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    タイトル : エピローグ
    投稿者  : とーる
    URL    : http://blacktail.blog.shinobi.jp/
    投稿時間 : 2012年5月19日22時12分51秒

 




エピローグ





しばらく二人の背を見送っていた俺たちだったが、
二人が遠く霞んだ所でアトラス・シティの方を振り向いた。


「あの人に利き手で挨拶させるなんて――リナにホレたのかしらね?」

「ばかなこと言うなよ」


ガウリイお嬢ちゃんの言葉を、俺は笑って受け流す。


「――ところで、リナ?」


隣で歩くガウリイお嬢ちゃんは俺を見やる。

そういえばこのお嬢ちゃんは、いつからか俺が『お嬢ちゃん』と
呼ばなくなってることに気づいているのだろーか。
いや、気づいてないかもしれないな。


「アトラス・シティに着いたあとはどうするつもりなの?」

「んー、そーだなぁ……」


俺はしばし考えて。
ふと、あることに気がついた。


「そうだ、それよりガウリイの“光の剣”を俺にくれるって話、
 あれどうなったんだ?」

「誰がそんなこと言ったの! 誰が!」

「あ……くれないのか……」


ガウリイお嬢ちゃんが怒り、俺は瞬いた。


「当たり前よ」

「残念だなー。それがあれば俺はほとんど無敵だし、魔道の研究も
 はかどるだろーし……」

「だめなものはだめ」

「――そうか、分かった」


俺はあっさりと頷いた。


「……え?」


ガウリイお嬢ちゃんが面食らう。


「これで決まったな。当面の行き先が、な」

「――どこなの?」


容量を得ない顔で、お嬢ちゃんが聞き返す。


「お前さんの行くところ、だ」

「……はぁ?」

「光の剣を譲ってくれる気になるまで、ずっとお前さんの追っかけを
 やらせてもらうからな」


くしゃりと、金髪を撫ぜる。
ぱちぱちと瞬きしていたガウリイお嬢ちゃんは、ようやく意味を
呑み込めたのか、疲れたような呆れたような溜息をこぼし、苦笑する。


「とにかく――行くか」


言って、俺は歩き出した。
アトラス・シティへと――。





END.


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ドラスレ! 16-投稿者:とーる なし