とゆーか
妹のみ)登場ですね!(兄貴は早々にやられちゃったし・笑!)
せっかくなんだから松の木や薔薇なんか切ってないで、氷殿下の二刀流との
立ち会いが見てみたかった気もしますが(^^;)二人を戦わせておいて、
リナとガウリイはポップコーンとコーラ片手にのんびり観戦・・・
主役の骨休み。これぞ番外!(爆)
ところでジョジョ兄貴が無くしたエルミタージュの宝、その後無事見つかった
んでしょーか?シャルル8世の幽霊よりそっちのほーが重大なんじゃないかい、
ガウリイ君!?(^^;)
今回一番強かったのはガウリナでも殿下でもなく、空港の職員さんとトルコの
警官さんでしたね〜。刀振り回す辻斬りレミーさんを両脇からがちっと(笑)
えらいぞ小役人!公務員の鑑だ!!
本編の続きも楽しみにしてますよ〜♪
それではまた!

来月WOWOWで「エリザベス」が放送されます!楽しみだ〜♪

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11993主役の骨休み〜♪CANARU 9/24-20:17
記事番号11986へのコメント

>CANARUさん、こんにちは〜♪
>日曜昼からネット三昧のPです〜!!
どうも〜〜!!
「気まま」すら完結していないのに!!
早くも新シリーズに手を出してしまったCANARUですうう(汗)
ああ・・首しめ・・首しめ・・(汗)

>久々の「気まま」番外!・・・なんかジョジョ&リナより物騒な兄妹(とゆーか
>妹のみ)登場ですね!(兄貴は早々にやられちゃったし・笑!)
ですねえ〜〜♪
しかし・・・レミーさん・・敵討ちよりも辻斬りが本命になってきている
所が・・・(汗)
書いていて非常に怖かったですうう(汗)
>せっかくなんだから松の木や薔薇なんか切ってないで、氷殿下の二刀流との
>立ち会いが見てみたかった気もしますが(^^;)二人を戦わせておいて、
>リナとガウリイはポップコーンとコーラ片手にのんびり観戦・・・
あ。良いですね〜〜!!
その周りで下僕の廻くんが一生懸命ゴミ拾い!!
休憩と称して差し出すドリンクの中には・・(汗)ですね・・・!!
>主役の骨休み。これぞ番外!(爆)
まったくです〜〜♪
>ところでジョジョ兄貴が無くしたエルミタージュの宝、その後無事見つかった
>んでしょーか?シャルル8世の幽霊よりそっちのほーが重大なんじゃないかい、
>ガウリイ君!?(^^;)
はうううう!!
任務よりも怖がりの癖に幽霊を気にするガウリイ君!!
何故かラストでそんな所が思いついた次第です〜〜♪
>今回一番強かったのはガウリナでも殿下でもなく、空港の職員さんとトルコの
>警官さんでしたね〜。刀振り回す辻斬りレミーさんを両脇からがちっと(笑)
>えらいぞ小役人!公務員の鑑だ!!
ははは〜〜♪
まったくですうう!!あとは役人さんにお任せしてさっさととんずらする
ガウリイとリナ〜〜〜!!
これも一種の骨休みですね!!
>本編の続きも楽しみにしてますよ〜♪
>それではまた!
はい〜〜♪
今回はちょっと脱線しちゃいましたけど(苦笑)
>来月WOWOWで「エリザベス」が放送されます!楽しみだ〜♪
みゃ〜〜〜!!
見ます〜〜見ます〜〜!!
あの感動をもう一度!!ですね!!