◆-お待たせしました!(え?待ってない?)-投稿者:YUKARI(1/10-15:34)No.687
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687お待たせしました!(え?待ってない?)YUKARI 1/10-15:34

さてと、ではゼロアメ小説をここにアップさせていただきます。
話としてはNEXTからTRYの間の出来事と思って下さい。
ちなみにこれは猫南に載せたものとは違います。



月の光と人の影



「おやおや、あなたでしたか。僕を呼び出すなんてどうしたんです?」
ここはセイルーンから少し離れた場所に位置する古びた寺院である。そこは魔の気
がある不吉な場所として、立入禁止になっている区域。
 その寺院の中のちょっとしたホールになっているところに私はいた。
「僕を倒そうだとかする、と言うのなら無駄だと思いますよ。あなたにも僕の力は
だいたいお目にかけていると思いますし・・・ねえ、アメリア・ウィル・テスラ・
セイルーンさん」
そう。私の目の前にいるのは獣神官(プリースト)ゼロス。そして彼が立っている
のはややこしい――魔族を召還するための――魔法陣。私が書いたモノだ。
私はただじっと彼を見つめている。
ゼロスさんはやれやれと言った様子でため息を付いた。
「もう一度言いますよ。悪いことは言いません。僕を消そうというのなら無駄です
。早くお帰りになられたほうが・・・」
「違います!」
私はやっと口を開く。実を言うと言い出すのが怖かった。だからずっと黙ってた。
私はそのまま強い口調で
「私があなたを呼びだしたのは・・・あたしを魔族にして欲しいからです!」
と言いきった。
「おやおや、またどうしてそんなことを?」
彼は興味深そうな表情で言う。あたしと彼との間に重々しい空気が流れたのを感じ
た。私は少し落ち着くと
「魔竜王ガーヴの事を覚えてますか?あの人は『自分が生きるために戦って何が悪
い?』『人間になってから考えが変わった』って言ってました。私は魔族にも魔族
なりの正義があるんだと思いました。本当に正しいのは何なのか・・・それを確か
めたいんです。」
とはっきりした口調で言った。
「・・・分かりました。あなたがそれを望むなら・・・しかし本当にいいんですね
?」
コクンッと私は小さく頷く。私は彼の瞳をまっすぐ見つめた。
すっと彼が一度消える。おそらく精神世界面に入ったんだろう。次に現れたのは私
の目の前だった。
彼はそっと私の頬にふれると、
「中級の魔族は何か物を契約の証としますが・・・あなたは割と魔力容量が大きい
ですからある程度のショウ気で十分でしょう。」
そう言うとすんなりあたしの唇を奪う。冷たい唇の感触がしたと同時に何か今まで
とは違う力が入ってきたような感じがした。
 そのまま私の意識はホワイト・アウトした。

アメリアは意識を失うと、ゼロスの腕の中に倒れ込んだ。ゼロスはアメリアの小柄
な体を抱きしめながら、
「今はお眠りなさい。やがてかつての友と戦う日が来る。そのときまで、ほんの少
しだけ・・・」
とつぶやくとそのまま漆黒の闇の中へ消えていった。

  2

私は自分の望み通り魔族になった。
あのあとゼロスさんに連れられて、着いたのは不思議な感じをした女の人の前だっ
た。その女の人が手をかざし、私の額にふれると何か大きな“力”が魔族になると
き感じたような“力”が体に入ってくるような感じがした。・・・あとはよく覚え
ていない。
ただ次に私が気付いたとき、着ていた服は一国の騎士のようになっていた。すぐに
ゼロスさんが来て、私は自分が獣将軍になったことを知った。たいていは神官と将
軍をセットで造るが、私の場合は魔族になったものに獣王の力を“封じ込んだ”の
で、ゼロスさんと同じくらいの力が付いたのだそうだ。
でも別にそんなことに興味はなかった。「自分が魔族になった」それだけで十分だ
。それからしばらくゼロスさんにくっついて獣王様の指令をこなしながら自分の力
になれていった。
どちらかと言えば興味深かったのは人が人間の負の感情を“食べる”というのを知
ったときだった。獣王様の所に報告に帰ろうとしたとき、口の中に今まで感じたこ
とのない味がいきなり広がった。それは少し苦いようだったのにたまらなく美味だ
った。
私が少しとまどっていると、ゼロスさんは
「ああ、それが人の“負の感情”ですよ。人の負の感情が発せられると近くにいる
一番手短な魔族に吸収されます。どうです?なかなか美味でしょう(ハート)」
といつもと変わらないにこにこした笑顔で教えてくれた。
確かに美味と言えば美味だ。
「ゼロスさんもいつもこんなの食べてたんですね。ひょっとして私たちの負の感情
も食べてたんですか?」
「ええ(ハート)なかなかおいしかったです。」
「・・・リナさんが知ったらかなり怒りますよ、それ」
「そうかもしれませんねぇ。」
全然悪気がなさそうなところがまだ少し苦手。
「でも・・・」
「え?」
「またすぐに会えると思いますよ、リナさん達にね。」
そう言ってゼロスさんは軽くウインクをしてみせた。


おしまいっ

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688お待たせしました!(え?待ってない?)2!!YUKARI 1/10-15:38
記事番号687へのコメント
こっちは猫南に載せたヤツ。
結局アメリアは魔族になるーーーー

ゼロス×アメリア小説1



ずぶっ

腹部に強烈な痛みを感じる。見るとそこには槍状になったヤツの手が突き刺さっていた。
ヤツはそれをゆっくりと引き抜く。私はかろうじて立っている状態だ。もう次にもう一撃
食らったら終わりになってしまう。

ごふっ

のどの奥から血の固まりが混み上がってくる。ゆっくりと視界がぼやける。これが死ぬっ
て事なのかな?そのまま私は倒れ意識を失った。
そう、あたしはマルチナさん達の結婚式に行ってその帰り、セイルーンの近くまでゼルガ
ディスさんに送ってもらったんだっけ。
「これからどうするんですか?」
「俺は俺の体を元に戻す方法を見つける旅を続ける。」
「ゼルガディスさん・・・」
「ん?なんだ?」
「また・・・会えますよね?」
「縁があったらまた会えるだろ。またな!」
そう言って分かれて・・・森の小道を歩いてたら・・・そうだ、やつが現れたんだ。
いきなり空間がねじ曲がって・・・異空間に放り出された。やつはレッサーデーモンを巨
大化したようなヤツで・・・問答無用で飛びかかってきた。
「名のりも上げず、いきなり飛びかかってくるとはなんと卑怯な!」
そう言ってもヤツは聞く耳を持たないって感じでなおも攻撃してきた。
「説得も無理のようですね!では致し方ありません!」
私はすぐに呪文の詠唱にはいる。しかし思ったより動きが早い!
何とか攻撃をよけながら呪文の詠唱を続け、後ろにまわり隙をついたところを一気に呪文
をたたき込む!
「ラ・ティルコ!」
少なくともレッサーデーモンの強化版ぐらいならこれで倒せるだろう。と、思っていたら
青い光が収まると、そこには少しのダメージもうけていないような感じのやつがいた。
まさか!?もしかして精神世界面が隔離されている!?
一瞬の隙をついてヤツが突っ込んでくる!ギリギリでよけようとするとよける寸前のとこ
ろでヤツの手が伸びた!よけきれない!?

ずぶっ

腹部に強烈な痛みを感じる。見るとそこには槍状になったヤツの手が刺さっていた・・・
・・・

私・・・どうなったんだろう。死んだ?でもこんなに意識がはっきりしてるモノなのかな

私はゆっくり目を開けてみた。そこは光でも闇でもない奇妙な空間だった。
「ここは・・・?」
体を起こして辺りを見回す。でもなんか変な感じ。体全体を見てみるといつの間にか服が
変わっていた。
騎士が着るようなデザインでミニスカートの白い礼服とブーツ。肩の飾りの所に血のよう
な赤い宝石が付けられている。少し寒いような気もするけどグレーのタイツが暖かだった

私が少し混乱していると、後ろからどこかで聞き覚えがあるのほほーんとした声が聞こえ
てきた。
「ああ、ようやくお目覚めですね。アメリアさん。」
「ゼロスさん!?どうしてあなたがここにいるんですか!?」
「それはもちろん、あなたをお迎えに来たからですよ。僕がここにあなたを連れてきたん
ですからね。」
「え・・・?」


「あのーアメリアさん。もう少し近くに来て下さいませんかねー。それじゃ、話もできな
いですし・・・」
「結構です!それにいきなり私をこんな所に連れてきて、いったい何考えてるんですか!

私はゼロスさんとかなりの距離を置いている。いくら何でも「百害あって一利なし」「生
きとし生ける者すべての天敵」「生ゴミ以下の存在」にそうやすやすとは近づいたりしま
せん!
「あなたにお会いしたいとおっしゃているんですよ。僕の上司様が、ね。」
「上司って・・・ま、まさか獣王ゼラス=メタリウム!?」
「おやおや。さすがアメリアさんですね。」
まあ、リナさん並ではないにしろ私だってこの世界の魔王の腹心ぐらいは知っている。フ
ェブリゾの時のように別の魔族へついていないんだったら上司といえば獣王しかいない。
「冗談じゃありません!そんな魔族の所なんて行くもんすか!!」
私はすごい剣幕でそう言ってみせた。ゼロスさんはやれやれというように1つため息をつ
くといきなり姿を消す。
「えっ!?」
私が混乱しているとすぐ後ろで気配が生まれた。驚くより早くからだが浮かび上がると、
次の瞬間私は全然知らない場所にいた。
「獣王様。連れて参りました。」
「ええ、ありがとうゼロス。」
そう言うと声の主はにっこりと微笑む。
 ふと声のした方を見ると目の前にある1人の女性が浮かんでいた。綺麗な金色の髪をな
びかせて何もないはずの空間に座っている。
 私はゆっくりとゼロスさんに下ろされる。さっきは気が動転していて気がつかなかった
けど、どうやら私は(結構恥ずかしいことに)ゼロスさんに抱き上げられていたようだ。
 その女性は知的そうな瞳にちょっぴり好奇心の色をたたえながら私を見た。でも私は険
しい表情のままその人を見た。一見か弱そうな普通の女の人だけど・・・その外見とは裏
腹に体から出ているしょう気は半端なモノじゃない。たぶんこの人がゼラス=メタリウム
なのだろう。
 ふっとその人は口を開き、
「あははははは!!」
と笑い出した。
「???」
「あははは、そんなに堅くならなくてもいいのよ。そんなに警戒してたら疲れちゃうわ。
」「え、えっと・・・」
「それよりあなたは知りたいんでしょ?いろいろと。」
そのセリフを聞いて私ははっとする。
「そ、そうです!いったいあなた達は私をこんな所まで連れてきていったいどうするつも
りなんですか!」
「別に。どうもしないわよ。ただ私たちの仲間になってもらうだけ。」
「へ・・・?」
「このごろガーブにフェブリゾと魔族の上層部もいなくなって来ちゃってね、魔族も人手
不足で困ってるのよ。」
「じょ、冗談じゃありません!私は魔族になんかぜっっったいになりません!」
「あら、もうあなたは魔族なのよ。」
「な・・・!?」
「ゼロス。説明してあげてくれるかしら?」
パッと私はゼロスさんの方を振り返る。
「僕は知能は低いですが、精神世界面が隔離されている・・・ちょっとやっかいなガーブ
の残党を追っていましてね。すんでのところで逃げられまして、ここでけりを付けておか
ないとやたらとやっかいですし後を追っていたんです。それで追いついてみればあなたが
とどめを刺されそうになっていたんです。僕は隙をついてあいつを倒しましたが、あなた
はもう助かる見込みがないほど重傷だったんです。」
「じゃあ・・・どうして私は・・・」
「さっきも言ったように僕たちも人手不足でしてね。あなたは人間にしては魔力容量が割
と大きいので魔族として復活させたんです。」
一瞬意識がなくなったかと思った。私はもう人間じゃない。私はもうアメリアという1人
の人間じゃない。そう思うと自分の中から悔しさと嫌悪感が生まれてくるような感じがし
た。
「あなたには私の魔力を封じ込めておいたからゼロスぐらいの力がついたはずよ。これか
らは獣将軍として働いてもらうわ。」
獣王の声が無情に響く。私は少しうつむいたままくるりと後ろを向くと獣王に向かって軽
く頭を下げる。
どうしていいか分からなかったけど、獣王に対してのけじめのつもりだった。
「しばらくはゼロスと一緒に行動すると言うことになるわね。ゼロス、それじゃあ頼むわ
ね。」
「仰せのままに。」
ゼロスさんもゆっくりと頭を下げた。


私は小高い丘の上に座って夕日が沈むのを見ていた。ふと、後ろに気配を感じて振り返る

「こんなところで何をしてるんですか。」
「ゼロスさんですか。・・・ちょっと夕日を見ていたんです。」
「へえ・・・なかなか美しいですね。」
「魔族にもそんな感情があるんですか?」
少しトゲのある言い方だったかな?そんなことはお構いなしにゼロスさんは私の隣に腰掛
ける。
「確かに僕らは生きとし生ける者の負の感情で生まれましたがね、ちゃんと感情もあるし
、傷つけば悲しみます。」
「・・・・・・」
「僕らにだって存在理由があるからこそ、ここに居れるんだと思いますよ。」
「・・・慰めてくれるんですか?」
「それは秘密です(はあと)」
「・・・ありがとうございます。」
そう言って横にいたゼロスさんに少しもたれかかる。ゼロスさんはちょっと驚いたようだ
ったけど、ふっと笑って私の頭を軽くなでてくれた。ゆっくりと夕日が沈んでいった。 
             確かに私は魔族になった。けど、私の人間としての意志はま
だある。これで私自身の正義を見つけていけばいい。
「そう言えばゼロスさん。どうして私を助けてくれたんですか?」
「え?だからあなたを魔族に引き込もうと思って・・・」
「でも、わざわざ虫の息の人間を魔族として復活させるなんて面倒なことしなくてもいい
と思いますよ。」
「かないませんね、アメリアさんには。」
ゼロスさんはそう言って苦笑してみせた。そしてあっという間に私の唇を奪うと
「これが僕の答えです。」
と言った。
私が真っ赤になって口をぱくぱくさせているとゼロスさんはさっさと立ち上がって姿を消
してしまった。
夕日はいつの間にか沈み、まだぼんやりとした空に1番星が輝き始めた。


おしまいっ♪

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692Re:お待たせしました!(え?待ってない?)!!松原ぼたん E-mail 1/10-16:10
記事番号688へのコメント
 待ってましたよ。おもしろかったです。

>ゼロス×アメリア小説1
 再掲示有り難う御座います。やっぱりおもしろかったです。
>月の光と人の影
>「今はお眠りなさい。やがてかつての友と戦う日が来る。そのときまで、ほんの少
>しだけ・・・」
 アメリアおそらく気づいてなかったんでしょうね。
>「またすぐに会えると思いますよ、リナさん達にね。」
>そう言ってゼロスさんは軽くウインクをしてみせた。
 そのときどういう事になるか分かっててそう言う事言うんだから・・・・・ゼロス魔族ですねぇ。

 また何か思いついたら是非書いてくださいね。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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723Re:お待たせしました!(え?待ってない?)2!!えれな E-mail 1/11-07:32
記事番号688へのコメント

ゼロアメって初めて読みました・・
なんか新鮮でよかったです。

ところで、気になったのがひとつあります。
>
>「ラ・ティルコ!」

これ、間違いですよね?ギャグじゃないですよね?
でも、わたし大笑いしちゃいました。
ごめんなさい・・・

>私はゼロスさんとかなりの距離を置いている。いくら何でも「百害あって一利なし」「生
>きとし生ける者すべての天敵」「生ゴミ以下の存在」にそうやすやすとは近づいたりしま
>せん!

アメリア・・そこまでいうか・・・?



>「確かに僕らは生きとし生ける者の負の感情で生まれましたがね、ちゃんと感情もあるし
>、傷つけば悲しみます。」
>「・・・・・・」
>「僕らにだって存在理由があるからこそ、ここに居れるんだと思いますよ。」
>「・・・慰めてくれるんですか?」
>「それは秘密です(はあと)」
>「・・・ありがとうございます。」

うーん。ゼロス・・いいやつだ・・


>「かないませんね、アメリアさんには。」
>ゼロスさんはそう言って苦笑してみせた。そしてあっという間に私の唇を奪うと
>「これが僕の答えです。」
>と言った。
>私が真っ赤になって口をぱくぱくさせているとゼロスさんはさっさと立ち上がって姿を消
>してしまった。
>
立ち去るところが、にくいぜこのお!
って感じでした。

新たな新境地に触れた気分でした。
またかいてくださいね。
読みますから。
では。えれなでした。