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1.KAKINAGURI i
2.怪談

くれつきさんの話

 今年の2月。京都のある場所に行ってまいりました。
資料、探したんですが、見つからなかったので、場所の名前とかは忘れましたが、結構有名なところです。
 声明(お経のふしです)の発祥の地というところで、お寺が結構あるところなんですけどね。
 そのお寺の一つに入ったとき、もらったパンフレットに「血天井」って書いてあったんです。
 まぁ、確かに上を見上げると、微かに血がみえるんです。足の形をしたものとか・・・何か、引っかいたような線の血とか。
 で、そこの説明をしてくださった僧侶さんのお言葉。
「この天井は血天井といいます。ほら、血の後があるでしょう?ここは顔の形。これが目の部分で、これが鼻の部分になりますね。
 この天井は元々あるお城の床板だったんですが、戦いに敗れて100人(ぐらいだったかな?)の武士達が自決したところの床なんですよ。
 自決と言っても、そうそう人間が簡単に死ねるわけではなくて、血を流しながら苦しみ、床を引っかいたりするんです。この線はその時に引っかいた後です。
 しかも。自決したのが大体9月ぐらいですから…。9月と言ってもまだまだ暑さが続く中、その死体達を片付ける者もおらず…1ヶ月近くその城は放ったままになっていたんです。
 まぁ、想像できるでしょうが、そんな暑さの中、死体がどうなったかといえば。
 この顔の部分も、そうして放っておかれたことによって後がついたんです。」
 うっすらとですが、確かに血で顔の形が浮かんでいる部分がありました。
「まぁ、それで血のあとがとれなくなって、その床板をどうするのか、ということで
 その床板を6つ(だったか7つだったか忘れました…)にわけて、それぞれお寺に供養に出したというわけです。
 その一つがこの天井につかわれました。確か、西本願寺にも供養に出されているはずですよ。」………私は知りません。

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