◆-つたない過去のお話!-投稿者:月影るい(12/26-02:07)No.421
 ┣┳Re:つたない過去のお話!感想で−いっ!!-投稿者:御茶らちゃ(12/26-12:52)No.425
 ┃┗━御茶らちゃさん、Thanksです!-投稿者:月影るい(12/27-09:31)No.441
 ┣┳Re:つたない過去のお話!感想でごんす。-投稿者:いっく(12/26-22:54)No.433
 ┃┗━いっく様、Thanksです!-投稿者:月影るい(12/27-09:40)No.442
 ┗┳つたない過去のお話!ゼロス編-投稿者:月影るい(12/27-08:53)No.437
  ┗┳つたない過去のお話!ゼロス編U-投稿者:月影るい(12/27-08:58)No.438
   ┗┳つたない過去のお話!ゼロス編V-投稿者:月影るい(12/27-09:04)No.439
    ┗━つたない過去のお話!ゼロス編W-投稿者:月影るい(12/27-09:16)No.440


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421つたない過去のお話!月影るい E-mail 12/26-02:07

はじめましてこんばんわ、月影るいと申すものです。
え〜と、暇でしたので以前『子猫南』で書き込んでいた小説もどきを載せようと思
いまして再掲示を試みました。
では、楽しんでいって下さい。またお会いできたらお会いしましょう。

『リナ=インバースの過去』

「ねぇ。リナさんの小さいころって、どんな風だったんですか?」
食事中にいきなり言い出した一言はアメリアだった。
「何を言い出すのよアメリアぁ」
あたしは、コーンのポタージュをすすりながら聞いた。
「えーと。何となくふと思ったからぁ」
アメリアは、言葉を繕いながら言い分けのように答えてきた。
あたしは、深いため息と共にアメリアのほかにいるガウリィ、ゼル、ゼロスを見回
した。
 みんなは興味津々とばがりにあたしを見てくる、やはりまた深いため息をはいた
あたしは言葉を切り出した。
「そうねぇ。
実は言うと、今よりはまだ普通だったかもしれないわね。
なんたって姉ちゃんの厳しい教えでこんなに強くなったて言ってもいいかもしんな
い」
そしてあたしはぽつぽつと語り始めた。
あたしはまた息を吐き出し、語り始める。

 不思議な出来事・・・ 
―そうあれは、確かあたしが5歳の時、ある日、あたしは泣いていた。
何故かと言うと・・・
 
 犬の『ゼロ』が死んでしまったからだ。
 あたしが、ゼロと一緒に街道で遊んでいたら、向こうから走ってきた荷馬車に、
あたしが引かれそうになるのを、ゼロは、あたしをかばって代わりに引かれてし
まった。
 荷馬車は、そのまま行ってまった。
「ゼロ・・・なんで、なんで?
・・ねぇ、あたしが呼んだら、起き上がるよね?呼ぶよ!
ゼロ?・・ゼロ。ゼロってばぁ!」
あたしは、いつもの声より大きな声を出した。それでも、ゼロは起きなかった。
あたしは、仕方なしに、お墓を造ろうと立ち上がったら、一つの影が覆い被った。
「?」
あたしが振り返ると、一人の男の人はあたしに声をかけてきた。
「どうしたんです、お嬢さん?」
その男の人は、あたしを観るなりたずねてきた。
あたしは、ひくひくと泣きながら答えた。
「あのね、あたしの可愛がっていた犬のゼロが死んじゃったの・・・」
あたしがそう言うと、その男の人は、そうですか・・・といってゼロに触って。
「死に行く者は、混沌へ闇に消え、あの方の元ではじめからやり直してまた生き返
んですよ?分かりますかお嬢さん?」
あたしに掛けられた声に反応し、しかし、あたしは言葉の意味が取れず首を傾げる
と、その男の人は、あたしの頭をなでながら・・・。
「・・・わかんないですよね?もう少し大人になったら分かりますよ、リナさん。
それでは、かわいそうなゼロにお墓でも作りますか?」
男の人は、いきなり見ず知らずのはずのあたしの名前を言った。
「・・・ねぇ、お兄ちゃん?なんであたしの名前知ってるの?」
あたしが、ふと出した答えに、男の人は、ふざけた様に笑いながら。
「あははは、そう来ましたかぁ。さすがリナさんです。
あっ、あぁー、なぜ知っているかですよね」
男の人は、腰に手を当て、人差し指を口に・・・
「それは秘密です・・・」
そう言って、その男の人はさくさくとお墓を作って、手を合わせ、そして、空に消
えるように行ってしまった。
 あたしは、それを追うように走って・・・
「お兄ちゃんありがとうぅ!また今度来る時は、きれいなお花をゼロに添えて
ねぇ」
あたしの言った言葉が届いたのかそうでないのか、分からない。
でも、数日後、ゼロのお墓には、花が添えてあったの。

「と、まあ。不思議な出来事だったのよねぇ。
今思うと、そこでのうのうと、香茶をすすっている魔族のあんた、ゼロスに、にて
んのよねぇ。どう思う、ゼロス?」
ゼロスは、いけしゃあしゃあと言った。
「ははは、もしかしたら僕かもしれませんねぇ。
なんたって、もう遠い昔のことなんて覚えてませんよ?」
「ふ〜ん。そう、それじゃあ、ゼロス、あんたが言うまでこの恐怖を与えて
あ・げ・る(はあと)」
そして、宿の食堂には、無の力が今リナに集まりつつあった。

                  おわり

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425Re:つたない過去のお話!感想で−いっ!!御茶らちゃ E-mail 12/26-12:52
記事番号421へのコメント
>「お兄ちゃんありがとうぅ!また今度来る時は、きれいなお花をゼロに添えて
>ねぇ」
>あたしの言った言葉が届いたのかそうでないのか、分からない。
>でも、数日後、ゼロのお墓には、花が添えてあったの。
う−ん、やさしいなぁゼロス。
ところでその花って食用マンドラゴラじゃあないですよねぇ・・・・(爆)

>「ははは、もしかしたら僕かもしれませんねぇ。
>なんたって、もう遠い昔のことなんて覚えてませんよ?」
いや、魔族にとって数年前のことは<」遠い昔のことでは・・・・
それともまさかリナはやっぱり魔族だったとかっ!?

子猫南蛮亭、のってたんですかっ!?
しまったぁぁぁぁっ!!見逃したぜいっ!!
そういえばゼロリナのクリスマス編も完結しましたよね。
・・・・・最近主人公を殺すのはやってるんでしょうかね・・・
よしっ!!こんどあたしも書いてみようっ!!
いつも楽しい小説読ましていただいてます。
これからも楽しみにしているのでじゃんじゃんゼロリナワ−ルドに突入しちゃってくださ
い(あたしもおともします。)
では。また猫南蛮亭掲示板にてお会いしましょう。

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441御茶らちゃさん、Thanksです!月影るい E-mail 12/27-09:31
記事番号425へのコメント
御茶らちゃ様、ありがとうです。

>う−ん、やさしいなぁゼロス。
実はやさしい奴なのですよ!う〜ん!
>ところでその花って食用マンドラゴラじゃあないですよねぇ・・・・(爆)
実は、マンドラゴラです。その後、リナは姉ちゃんを呼んで捕まえて、魔法実験をしたそうな。
(笑)
>子猫南蛮亭、のってたんですかっ!?
載ってたのです。でも、ここにまた再掲示しますのでこちらに来て下さい。
>・・・・・最近主人公を殺すのはやってるんでしょうかね・・・
>よしっ!!こんどあたしも書いてみようっ!!
・・・そう言えば、松原ぼたん様も主人公殺していたなぁ。
御茶らちゃさん、書いて下さい書いて下さい。楽しみに待ってますから。(笑)
では、全てのゼロリナの方をお連れして・・・。(^O^)
またお会いしましょう。

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433Re:つたない過去のお話!感想でごんす。いっく 12/26-22:54
記事番号421へのコメント
こんばんは。いっくです。るい様子猫でも読んだんですけど・・・
やっぱはずかしゅうて・・・でも勇気をだして書くです。

>実は言うと、今よりはまだ普通だったかもしれないわね。
おおっリナさん今普通じゃないという自覚あったんですね(爆)

>「と、まあ。不思議な出来事だったのよねぇ。
>今思うと、そこでのうのうと、香茶をすすっている魔族のあんた、ゼロスに、にて
>んのよねぇ。どう思う、ゼロス?」
それはもう似てるとかいう問題じゃないんじゃあ(^^;)

>そして、宿の食堂には、無の力が今リナに集まりつつあった。
宿は無事だったんでしょうか?
ぶっこわして泊まるとこなくなったとか?(笑)

すごく楽しかったです。おいらもゼロリナ書いてみたいなあ・・・・
ではまた次の機会を楽しみに・・・・(^^)

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442いっく様、Thanksです!月影るい E-mail 12/27-09:40
記事番号433へのコメント
いっく様、ありがとうございます。
実は、リナって自分で何だか普通でないと自覚があるんですよ。
でもその自覚というのがちょっと違って。
『あたしは、実は魔族なんでは・・・・!?』(笑)
って、いう冗談は置いといてぇ
>宿は無事だったんでしょうか?
>ぶっこわして泊まるとこなくなったとか?(笑)
いつもの様にぶっ壊して、寝れないのをゼロスにせいにしてゼロスと一緒に寝たのです。
ふふふ。って、ここでこんな事を書いてぇーーーーーーーーーー!
すみません。
>おいらもゼロリナ書いてみたいなあ・・・・
書いて下さい書いて下さい。楽しみに待っています!
待ってますよ!
では、この辺で・・・。またお会いしましょう。

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437つたない過去のお話!ゼロス編月影るい E-mail 12/27-08:53
記事番号421へのコメント
こんにちわこりずに小説も出来の再掲示にいそしんでいます。月影です。
今回は、前回のリナの過去に少し続いたお話です。
では楽しんでいって下さい。

『ゼロスの過去』 ―月夜に酔って・・・。―

 僕は、宿の部屋の窓から、晧晧と光る月を見つめながら今日聞いた
リナさんの『小さいころの話』について僕は、危なかったことを思い出す。

 あの後、リナさんは、呪文増幅を唱えた後、あの方の力そのものの呪文を
唱えながら僕に向って、とことこと歩いてきた。
「リ・リナさん止めて下さいよぉ。さすがの僕もそれは恐いんですからぁ」
「ふっふっふ。だからやってるんじゃない!
今ごろ気づいたの、甘いわねぇ。
獣神官とも在ろうものがぁ、そんなんじゃあたしに勝てないわよ?」
リナさんは、至福の笑みを出しながら僕に、詰め寄ってきた。
そして・・・。
―ドン!
僕は、行き場を失った、壁によって。
「ゼロス。もう行き場わ無いわよ?どうする?」
「フフフ、リナさんも甘いですねぇ。僕には、もう一つ行き場がありますよ?
お忘れですか?アストラルサイド!では・・・」
そして、僕は、まんまとリナさんの手から抜け出した。

・・・そして今、先ほどいた宿の二階に皆さんで取った、個々に当てられた
僕の部屋に今いる・・・。

「小さいころですかぁ。
そう言えば在りましたねぇ、そういう時期・・・。
そうあれは、数千年前くらいでしょうかぁ・・・・」
そして、僕は、月明かりを見ながら、物思いのように思い出す。

 そのころ僕はまだ、数年しか生きてなかった。
まだ、ゼラス様の下について、確か一年とちょっとだった。
僕は、全てのものについて、確かに確実にゼラス様の命令をこなしていた。
ある時、ゼラス様が一つの命を下した。
「ゼロス、今回の仕事は、ある四人組みの人間を抹殺してほしいの・・・」
ゼラス様は、少し気落ちした面持ちで話を切り出した。
しかし、僕はいつもの様に、“はい”と、答えその人間について事細かに聞
いてそして、人間界に、僕は身を躍らせるようにアストラルサイドに入り込
み、その四人組みが今いる場所へと僕は、ふわりと家の影に降り立った。
 
        つづく

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438つたない過去のお話!ゼロス編U月影るい E-mail 12/27-08:58
記事番号437へのコメント
一気にUP!っと、いっても分けてUPをします。って言うかその方がいいと思い
まして。
では楽しんでいって下さい。

『ゼロスの過去』 ―月夜に酔って・・・。―
 大通りを抜け、少し狭くなった道を抜け、そして、大広場につく。
 今日は、生鮮・雑貨市だった様だ、そのため、その四人を見つけ出すのに
苦労するかと思えばあっさりと見つかって少し気が抜けた。
 僕は、その四人組みに近づくと、わざと向こうから走ってきたように僕は
息を切らせて道を聞いた。
「はあ・・す・・・すみません。道を聞きたいんですが・・・」
僕が、道を聞くと四人の一人が、僕の方を振り向いて何と聞いてきた。
「何?道を・・・?で、どこ行くの?」
「はぁ、え〜と、ゼフィーリアまで行くんですがぁ。僕、方向音痴なんでぇ。
何だか、違う方向に来た気がしますぅ」
僕は、とぼけた人の役を演じながら、行き先をその四人に教えた。
「へぇー、で、なんでゼフィーリアなの?」
そのうちの、一人が聞いてきた。この人は、四人の中で一番印象強く、何だか
目を引く人だった。
 いわゆる、負の感情が取りにくい人であった。
「あー、そうです。ぶどう酒の名産地でしたから、一度でもいいから飲もうか
と、思いまして・・・」
 その彼女は、ほーとおもしろげに僕を見ながら言ってきた。
「よろしいよろしい!あたし、ゼフィーリアの出身のなのよ!
ぶどう酒だったら、やっぱりゼフィーリアよねぇ〜!
よしっ!連れてっちゃる連れてっちゃるぅ。ねえいいよね?」
彼女は、周りのみんなに聞いて来た。
周りの反応は、いいでしょうと、言ってうなずく。
「それじゃぁ、決まりね!あたしの名前は、ルリ。ルリ=ロスワードよ!」
彼女は、僕に手を差し伸べそして握手をする。
「僕は、ゼロスです。謎の神官です!ははは」
僕はいつものように言ってそして、四人と僕の旅が続く・・・。

      つづく

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439つたない過去のお話!ゼロス編V月影るい E-mail 12/27-09:04
記事番号438へのコメント
わぉ〜、長いなぁ。ここ開けた時重くなってなきゃいいけど・・・(^^;)
では続きをどうぞ・・・。

『ゼロスの過去』 ―月夜に酔って・・・。―

 ゼラス様は、なぜ彼女を殺すのかまでは教えてくれなかった。
 ただ、危険な人物という事だけで、後は、他三人の特徴だけだった。
「なんとなく分かりましたよ、ゼラス様。
確かに彼女は危険ですね。そういう意味では、彼女は、狂ってるのかもしれない。
何故かは分からないけど・・・。
たぶん、その大切な人が死んでからでしょうね」
僕は、あの後彼女を見送って自分も部屋に戻った。
 僕はとりあえず来ている服を脱ぎ、パジャマに着替えてベットについて一人ごちてみ
た。
 そう彼女は、狂ってるかもしれない・・・。
―人間を、生き返らせる。
 確かに、冥王様だったら簡単かもしれない、でもそれは、あの方の意志に背くものであ
り、反逆でもあった。
 けして侵してはいけない域であった。それを行えるのは、あの方から命を下ったときだ
けであった。
「貴方の大事な人は・・・、たぶん、今ごろ混沌へと運ばれまた、人生を繰り返す事で
しょうね。
それは、人間としてか、魔族としてかは、分かりませんけど・・・」


 そして、夜が明ける・・・・。
 
「もうすぐゼフィーリアが近い、早く殺さなくては・・・」

僕はそう思い、寝についた。

            つづく

『ゼロスの過去』 ―月夜に酔って・・・。―
 闇を落とした夜に変わって、光を眩しく照らす朝に変わった。
 僕は、自分の部屋を出て食堂へと足を運ばせる。既に皆さんはそろっていてテーブルに
着いている。その中で、一人の人が手を上げ振ってくる。
 ルリさんだった。
「ゼロスくん、おはよう!」
元気よく手を振って僕に挨拶をする。それに僕は、少し腰を曲げ挨拶をする。
彼女は、早く早くと言いながら自分の隣のいすを、ばんばんと叩く。
「おはようございます。ルリさんは元気ですねぇ。僕は、少し力が足りないですよぉ」
 僕は、朝から生の感情を受けているのは、生まれたばかりの僕にとっては少し痛いので
ある。
「負の感情が少し足りないですねぇ」
僕は、小さくつぶやくと彼女は、えっと聞いてきたから、いいえ何でもないです、と僕は
言い返して食事を注文した。
 今日のお勧めはと?定員さんに聞くと、パンと絞りたて100%オレンジジュースに中
華風サラダと冷たいポタージュだそうだ。
「それじゃあ。それをお願いします」
僕が注文をし終わるとルリさんは、話し掛けてきた。
「ゼロスくん?」
呼びかけた彼女の方に振り向き、そして僕はびっくりする。
「何ですこの膨大の食器はぁ!」
「ん?こんなの毎日よ!これくらい食べないと一日持たないのよ、お腹がぁ」
「はぁー、そうですか。元気がよろしい事で・・・」
 僕は、呆れながら彼女を見た。
 パワフルと言うかなんと言うか・・・・。
「はい、注文のセットだよ!」
景気の好い声が響く。そして、僕の前にその朝食が置かれる。
「で、今日のコースなんだけど・・・」
彼女は、みんなに話し掛け今日の回路を説明していた。
「今日は、街道沿いを通って次の町に日が暮れない内に行くようにしたいんだけど・・・
 いいかしら?」
「いいんじゃないの?」
「そうだな。日が暮れない内行こうか」
「・・・・」
それぞれの言葉に彼女はうなずき、最後の僕に聞いてくる。
「あー、いいですよどの様に行っても。
僕は、ゼフィーリアまでいければ良いんですから」
そういうと、ルリさんは、そうと言いながら席を立ち、みんなを見回しながら言う
「じゃあ、11時に、この宿の前で良いわね?」
各々はうなずき部屋に戻って支度をするようだ。
「・・・さて、そろそろですかね。
この、11時までがチャンスと言うわけですね」
オレンジジュースをすすりながら独りごちた・・。

       つづく

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440つたない過去のお話!ゼロス編W月影るい E-mail 12/27-09:16
記事番号439へのコメント
わー、これでゼロス君の過去編終りました。ファイナルです!
いつもの様に(?)ダークに終りました。
ダークですねぇ。うぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
では、どうぞ続きを・・・。

『ゼロスの過去』−月夜に酔って・・・−

 朝食の後、僕は、ルリさんの部屋を訪ねた。

「ルリさん、ちょっとよろしいですか?」
ドアをノックしてからすぐに声がした。少しあわただしい声だった。
「ゼロスくん?ちょっと待ってて・・・。
もうすぐ部屋片付くから」
数分後(といってもそんなに時間は経っていないが)ドアが開いた。
彼女は、朝とは打って変わって服が少し魔導士に近い服装でいた。それは、旅をする者の通常の服
と言ってもいいだろう。旅をする者の共通点と言えば多分マントをよく着用するくらいだろうと思
う。
「で、何のようなの?」
僕は、部屋の窓側にあるテーブルに通され椅子に腰を掛ける、彼女も同様に椅子に腰を掛けた。
「実わですね・・・」
僕が、言いかけると同時にこの部屋に結界を掛ける。それは、ルリさんの断末魔が外に漏れない様
に、隠密に行うために張ったものだった。
 結界は、この部屋だけを少し揺るがせる。
「な・何?」
彼女は、動揺して席を立って僕を見てくる、何か言いたげな瞳で・・・。
僕は、そんなルリさんの負の感情を食っていた。
「どうしたんです?そんに驚いて。何だかいやな奴に合ったような目で・・・」
彼女は、動揺の気持ちを隠しきれなかったようだ、全身が振るえている。
「ゼロスくん?・・・あ・貴方は魔族なの?」
「・・・それは秘密です(はあと)」
僕は、いつもの様にかわしてから、彼女に近づく。
彼女は、じりじりと後退しながら僕から遠ざかる、そんな彼女を僕はじりじりと近づいていく。
「貴方には、恨みも何にもないですけど殺させて頂きます、しかしここで忠告します。冥王様の所
に行っても無駄ですよ。もう貴方の大事な人は混沌の中へ・・・。
 その大事な人を生き返させるぐらいなら、ルリさん、貴方自信も混沌の中へ行った方がいいです
よ。
・・・と、言う事でそのお手伝いをさせて頂きます」
僕は、言うだけ言うと、ついに壁に辿り着いてしまった、彼女に更に近づき錫杖の先を胸の辺りに
当てた。
 今にも悲鳴を出しそうな彼女を僕は楽しそうに見る、と同時に少しの同情が湧き出てくる、滅ん
でいくものの気持ちが伝わるから。
 しかし、彼女には何の執着心がない。
 だから、簡単に殺せる。
「ルリさん。永遠におやすみなさい」
そして、錫杖から紅く光が集まり彼女を突き刺すようにその光が抜ける。

「さようならルリさん。大丈夫ですよ、他の方々も後から一緒に来ますから・・」


 月夜は霞んでいく、終末を迎えるように。
「あの時は、難なくとも彼女を殺せました。
・・だけど、今はどうでしょう。魔族を脅えさせる人間・・・リナさん。
貴方を倒す日がいつか来ると言うのに、今の僕は、しかも人間のリナさんが気なっている。
 どうしたものでしょうね。人間に執着するとは・・・僕らしくもない。
 しかし、こんな言葉を聞いたらゼラス様は何とおっしゃるのでしょうかねぇ?」

 ・・・そして、長い長い夜が終り、いつもの様に朝が始まる。
 食堂には、元気に手を振る彼女がいた・・・。

                                 おわり

★後記です。
こんちわー月影でーす。(←サ〇エさんのさぶちゃん調で)
再掲示やっと終りました。
うーん、あたしの小説もどきは、らぶらぶかダークかの二つに分かれますねぇ。
しかもこの言葉!
>「あの時は、難なくとも彼女を殺せました。
>・・だけど、今はどうでしょう。魔族を脅えさせる人間・・・リナさん。
>貴方を倒す日がいつか来ると言うのに、今の僕は、しかも人間のリナさんが気なっている。
> どうしたものでしょうね。人間に執着するとは・・・僕らしくもない。
> しかし、こんな言葉を聞いたらゼラス様は何とおっしゃるのでしょうかねぇ?」
これを書いた時はまだリナを殺してないんですが、クリスマスで殺しています。
でも、子猫南で復活予定です!
では、この辺で・・・。またお会いしましょう。